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音声AIが変えるデートの未来 :  デートを増やすのはAI?「話すだけ」で相性を掘り起こす新世代マッチングが資金調達

音声AIが変えるデートの未来 : デートを増やすのはAI?「話すだけ」で相性を掘り起こす新世代マッチングが資金調達

2025年12月21日 07:37

「会いたいのに、会えない」時代の処方箋としてのAI

マッチングアプリは、世界中の出会いを“検索”できるようにした。一方で、多くの人が感じているのは、出会いの供給過多と、そこから生まれる疲労だ。

候補は無限に出てくる。会話も続く。なのに、実際に会うところまで進まない──。 「スワイプ疲れ」「延々としたチャット」「ゴースト(音信不通)」は、もはや現代恋愛の常套句になった。


そんな“会うまでの摩擦”を、AIの力で逆に減らそうとしているのが、サンフランシスコ発のスタートアップKnownだ。彼らの主張はシンプルで、挑発的でもある。

AIは人間関係を置き換えるのではなく、むしろ“対面の機会”を増やすために使う。


Knownがやっていること:スワイプを捨て、音声で「人となり」を掘る

Knownのコアは、マッチングの前段にある。 一般的なアプリが「写真+短文プロフィール+好きなものリスト」で相手を選ばせるのに対して、Knownはまず音声AIとの会話から始める。


フォーム入力ではなく、電話のように話す。AIが質問し、返答を掘り下げ、必要ならフォローアップも重ねる。 その結果、オンボーディングは平均で26分、長い人だと1時間38分に及ぶという。


ここが面白いのは、時間の長さ自体が「離脱の原因」ではなく、むしろ体験価値になっている点だ。 テキスト入力だと、私たちは無意識に“見栄の良い言い回し”に編集してしまう。音声だと、言葉の選び方、間、テンポ、熱量が出る。プロフィール欄では書けない「ニュアンス」が滲む。

Knownは、その“滲み”を素材にして、次のステップへ進める。


「会う」ための設計:24時間ルールで“温度”を保つ

Knownのフローは、チャットを長引かせないようにできている。

  1. 音声オンボーディング完了後、AIが候補を提示

  2. ユーザーはプロフィールについてAIに質問できる(背景や相性の理由など)

  3. 気に入れば「興味あり」をタップ

  4. 両者が合致したら紹介が成立

  5. 24時間以内に紹介を承諾、さらに24時間以内にデートに合意

この“タイムボックス”が狙っているのは、恋愛における最大の敵──先延ばしと気持ちの冷却だ。


メッセージのラリーは、楽しい反面、関係を“文字の中”に閉じ込めやすい。会う約束が先延ばしになり、気づけば既読スルーやフェードアウトに変わる。 Knownは設計でそれを防ぎ、「会うか、会わないか」を早く決めさせる。


βで「紹介の80%が対面デートに」──数字が示す“体験の違い”

Knownはサンフランシスコでテスト運用し、紹介の約80%が対面デートに繋がったと説明している。


この数字がどれほどの母数で、どの期間で出たものか、そして“デート”の定義がどこまで厳密か──は今後の検証が必要だ。 それでも、スワイプ型アプリが抱える課題を考えると、少なくとも「プロダクトの方向性」に投資家が反応したのは理解できる。


収益モデルは「成功報酬」寄り:βでは“デート成立1回30ドル”

Knownは、もともと“レストラン予約をAIが代行する”発想から始まったという。 その名残は今もあり、Knownは店選びの支援も行う。会話で聞き出した好みを元に、初回デート向けの店を提案する。


さらに、AIチャットとカレンダー連携により、空き時間の共有も補助する。


興味深いのは課金の考え方だ。 βでは、**「デートが成立したら30ドル」**というモデルを試していた。サブスクで“アプリに居座るほど儲かる”構造と逆向きで、Knownは「会って終わる(あるいは恋人ができて卒業する)」ほうが成功、と言える設計を狙っている。

ただし、料金は固定ではなく、今後さまざまなモデルを実験するとしている。


資金調達:Forerunnerの“初デーティングアプリ投資”が象徴的

Knownは総額970万ドルを調達した。 投資家にはForerunnerとNFXのほか、Pear VC、Coelius Capitalなどが名を連ねる。

特に象徴的なのは、Forerunnerにとってこれが“初のデーティングアプリ投資”だとされる点だ。 「女性ユーザーの言語化されにくいニーズを、会話なら引き出せる」という投資家側のコメントは、Knownの“音声”戦略を後押ししている。


SNSの反応:LinkedInでは「AIが恋愛を“現実”に戻す」期待が優勢

公開のSNS上では、少なくとも現時点で大きな炎上や批判のうねりは目立たず、投資家・起業家コミュニティ(特にLinkedIn)で好意的な反応が多い。


1) VC・支援者側:スワイプの次は「キュレーションの時代」

Pear VC関係者の投稿では、恋愛プロダクトが「検索→スワイプ→AI」へ移行し、無限の候補から“意図ある紹介”へ向かう、というストーリーが語られている。Knownの特徴として、26分の音声オンボーディングや24時間ルール、対面デート率の高さが強調され、「ポケットに入る1万ドルの仲人」という比喩も登場した。


2) 創業者側:『アプリの目的』を反転させる宣言

創業者Celeste Amadonの投稿は、Knownの哲学を端的に表す。 要旨は「従来のアプリは、デートを増やすより“滞在時間”を増やすよう設計されていた。Knownはそれを反転させ、スワイプをやめ、音声で人となりを理解して、現実のデートをキュレーションする」というものだ。


3) 投資家側:『孤独』への社会的インパクトを語る

Forerunner公式の投稿では、Knownのミッションが“より豊かな関係性”の促進として説明され、単なる出会い系というより、孤独や関係の希薄化に向き合うプロダクトとして位置付けられている。


4) それでも残る論点:音声データ、アルゴリズム、そして安全

好意的な空気の一方で、プロダクトの性質上、今後避けられない論点もある。

  • 音声データとプライバシー:声は、文章より“個人性”が濃い。Knownは利用規約上、音声録音やAIの文字起こしデータに関する開示・削除・学習利用のオプトアウトなどの権利を明記しているが、ユーザーがどこまで理解し、安心して委ねられるかは重要だ。

  • バイアスと説明責任:「なぜこの相手なのか」をAIが説明できることは利点だが、裏側の判断基準がブラックボックスになれば不信も招く。

  • 安全性:時間制限で会うまでが早いほど、本人確認、悪質ユーザー対策、トラブル対応の設計がより重要になる。


Knownは“恋愛を最適化”するのか、“恋愛を現実に戻す”のか

AI恋愛と聞くと、チャット相手がAIだったり、仮想恋人と関係を結んだりという方向を想像しやすい。 だがKnownはむしろ逆で、画面の中の恋愛を、現実のテーブルへ戻すことに価値を置く。


そのための手段が、

  • 長い音声オンボーディング(理解の深さ)

  • 時間制限(先延ばしの排除)

  • デート支援(実行の容易さ)

  • 成果報酬の匂いがする課金(インセンティブの整合) という、やや“仲人”に近い設計だ。


これから:来年初頭のローンチで試される「スケールの壁」

Knownは現状サンフランシスコでテスト中で、来年初頭のローンチを計画している。


ここから先で問われるのは、仲人のように深く関わる体験を、どこまでスケールできるかだ。 音声で深く理解するほど、処理や安全、サポートのコストは増える。逆に浅くすると、差別化が薄れる。


“会える”を増やすAIは、恋愛アプリの「次の標準」になれるのか。 Knownの挑戦は、スワイプ時代の終わりを占う試金石になりそうだ。


元記事メモ(参照情報)

  • TechCrunch(2025年12月19日掲載):Knownが音声AIオンボーディングで対面デートを増やす、テストで紹介の80%がデートに繋がった、資金調達は970万ドル、βはサンフランシスコ、来年初頭ローンチ予定、など。

  • 併せて参照:投資家・関係者のLinkedIn投稿(Pear VC関係者、Forerunner、創業者本人など)で、設計思想や「スワイプの次」への期待が語られている。


参考記事

Knownは、音声AIを活用して、対面でのデートを増やす手助けをします。
出典: https://techcrunch.com/2025/12/19/known-uses-voice-ai-to-help-you-go-on-more-in-person-dates/

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