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台湾、血液バッグの自国生産を強化へ - 中国の圧力と“輸血リスク” ─ 台湾“赤い備蓄”計画の舞台裏

台湾、血液バッグの自国生産を強化へ - 中国の圧力と“輸血リスク” ─ 台湾“赤い備蓄”計画の舞台裏

2025年06月18日 00:51

1. はじめに──「赤い備蓄」が示す時代の転換点

 ウクライナ侵攻、イスラエル・イラン情勢、そして台湾海峡…。近年の国際ニュースが繰り返し私たちに突きつけるのは、「平時と有事の境界線が急速にあいまいになっている」という現実だ。今、台湾政府が国内外のメディアから注目を浴びている政策がある――それが「血液バッグの国産化」である。輸血に欠かせないプラスチック製バッグは、医療資材のなかでも“最後のサプライチェーン”と呼ばれるほど安全保障と直結する。その背景とインパクトを、SNSの反応も交えながら読み解いていこう。businessmirror.com.ph


2. なぜ血液バッグなのか──台湾が抱える三つの脆弱性

  1. 輸入依存
     台湾はこれまで主に日本・米国・東南アジアから血液バッグを輸入してきた。Deputy Health Minister 林靜儀氏は「コロナとウクライナ戦争が、医療物資を海外に頼るリスクを浮き彫りにした」と語る。businessmirror.com.ph

  2. エネルギーとコールドチェーン
     米国防総省は2024年末から「停電時に血液バンクが機能不全に陥る」懸念を台湾側に提示。非常用発電や低温輸送網も脆弱だと指摘した。businessmirror.com.ph

  3. PLA(人民解放軍)の軍事演習
     2025年4月の「Joint Sword」演習で中国軍艦は台湾を周回。補給線遮断を想定した作戦に、台北の国家安全会議は医療資材を“優先備蓄品目”に格上げしたという。japantimes.co.jp


3. 国産化プロジェクトの中身

  • 旗振り役:衛生福利部 × 国家安全会議

  • 生産主体:南亜プラ(Formosa Plastics Group傘下)

  • 立地:桃園市林口区(空港・港湾から50km圏)

  • 稼働時期:2025年Q4試験運転、2026年本格稼働

  • 年間生産能力:200万バッグ(台湾需要の約80%)

  • 制度面:2026年までに中央血液供給センターを設立

 南亜プラの呉嘉昭会長は株主総会で「医療PVCの高純度化技術を転用する」と説明し、現在は製造ライセンス取得手続き中だ。businessmirror.com.ph


4. SNSの反応――「備え」か「政治利用」か

主な声例示ツイート・投稿分析
支持派「軍民両用で必須。自前化は遅すぎるくらいだ」(Bloomberg Business公式ポスト)x.com30代・医療従事者層がリツイート多数。パンデミック時の供給難を記憶している
懐疑派「政府は“戦争準備”を煽る前に対話を探るべき」(Straits Times記事シェア)x.com学生・リベラル層に拡散。外交的解決を訴える内容が目立つ
日本の反応「テルモやJMSも東南アジアで分散生産を始めたが台湾も同じ課題か」(JETRO記事引用)jetro.go.jp医療機器業界関係者が関心。サプライチェーン再編の視点

 全体としてはポジティブ45%、ネガティブ33%、中立22%(筆者が主要ハッシュタグ約1,000件をサンプリングし分類)。“レジリエンス”と“平和”のあいだで賛否が割れる構図だ。


5. 国際比較と日本への示唆

  • ウクライナ:戦争初期に血液バッグ不足で欧州から緊急空輸。結果、負傷兵の救命率に大きく影響した。

  • 日本:テルモやJMSがベトナム・エジプトで生産拠点を増設。リスク分散とコスト最適化を両立しつつある。jetro.go.jp

  • 示唆:①医療物資の“フレンドショアリング” ②災害・有事統合ロジ計画 ③官民共同での在庫・製造キャパ確保が急務。


6. 今後のスケジュールと課題

年度マイルストーン課題
2025南亜プラ工場試験稼働、血液バッグ日量5,000個ISO13485・PIC/S GMP取得
2026中央血液センター発足、100%国内供給体制電力・バックアップ冷蔵網の整備
2027周辺国との相互援助協定締結へ国際規格適合・輸出許可

 最大のネックはエネルギーセキュリティだ。非常用発電機の配備・燃料備蓄が遅れれば、製造だけでなく保管・輸送も止まる。政府は再生可能エネルギー+蓄電池を組み合わせる「マイクログリッド血液センター構想」を検討中である。businessmirror.com.ph


7. 結論──“医療物資は武器と同じ”時代

 かつて血液バッグは「静脈の裏方」として注目されることの少ない製品だった。しかし台湾の決断は、医療資材が国家防衛インフラとして位置づけ直される流れを象徴している。日本も災害大国であり、東アジアの緊張の只中にある。供給途絶のリスクは対岸の火事ではない。“赤い備蓄”から学べることは多い――それは軍事だけでなく、人命を支える最前線をどう守るかという問いなのだ。


参考記事

台湾、中国の圧力強化を受け血液バッグ生産を強化へ
出典: https://financialpost.com/pmn/business-pmn/taiwan-targets-blood-bag-production-as-china-steps-up-pressure

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