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結婚したら5万ドル?AIマッチング「Keeper」が突きつける“恋愛の値札” - 恋愛は“最適化”できるのか

結婚したら5万ドル?AIマッチング「Keeper」が突きつける“恋愛の値札” - 恋愛は“最適化”できるのか

2026年01月08日 00:06

1. “恋愛の最適化”に本気の人たちが集まる場所

恋愛は偶然と勢いで始まる──そう言い切れた時代は、スワイプと通知の海に沈みつつある。いま増えているのは、「出会い」ではなく「成約(結婚や長期交際)」までを、最短距離で取りにいく発想だ。その空気を象徴するのが、サンフランシスコで2025年11月に行われた「Love Symposium」。テック関係者、アプリ開発者、哲学者までが同じ会場に集まり、恋愛や結婚を“改善可能な課題”として扱う。参加費は約200ドルで、講演・分科会・短時間マッチメイク企画まで用意されていたという。 febspot.com


主催者の一人はサンフランシスコを“thinky town(考えすぎの街)”と表現したとされ、恋愛ですら「設計」と「検証」の対象になる土壌がある。 febspot.com


2. 主役は“成果報酬”型のAIマッチング「Keeper」

イベントでとりわけ注目された存在が、AIと人間の専門家を併用するマッチング企業「Keeper」だ。最大の特徴は、結婚に至った場合に男性側が約5万ドルを支払う「Marriage Bounty(結婚報奨金)」という成果報酬モデルを掲げている点。さらに報道では、男性は紹介されたデート1回ごとに5,000ドルを支払い、その一部が最終的な“バウンティ”に充当される、といった説明も出ている。 Business Insider


そして、ここからが本題だ。Keeperの申込フォームは長く、身長、先祖の背景、SATスコア、政治観、顔のスキャン(顔特徴の評価を通じたIQ推定に触れられている)まで尋ねるという。合わない場合は「建設的フィードバック」を返す、と説明されている。 febspot.com


恋愛市場の“痛点”を突くのは分かる。アプリで延々とやり取りしても会えない、会っても合わない、消耗する。ならば最初からフィルタを強めて、相性が高い相手だけを“少数精鋭”で提示する──それがKeeperの提示する解だ。


ただし、その代償として差し出すのは、かなり濃い個人データだ。


3. 「AIが背中を押す」「アバターが口説く」——提案は想像以上に踏み込む

Love Symposiumで語られたアイデアは、単なる「マッチング精度」だけではない。関係の結果を予測するツール、AIエージェントが現実の接触(声をかける/誘う)を“促す”仕掛け、ユーザーの代わりにアバターが口説く構想、そして相手をデジタルに“老けさせた”将来イメージを見せる発想まで登場したという。 febspot.com


要するに、恋愛の難所を「(1)出会う前」「(2)会うまで」「(3)付き合ってから」「(4)将来設計」に分解し、AIをそれぞれの局面に配置して摩擦を減らす、という設計思想だ。


ここで気づく。恋愛は、相手と向き合う行為であると同時に、自己理解と意思決定の連続でもある。AIが介入すればするほど、「自分で決めた感」をどう守るかが難しくなる。


4. なぜ人は“最適化された恋”に惹かれるのか

この潮流の背景には、少なくとも3つの現実がある。

  • スワイプ疲れ:選択肢が多いほど決められない。

  • 時間の希少性:忙しいほど、遠回りができない。

  • 条件の硬直化:価値観(政治観・宗教・子ども観)など、妥協しにくい条件が増えた。


その結果、「恋は運」という物語より、「恋は設計できる」という物語が刺さる人が増える。しかもそこに“成果報酬”が乗ると、サービス提供側が本気に見える。「結婚できたら払う」は、ユーザーの不信(“結局アプリは続けさせたいだけでは?”)に対する、強い反論になるからだ。 Business Insider


5. SNSの反応:盛り上がりは「期待」より「ざわつき」が勝つ

では世間の受け止めはどうか。この記事周辺で観測できる反応は、だいたい次の3系統に割れる。


A) 「強いディストピア感」「優生学っぽい」——倫理への警戒

Blueskyでは、記事の“空気”を「AIに高濃度の優生学を混ぜたようなもの」と毒のある比喩で評し、読むのに覚悟がいる、といったニュアンスの投稿が拡散している。 Bluesky Social


顔スキャンやIQ推定の話は特に、センシティブな反応を呼びやすい。恋愛の選好が、差別や階級の再生産と近接していることを、皆どこかで知っているからだ。


B) 「そんな無理ゲー条件、むしろAI向き」——“難案件”への納得

別のBluesky投稿では、Keeperが取り組む例として「改宗を望む」「希少な条件一致」「自作政党レベルの政治観一致」など、極端に条件が尖った“難案件”が挙げられている。 Bluesky Social


ここには「普通のマッチングアプリでは扱いきれない需要がある」という納得がある。条件が特殊なほど、探索コストが高くなる。ならば、AIや専門家の介入が合理的に見える。


C) 「高すぎる」「怪しい」「質問が長い」——価格と体験へのツッコミ

Redditでは以前からKeeperの料金体系(5,000ドル/50,000ドル)に驚く声が出ており、「高すぎる」という反応が目立つ。 Reddit


また直近のスレでは、アンケートが延々と続く、使い勝手が悪い、といった不満も見える。 Reddit


一方で、同社の“delusion calculator(理想条件を満たす相手が人口の何%か計算するツール)”を面白がる投稿もあり、「条件を現実に引き戻す遊び」として受け止められている側面もある。 Reddit


6. 本当の論点は「精度」ではなく「何を差し出すか」

AI恋愛の話題は、つい「当たるの?当たらないの?」に寄りがちだ。だが本質は別にある。

  • プライバシー:恋愛のために提出したデータは、人生の横断面になりうる。

  • 偏り:好みの集計は、社会の偏見を“仕様”として固定しやすい。

  • 責任:AIや仲介者に委ねた決定が破綻した時、説明と納得の着地点はどこか。


そして、成果報酬モデルは強力だが、「結婚」というゴールを過度に単純化する危険もある。結婚できても幸せとは限らないし、幸せでも結婚しない選択はある。恋愛は本来、多様な結末を許すはずなのに、指標化すると途端に狭くなる。


7. “恋愛の最適化”とどう付き合うか

Love Symposiumが示したのは、恋愛がAIに「置き換わる」未来というより、恋愛がAIに「介入される」現在進行形の現実だ。 febspot.com


私たちが考えるべきは、AIを使うか否かではなく、

  • どのデータは渡さないか

  • 何を“評価軸”にしないか

  • 人間側の意思決定をどこで守るか

この3点だろう。


恋愛は、効率化したくなるほど不確実で、痛みがある。だからこそAIの“確からしさ”は魅力的に見える。けれど、最適化の名の下に、私たちが手放してしまうもの(偶然・遠回り・学び・尊厳)もまた、恋愛の一部なのだ。



参考記事

愛を最適化することは可能ですか?
出典: https://www.nytimes.com/2026/01/06/style/love-symposium-artificial-intelligence-keeper.html

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