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『買っておいて』を禁じたいAmazon、闘うPerplexity ― AIエージェント覇権戦争の火蓋

『買っておいて』を禁じたいAmazon、闘うPerplexity ― AIエージェント覇権戦争の火蓋

2025年11月06日 10:27

1|何が起きたのか:AI“代理人”がレジに並んだ日

AIブラウザ「Comet」を提供するPerplexityとAmazonが正面衝突した。発端は、Cometの“エージェント”がユーザーの代わりにAmazon上で商品検索から決済まで行えること。Amazonは「第三者アプリが顧客の代わりに購入するなら、オープンに(名乗って)運用し、当社の参加可否を尊重すべき」として、機能停止を繰り返し要請。C&D(Cease and Desist=差止要求)文書まで公表し、Cometが自らの正体を隠してアクセスしていると非難した。About Amazon


これに対しPerplexityは“Bullying is Not Innovation(いじめはイノベーションではない)”と題した公開書簡で応酬。「ユーザーが雇うAIアシスタント(User Agent)を企業が禁じる権利はない。Amazonは広告とアップセルを優先している」と批判し、機能の正当性を主張した。Perplexity AI


2|両社の主張:透明性 vs. 選択権

Amazonの主張

  • Cometは自らをChromeのように偽装してアクセスしており、透明性に欠ける。

  • そのため体験を監視・改善する対話ができず、結果的に“劣化したショッピング体験”(価格・配送・履歴パーソナライズの不整合など)や、顧客データのリスクを招く。

  • よって、Cometがアクセスするなら“名乗る”ことと、当社の決定(不参加)を尊重することが必要。Amazon Assets


Perplexityの主張

  • User Agentはユーザー本人の延長であり、「あなたに許される行為しかできない」存在。

  • 資格情報は端末内で保持され、同社サーバーは保持しない。

  • Amazonは“広告主導の体験”を守ろうとしており、ユーザーの選択権を侵害している。Perplexity AI


3|背景にある火種:クローリングと“名乗り”問題

この対立は唐突ではない。夏以降、CloudflareはPerplexityのクローラーが“ブロックをすり抜け、ユーザーエージェントやAS番号を切り替えながら巡回している”と批判。Perplexity側は誤解だと反論したが、“ステルス”という言葉は議論に影を落とした。AIがWebを横断的に扱う時代、**「誰が、どの身分(UA)で、どこに、どうアクセスしているのか」**はコア論点だ。The Cloudflare Blog


4|“第三者エージェントと提携する”という矛盾

興味深いのは、Amazon自身が決算説明会で「将来的に第三者のAIエージェントと連携する可能性」を示している点だ。現状の体験は「良くない」とも評価しつつ、方向性としては協調を排除していない。つまり、“名乗らない(透明でない)エージェント”は拒むが、“名乗るエージェント”との提携余地はある、という読みだ。Modern Retail


5|法とルールメイキング:CFAAと“店舗のルール”

AmazonのC&Dは米連邦のCFAA(不正アクセス防止)やカリフォルニア州法を引きつつ、「技術的ブロックを回避してアクセスを続ける行為は不正アクセスに当たる」と主張。過去判例も引用した。ここでの鍵は、**“店舗(プラットフォーム)のルールに反して自動化したアクセスを続けるか”**であり、単なるスクレイピング論争を越えて“代行購入という行為の正当性”に踏み込む。Amazon Assets


6|ビジネスインパクト:誰が“レコメンド権”を握るのか

AIエージェントが主流化すれば、検索やECの最上流=選択の瞬間が人の画面からAIの頭の中へ移る。ここで**誰が“何を、いくらで、どこから買うか”**を決めるのかは、広告・販促・マージンの分配を揺さぶる。Amazonが“体験劣化”を強調するのは、同社の強み(レビュー・在庫・配送・パーソナライズ)との非連続を指摘したいからだろう。一方Perplexityは“ユーザー利益最大化”を掲げ、広告的バイアスの少ない決定をアピールする。この溝は、透明性(名乗り・監査)と相互API/規約整備で橋渡しできるかにかかる。About Amazon


7|SNSの反応:賛否の“二項対立”と投資の目

Xでは「Amazonは広告収益を守りたいだけ」「ユーザーの選択権を封じるな」という擁護と、「ステルス問題を解決せずに“権利”を語るのはおかしい」という批判が交錯。Perplexity公式アカウントは“ユーザーの権利”を強調する投稿を重ね、ニュースメディアや個人インフルエンサーのスレッドが連鎖した。さらに、「Amazon創業者ジェフ・ベゾスがPerplexity投資家でもある」という文脈に触れる投稿も目立ち、利害の錯綜が話題化した。X (formerly Twitter)

 



8|“ユーザー代理人”の設計原則:3つの落としどころ

今回の衝突は、Webの次の標準を探るプロセスでもある。実装レベルでの落としどころは、少なくとも次の三つだろう。

  1. アイデンティティの可視化(Transparent UA)
    どのAIが、誰の代理で、どの権限で動いているのか——“名乗る”ことの標準化。Amazonが求めるのはここに尽きる。逆に言えば、ここをクリアすれば提携余地は開ける。About Amazon

  2. 安全と同意の境界(Consent & Safety)
    アカウントに触れる以上、フィッシング・プロンプトインジェクション耐性や決済権限の粒度設計は不可欠。C&Dが挙げる脅威事例は、エージェントの“安全運転”標準化を後押しする。Amazon Assets

  3. 体験品質の連結(DX Telemetry)
    パーソナライズや配送精度、返品フローなど“店側の品質”とエージェントの意思決定をどう接続するか。ここはAPIやメタデータ共有の設計問題で、将来的には**“エージェント対応EC”**という新しい店側の最適化が生まれるはずだ。customerexperiencedive.com


9|“次の一手”:合従連衡とルール形成

短期的には、プラットフォーム各社が**“AIエージェント利用規約”と技術的ブロック(Bots/Agentsの区別)を整え、AI側はUAの宣言・監査ログ**で歩み寄る——という関係になるだろう。中期的には、広告在庫と手数料の再配分をめぐり、エージェント連携モデル(紹介料・成果地点の定義)が模索される。長期的には、**ユーザーが“誰のAIに任せるか”**という選択が富を動かす。今回の騒動は、その入口にすぎない。The Verge



参考・主な一次情報

  • The Verge(発端整理・当事者リンク集)。The Verge

  • Amazonの公式声明とC&D文書(透明性・法的根拠)。About Amazon

  • Perplexityの公開書簡(User Agentの定義と反論)。Perplexity AI

  • Cloudflareによる“ステルスクローリング”指摘(過去事例)。The Cloudflare Blog

  • 決算発言:第三者エージェントとの“将来の提携”示唆。Modern Retail
    -(状況更新があれば)各社報道。Reuters


参考記事

AmazonとPerplexityがAIウェブブラウザの大戦争を開始しました。
出典: https://www.theverge.com/news/813755/amazon-perplexity-ai-shopping-agent-block

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