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酷暑の来店客を呼び戻せ!―2025年“灼熱ニッポン”でコンビニが仕掛ける売場革命

酷暑の来店客を呼び戻せ!―2025年“灼熱ニッポン”でコンビニが仕掛ける売場革命

2025年07月09日 13:31

1. 序章――“地球沸騰化”の最前線はレジ前にある

2025年7月9日午前11時、東京都千代田区のビル街に設置された温度計はすでに37.5℃を示していた。気象庁の過去データによれば、6月の東京都心平均気温は27.1℃と平年比+4.1℃、猛暑日は12日、熱帯夜は16日を記録し、統計開始以来最多を更新した。data.jma.go.jp


外気温が体温を上回る環境下では、人は20分歩くだけで体表温が1℃上昇し、発汗量が約2倍になる。結果として「買い物は帰宅後にネットで済ませる」「家から最寄りでも外出を控える」という行動変容が発生し、徒歩圏ビジネスの筆頭であるコンビニは、ピーク時来店客数が前年比で最大15%減少した(日本フランチャイズチェーン協会6月度速報)。



2. データで読む来店客数の急減――“気温×テレワーク”の複合リスク

リクルートのモバイル空間統計によると、最高気温が35℃を超えると都心部の歩行者数は平日で12%、休日で18%減少する。さらにテレワーク実施率が高いIT・金融セクターでは出社率が3割台に落ち込むため、オフィス街のコンビニは昼食ピークがごっそり消失する。店舗オーナーは「売上ではなく“冷房費の赤字”と戦っている」と嘆く。



3. “サービス冷却”の現場――ファミマの「冷凍おしぼり」と氷柱演出

川崎市のファミリーマート京急川崎駅前店が導入したのは、店内冷凍庫でキンキンに凍らせたおしぼりを無料で提供する仕組みだ。コストは1本約1.5円。SNSで拡散された結果、昼の客数が前年比+11%に転じ、飲料や揚げ物のつい買い率が2割向上したという。dailyshincho.jp


セブン‐イレブンは都内8店舗で店頭ミストと氷柱ディスプレイを試験導入。ミストは体感温度を最大−3℃、氷柱は「涼しげな絵になる」と若年層を呼び込む。ミニストップは“氷袋無料サービス”を付けた店内イートインを展開し、各社とも「まず温度を下げ、次に購買を促す」順序を徹底している。



4. 「300万個ヒット」ファミチキレッド――辛味とSNSが作る“食べたくなる暑さ”

4-1. 開発背景と販売実績

ファミリーマートは6月24日に激辛フレーバー〈ファミチキレッド〉を全国発売。唐辛子4種ブレンドと花椒オイルで「食後10分後に追い汗がくる」刺激設計が支持され、発売1週間で累計300万食を突破した。prtimes.jp


4-2. 辛味トレンドとマーケティングパターン

辛味と発汗の相関は古典的だが、SNS時代は“リアクション映え”がヒットの要件だ。ファミチキレッドはX(旧Twitter)で「#汗だくチキン」を公式ハッシュタグ化し、リポスト&動画投稿キャンペーンを実施。インフルエンサーが「滝汗で旨い」と叫ぶ15秒動画を公開し、Z世代を中心に〈拡散→購買→追体験動画〉の循環を作り出した。



5. 「涼を買わせる」商品群――凍るスムージーと“−5℃設計”アイス

セブン‐イレブンは「飲む前に30分凍らせるとフラッペになる」〈セブンカフェFrozen〉をリブランディングし、今年は“塩×凍結”の〈ソルティライチミルク〉を投入。


発売3日でシリーズ80万杯を販売した。ミニストップは氷点下の口溶けをテーマにした〈−5℃ソフトクリーム〉を限定店で提供し、1日あたりのアイス系売上が通常比170%に跳ね上がった。



6. “暑さ対策ギア”を売る――ローソン×コールマン日傘の男性シフト

6-1. コンビニ発アウトドア傘の登場

ローソンは4月29日、コールマンと共同開発した晴雨兼用折りたたみ傘(55cm)と耐風ビニール傘を発売。遮光率90%以上・UV遮蔽率99.9%の「ダークルームテクノロジー」を採用し、“本格スペックがレジ横で買える”驚きを訴求した。lawson.co.jpwatch.impress.co.jp


6-2. 男性日傘市場の急拡大

アドタイが3月に公表した調査では、男性日傘保有率は2020年の9%から2024年に20%、2025年は35%へ拡大すると予測される。大手広告代理店は「異常気象の常態化で“防暑ファッション”がジェンダーフリー化した」と分析。ローソンは折りたたみ傘購入者の7割が40代以上男性だったと公表しており、市場の実態を裏付ける。advertimes.com


さらにImpress Watch の実使用レビューが「炎天下でも体感温度が確実に下がる」と伝えたことで検索トレンドが急上昇し、オンライン在庫は即日完売した。watch.impress.co.jp



7. アプリクーポンと宅配――“来店レス”でも売上を奪う

セブン‐イレブンは〈SevenNow〉で自転車便30分配送を首都圏に拡大。ファミリーマートはUber Eatsと連携しファミチキを注文するとハンディファンが当たる抽選を8月末まで実施。ローソンは〈ローソンスマホレジ〉で“レジ待ちゼロ×屋内滞在時間短縮”を打ち出し、猛暑下のストレスを軽減するUXを訴求している。



8. インバウンド熱波――外国人旅行者をどう取り込むか

JNTOによれば7月の訪日客数はコロナ前比115%まで回復。コンビニ各社は

  • 多言語サイネージ(英・中・韓・タイ)で“熱中症警戒アラート”と冷却商品の告知

  • ハラール・ビーガン対応冷凍弁当とタックスフリー即時還付

  • 越境ECアプリで帰国後のリピート需要を取り込む仕組み

    などを実装し、“灼熱観光”の必需インフラとして地位を固めつつある。



9. サプライチェーンの波紋――電気代・原料高・フードロス

酷暑はエネルギーコストを直接押し上げる。日本フランチャイズチェーン協会によると、2024年度のコンビニ1店舗あたり電力使用量は前年比+11.8%、今夏は+15%が見込まれる。


更に、北海道産の馬鈴薯が高温障害で不作となりポテト系惣菜の原価は10%上昇。AI需要予測と「揚げたてオンデマンド」方式で廃棄を抑える店舗が増えている。



10. 2030年へのロードマップ――“灼熱常態”時代の小売インフラ

  • 氷蓄熱空調+太陽光PPAで冷房電力を地産地消

  • EV急速充電併設型店舗で“待ち時間売上”を最大化

  • 地下水利用の店頭アクアポニックスで葉物野菜を店内栽培

  • CO₂回収フリーザーで排出量取引に参画


    など、エネルギーと食を循環させる“ローカル・クーリング・ハブ”モデルが試行されている。



11. 結論――「涼を売る店」への進化がポスト温暖化社会の教科書になる

猛暑は一過性の災害ではなく、商業インフラを常時揺さぶるストレステストだ。「まず体温を下げ、次に購買意欲を上げる」という戦術を最速で実装できるのは、24時間営業と在庫回転を武器とするコンビニである。サービス冷却、暑さ対策ギア、辛味フード、アプリ販促、インバウンド対応――これらが相互に連動する“ハイブリッド冷却戦略”は、灼熱都市を生き抜くリテールの新基準となるだろう。




参考記事一覧(外部リンク・日付順)

  1. 2025-03-10 Advertimes
    窪田正孝や今田美桜ら起用 ― 異常気象で拡大の「男性日傘」市場

  2. 2025-04-29 ローソン公式キャンプブログ
    ローソンでコールマンの傘が買えるって!?

  3. 2025-05-01 Impress Watch(ニュース)
    ローソン、コールマンコラボの晴雨兼用折りたたみ傘

  4. 2025-06-28 Impress Watch(ミニレビュー)
    コールマン×ローソン日傘が涼しい! 日傘はじめました

  5. 2025-07-01 PR TIMES
    「ファミチキ レッド」発売1週間で300万食を突破

  6. 2025-07-09 デイリー新潮
    暑すぎて来ない客をどう呼ぶか ― 300万個ヒットも出た「酷暑」のコンビニが売るもの

  7. (参照データ)気象庁「過去の気象データ検索」
    東京 2025年6月 日ごとの値

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