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「わかり合えない」は本当か:対話意欲を測る新ツールが暴く“個人差”の正体

「わかり合えない」は本当か:対話意欲を測る新ツールが暴く“個人差”の正体

2026年01月08日 00:05

「対話したいか」ではなく「どこまで許容できるか」――WEDOが可視化する“分断の境界線”

SNSで意見が割れる話題が流れるたび、私たちは二つのタイプを見てきた。
違いを怖がらず議論に入っていく人。反対に、距離を置き、ミュートやブロックで“関わらない”選択をする人。


ここでよくある説明は「政治や社会の話題は荒れるから」「炎上が起きやすいテーマだから」という“話題側”の問題だ。だが、2026年1月にPhys.orgが紹介したバーゼル大学(University of Basel)の研究は、もう一段深いところに焦点を当てる。結論から言えば、対話の扉が開くかどうかは、テーマの論争性よりも“個人差”が大きいというのだ。 Phys.org



1) 研究の主役は「WEDO」――対話意欲を“幅”として測る

研究チームが開発したのは、**WEDO(Willingness to engage with differently minded others)**という測定ツール。狙いは単純な「賛成/反対」「対話する/しない」の二択ではない。


人は実生活で、こう振る舞うことがある。

  • 少し違う意見なら話せる

  • 真逆の主張はしんどい

  • 同じ陣営でも極端な人は避けたい


つまり私たちは、相手の“違いの大きさ”に応じて、対話の許容範囲を無意識に調整している。WEDOはそれを、仮想シナリオで“測れる形”に整える。


手順はこうだ。参加者はまず、サステナビリティや移民といったトピックについて自分の立場を段階評価で示す。次に「討論グループを作る」と想定し、自分が同席を許す“意見の範囲”を指定する。極端に離れた立場は外し、ほどほどに違う立場は入れる――そんな選択が可能になる。 Phys.org


この設計の強みは、対話を「好き/嫌い」ではなく、“どこまで違っても受け入れられるか”という連続量として扱える点にある。



2) 4つの研究:学生だけでなく米英サンプルでも検証

研究はバーゼル大学の学生サンプルに加え、米国・英国のサンプルでも実施され、合計4つの研究で検討されたと紹介されている。 Phys.org


ここが重要なのは、SNSでありがちな「大学生の心理実験だから現実と違うのでは?」という疑念に対して、一定の幅を持たせる設計になっている点だ(もちろん、後述するように限界は残る)。



3) 結果:開かれた人を分けたのは「論争性」より「思考スタイル」

研究が示したメッセージは明快だ。

  • 対話に開かれている人ほど、分析的に考える傾向や“突き詰めたい欲求”が強い

  • 白黒思考が強い人、直感(gut feeling)に頼りやすい人ほど対話に消極的 Phys.org


そしてもう一つ、見出しにしたくなる“意外な結果”がある。研究者は当初、論争的なテーマほど対話が避けられると想定していたが、少なくとも一つの研究ではむしろ論争的テーマの方が他者意見に向き合う意欲が高い傾向が見られたという。 Phys.org


ここで誤解しないでおきたいのは、「政治の話は荒れない」「論争テーマでも大丈夫」という意味ではないこと。ポイントは、話題の“熱さ”が一律に対話を壊すわけではなく、個人の受け止め方次第で“学びの動機”にも“回避の引き金”にもなる、という含みだ。



4) SNSの反応:拡散は静か、でも“刺さる層”には刺さる

では、この研究そのものはSNSでどう受け止められたのか。


Phys.org上では「0 shares」――少なくとも初動は大拡散ではない

Phys.orgの記事ページには共有数が表示されており、掲載時点の表示では**「0 shares」**となっている。少なくともPhys.orgのカウンター上では、初動でバズった形跡は薄い。 Phys.org


この“静けさ”は、研究テーマが地味だから…だけではないかもしれない。対話や分断は重要なのに、拡散競争のタイムラインでは「怒り」「断罪」「スカッと勝利」といった感情の強い素材に負けがちだ。つまり、研究の価値とSNS拡散の強さは別軸になりやすい。


一方でLinkedInでは「年末の家族会議あるある」と接続され、具体的に語られている

拡散がゼロというわけでもない。例えばLinkedInでは、政治心理学系の団体アカウントが年末年始の家族の集まり(活動家の親戚、陰謀論っぽい義兄弟…など)という“あるある”に絡めて、WEDO研究を紹介している。投稿では、感情・直感に頼りすぎない人、ニュアンスで考えられる人、気まずさなど負の感情への耐性がある人ほど対話しやすい、といった要点がまとめられていた。 LinkedIn


ここから見えるSNS反応の特徴は、「研究の中身そのもの」よりも、**“自分の生活シーンに翻訳できるか”**で反応が分かれる点だ。


政治的分断という大きい話を、家族の食卓・職場・コミュニティ運営に落とし込めると、途端に“読む理由”が生まれる。



5) この研究が投げかける、実務的な問い

WEDOの面白さは、「人を説得する技術」ではなく、**そもそも人が対話の輪に入ろうとする“入口”**を測っているところだ。ここから実務的に導ける示唆は大きい。


  • 対話の敵は話題だけではない:同じテーマでも、許容範囲の広い人・狭い人がいる(だから“話題禁止”だけでは解決しない) Phys.org

  • 短文・即レス環境は直感モードを強めやすい:分析的思考の余白が削られると、白黒化しやすくなる(設計の問題として考える余地がある) Phys.org

  • 論争テーマが“学びの動機”になる人もいる:場の目的(仲良くなるのか、理解を深めるのか)次第で対話の入り口は変わり得る Phys.org


6) 限界とこれから:WEDOは「扉の前」までを照らすライト

もちろん限界もある。WEDOは仮想シナリオでの選好を測るため、現実の会話で起きる感情の爆発、関係性の蓄積、権力差、人格攻撃の有無などをそのまま再現するものではない。


研究チームも、なぜ論争的テーマで対話意欲が上がる場合があるのか、どんな文脈が政治討議を促進するのか、他の性格特性やステレオタイプの役割は何か、といった“宿題”が残っていると述べている。 Phys.org


言い換えれば、WEDOは「対話の扉を開ける意欲」を測る強力な一歩だが、「扉の向こうでうまく話す」には別のスキルと環境が要る。だからこそ、分断を“根性論”ではなく“設計問題”として扱うための土台として価値がある。



参考記事

なぜ私たちは異なる考えを持つ人々と話すのか、あるいは話さないのか
出典: https://phys.org/news/2026-01-people-differently-dont.html

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