科学の記事一覧

158件の記事があります

英ケンブリッジ大学とスピンアウト企業DIOSynVaxは、AIで設計した「スーパー抗原」を使う汎サルベコウイルス・ワクチン候補を人で初めて試験した。39人を対象とした第1相試験では重大な安全性懸念は確認されず、SARS-CoV-2やSARS、関連するコウモリ由来ウイルスへの免疫反応も示された。...

老化や慢性炎症の原因として知られてきた「ゾンビ細胞」こと老化細胞について、最新レビューは「すべてが有害ではない」と指摘する。老化細胞の一部は炎症や臓器機能低下を促す一方、創傷治癒、組織修復、恒常性維持にも関わる可能性がある。今後のアンチエイジング医療では、老化細胞を一律に除去するのではなく、有...

低糖質ダイエットと低脂質ダイエットは、どちらが心臓に良いのか。約20万人を30年前後追跡した大規模研究は、この二択そのものが本質ではないことを示した。重要なのは糖質や脂質をどれだけ減らすかではなく、全粒穀物、野菜、果物、豆類、ナッツ、オリーブオイルなど質の高い食品を中心にしているかどうか。不健...

テキサスA&M大学の研究チームは、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞から得た細胞外小胞を鼻から投与することで、高齢マウスの脳内炎症を抑え、記憶や認知機能を改善したと報告した。治療は2回の投与で、海馬の炎症経路や酸化ストレス、ミトコンドリア機能に変化が見られたという。SNSでは「認知症治療へ...

人間の脳は体重の約2%にすぎないにもかかわらず、体全体の約20%ものエネルギーを消費する。しかも、難しい問題を解いている時と、ぼんやりしている時の消費量の差は意外なほど小さい。近年の脳代謝研究では、努力して考えることによる上乗せ分は休息時に比べて数%程度とされ、エネルギーの大半は神経活動の維持...

過密状態は、単なる心理的ストレスや資源不足だけでなく、生殖細胞そのものに影響を与える可能性がある。コロラド大学ボルダー校などの研究は、線虫が高密度環境でCPR-4というタンパク質を分泌し、卵や胚、DNA損傷、突然変異の増加、子孫の発生異常につながることを示した。マウスでも類似の現象が確認され、...

人類の約9割が右利きである理由について、オックスフォード大学などの研究チームは、二足歩行と脳の拡大が重要だった可能性を示した。41種・2,025個体の霊長類データを分析した結果、人間の極端な右手優位は、直立歩行で手が移動から解放され、さらに脳が発達したことで強まったと考えられる。SNSでは「文...

ドイツのゲーテ大学フランクフルトなどの研究チームは、前臨床研究で使われる動物数を減らす可能性のある生成AI「genESOM」を開発した。既存のマウス実験データの構造を学習し、実験で得られたかのような追加データを生成することで、少ない動物数でも統計的な有効性を保つことを目指す。研究では、動物数を...

観葉植物には、密閉された実験室内で一部の揮発性有機化合物を取り除く能力が確認されてきた。しかし、実際の住まいでは換気や空気の入れ替わりが大きく働くため、数鉢の植物だけで空気清浄機のような効果を期待するのは難しい。SNSでも「癒やしにはなるが空気浄化は誇張では」という反応が目立つ。植物は健康対策...

物理学者たちが、光の粒である光子がルビジウム原子の雲を通過する際、原子内で過ごした時間が「負の値」になるように見える現象を測定した。これはタイムトラベルの発見ではなく、量子測定や群遅延、弱測定に関わる特殊な結果だ。SNSでは「時間旅行か」と驚く声が広がる一方、物理に詳しいユーザーからは「因果律...

カニの象徴ともいえる「横歩き」は、約2億年前の共通祖先に由来する可能性が高いことが、長崎大学などの研究で示された。研究チームは50種の真のカニの動きを比較し、既存の系統樹と照合。その結果、横歩きは何度も別々に生まれたのではなく、前向きに歩く祖先から一度だけ進化し、その後多くの系統に受け継がれた...

米ペンシルベニア州立大などの研究チームは、出生前にオピオイドへ曝露され新生児離脱症候群(NAS)の既往を持つ子どもでも、社会経済要因や教育環境を考慮すると、学齢期の教室成績は大きくは変わらないと報告した。英語では差がほぼ見られず、数学では小さな差が残った一方、学校の質、母親の学歴、家計状況など...

サンショウウオやゼブラフィッシュ、マウスを比較した研究から、四肢や指先の再生に関わる共通遺伝子「SP6」「SP8」が重要な役割を果たすことが明らかになった。研究チームは、これらの遺伝子が働かないマウスに対し、下流で作用する「FGF8」を遺伝子治療で届けることで、指先の骨再生を一部回復させること...

MITの研究チームは、発がん性が疑われる化学物質「NDMA」に若い時期にさらされると、大人よりもDNA損傷やがんの発生が起きやすくなる可能性があると報告した。マウス実験では、幼若期にNDMAを含む水を飲んだ個体で、DNAの二本鎖切断や突然変異、肝がんの発生が増えたという。NDMAは工場由来の水...

胃がんの主要な危険因子として知られるヘリコバクター・ピロリ菌に対し、ドイツ・ミュンヘン工科大学の研究チームが、既存薬メトロニダゾールを化学修飾した新候補薬を開発した。論文では、通常株だけでなく耐性株にも強い活性を示し、マウスでは低用量で感染を完全除去。しかも腸内細菌叢への影響が比較的小さい可能...

ブラジルの研究チームとバイオテック企業が開発した乳がん向け血液検査「RosalindTest」は、初期研究で約95%の精度を示し、採血だけで早期の異変を捉える可能性があるとして注目を集めている。HIF-1αやGLUT1といった腫瘍関連の分子変化を血液中から読み取る仕組みで、マンモグラフィの代替...

細胞は、自分が直接触れている足場だけを感じて動いている――そんな従来像を揺るがす研究が報告された。単独の異常細胞は約10マイクロメートル先、上皮細胞の集団は協調して最大100マイクロメートル先の硬さまで読み取り、進む方向や散らばり方を変えるという。鍵は、周囲のコラーゲンを集団で変形させる力だ。...

菌類が、水を比較的高い氷点下で凍らせる「氷核化タンパク質」を持つことを、国際研究チームが詳しく突き止めた。対象はモルティエレラ科の菌類で、細菌由来とみられる遺伝子を進化の過程で取り込み、水に溶けやすく安定した形へと作り替えていたという。これにより、雲の氷形成や降水、気候モデルへの理解が進むだけ...

ヨーロッパハリネズミが人間には聞こえない超音波を少なくとも85kHzまで聞き取れる可能性がある――そんな新発見が注目を集めている。英オックスフォード大などの研究チームは、20頭の保護個体の聴性脳幹反応を調べ、4〜85kHzに反応し、40kHz付近で特に感度が高いことを確認した。研究者たちは、こ...

治療が効かなくなった進行前立腺がんに対し、PSMAという目印を頼りに全身のがん細胞へ“狙い撃ち”で放射線(アクチニウム225)を届ける新治療「225Ac-PSMA-Trillium」が第I相試験で注目を集めた。腫瘍が縮小または進行停止が83%に達し、PSAも大きく低下。主な副作用は口の渇きで多...

蝶と蛾(チョウ目)は動物種の約1割を占め、花粉媒介や食物網の要として機能する。しかし最新レビューは、進化関係(特に大多数を占めるグループ内)や分布、保全に必要な基礎情報に大きな空白が残ると指摘。菌や細菌からの水平遺伝子移動が食性転換を助けた可能性、ゲノム計画の進展、そして近年の個体数減少と保全...

米国の大規模研究(ACTIVE)の20年追跡で、65歳以上が5〜6週間の「処理速度(視覚情報を素早く見つける)トレーニング」を受け、さらに1〜3年後に追加訓練(ブースター)を行った群は、認知症診断が対照群より少なく、最大25%低い発症率が示された。記憶術や推論の訓練よりも、課題が個人に合わせて...

韓国KAISTの研究チームが、傷口に吹きかけるだけで出血を約1秒で抑える粉末状止血スプレー(AGCL)を開発した。血中のカルシウムなど陽イオンに反応してゲル化し、傷の形に沿って密着・封止する。天然由来成分(アルギン酸、ジェランガム、キトサン)を組み合わせ、血液吸収性や抗菌性、常温で約2年の保存...