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生成AIはどこまで“オリジナル”か:指紋で迫る著作権の臨界点 - 『似ている』を値札に変える新・権利交渉術

生成AIはどこまで“オリジナル”か:指紋で迫る著作権の臨界点 - 『似ている』を値札に変える新・権利交渉術

2025年10月20日 01:28

1. 何が起きたのか:可視化された“似ている度合い”

英『ガーディアン』は10月18日(米東部時間)、「生成AIツールがどれほど著作権作品に頼っているのか」を可視化するプラットフォームとしてVermillioを紹介した。Vermillioは著作物ごとに“ニューラル・フィンガープリント(指紋)”を作成し、AIの出力と照合して近似率をはじき出す。Doctor Whoを想起させるプロンプトで生成したGoogle Veo3の動画は約80%、OpenAI Soraの動画は約87%一致という結果が示され、Bond(ジェームズ・ボンド)やJurassic Park、Frozenでも強い一致が観測されたという。ガーディアン


VermillioはIP/NIL(名前・肖像権)保護や不正使用の追跡・ライセンシング提案までを包含する権利管理基盤「TraceID」を掲げる。つまり“検知で終わらず収益化へ”をうたう点が特徴だ。vermill.io


2. 生成AI側の言い分:フェアユースと“第三者測定”への距離

記事によれば、Googleは「第三者ツールの結果についてはコメントしない」としつつ、知財侵害を禁じる方針を強調。OpenAIは「公に入手可能なデータによる学習は米国のフェアユースに整合」と説明した。YouTubeは自社規約上、コンテンツを機械学習に用いる旨を示している。これらは“透明性の不足”を批判される一方、法域ごとに異なる著作権制度の中での生存戦略でもある。ガーディアン


3. 法廷の空気:Anthropicの15億ドル和解が映す“相場感”

タイミングを重ねるように、米Anthropicは海賊版書籍の学習を巡る集団訴訟で15億ドルの和解に予備承認を得た。1冊あたり約3,000ドルの支払い見込みや、当該データの破棄などが報じられている。権利者側は画期と評価し、AI企業側には“ライセンスのマーケットを作るべし”という圧が強まる。AP News


4. 産業の摩擦:俳優・クリエイターの反発

英国の俳優組合Equityは、無断な容貌・声のAI利用に対し「大規模直接行動」も辞さずと表明。生成AIの“実写級”合成が現場の信頼を侵食している現状がにじむ。ガーディアン


5. SNSの反応:歓迎・警戒・懐疑の三つ巴

 


  • 歓迎派(権利者団体):米出版社協会(AAP)はAnthropic和解を肯定的に評価し、ライセンス市場形成への一歩と発信。作家ギルドも周知スレッドや手続き案内を連投し、権利行使の具体化を後押ししている。AAP

  • 現場の危機感(パフォーマー):Equityのアカウントや声明に賛同が集まり、俳優の“デジタル二重化”を巡る怒りが可視化。特定事例への批判やハッシュタグ運動が広がった。Equity

  • 懐疑派(技術コミュニティ):「“%一致”は何を意味するのか」「指紋化の再現性・偽陽性率は?」とメトリクスの妥当性を問う声も。画像・動画の類似度推定は学術的にも多様な指標が併存し、モデル指紋やSiameseネットによる“説明可能な類似”など、設計次第で結論が変わりうるためだ。Proceedings of Machine Learning Research

6. 技術的な“%一致”の読み方:3つの注意点

(1) 何を比べているのか
フレーム単位の特徴量か、構図・質感・キャラクター様式か。学術的にも「生成モデルの潜在指紋」「素材コピー検出」「セマンティック類似」などレイヤーが異なる。メトリクスが違えばパーセンテージの意味も違う。Proceedings of Machine Learning Research


(2) 検出の透明性
ブラックボックスなスコアは訴訟・交渉の現場で弱い。ブロックチェーンでの検証可能な証跡や、公開ベンチマークとの往復が重要になる。SpringerLink


(3) 誤検出と“文化的記号”
青い電話ボックス→“Doctor Whoらしさ”のような文化記号は、具体的作品と抽象的トロープが混線しやすい。工程の可視化(ヒートマップ等)を伴う説明が不可欠だ。MDPI


7. それでも「見える化」は効く:交渉コストを下げる

Vermillioは単なる“晒し”ではなく、検出 → 証拠化 → ライセンシング提案までをワンストップ化する。これは「まずは相手に存在を気づかせる」ことが肝のデジタル時代の権利行使に合う。権利者・プラットフォーム・AI企業の三者で“許諾の場”を作る足場になりうる。vermill.io


8. これからの実務:3つのアクション

  • 契約とプロンプト規制:制作委託・配信契約に「AI生成物の検証・削除・再生成義務」や“著名IP風”のプロンプト禁止条項を明記。

  • 監査ログの義務化:AIベンダーにはデータ来歴(provenance)とブロックリスト連携、第三者監査の受け入れを求める。

  • 権利者側の“攻めの対策”:検知ツールの導入だけでなく、許諾メニューの整備と料金表の明示で「使いたいなら払う」を実現。


9. ルールメイキングの現在地

英国では著作権法の“AI特例”検討に反対するアーティストの運動が続く。企業の自主基準だけでは限界がある一方で、過度な規制はイノベーションを損なう。だからこそ、透明性(データ来歴・検出手法の説明可能性)と正当な対価(和解や包括ライセンスの相場形成)を両輪で進めるべきだ。ガーディアン



付記:今回のキー事実

  • Vermillioの検証では、Doctor Who風のVeo3動画が約80%、Sora動画が約87%一致。Bond等でも高一致例。ガーディアン

  • Googleは第三者測定へのコメントを控え、OpenAIはフェアユース整合性を主張。ガーディアン

  • Anthropicの15億ドル和解は予備承認済みで、1作品あたり約3,000ドルの水準が報じられている。AP News

  • 俳優組合Equityは「大規模直接行動」を警告。ガーディアン


参考記事

AIツールが使用する著作権アートの量を正確に公開するプラットフォーム
出典: https://www.theguardian.com/technology/2025/oct/18/the-platform-exposing-exactly-how-much-copyrighted-art-is-used-by-ai-tools

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