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2時間座りっぱなしでも守れる? ─ 「ココアのフラバノール」が血管機能低下を食い止めた

2時間座りっぱなしでも守れる? ─ 「ココアのフラバノール」が血管機能低下を食い止めた

2025年11月03日 00:05

「座り過ぎ」とココア、奇妙な取り合わせの理由

長時間の座位は、血流低下や血管の伸び縮み能力(血管内皮機能)の一過性低下を招き、心血管リスクを押し上げるとされる。そこで英・バーミンガム大学の研究チームは、「フラバノール」と呼ばれるポリフェノールが、この“座りによる血管ストレス”を和らげられるかを検証した。結果はThe Journal of Physiologyに掲載。大学の公式リリースも同日に公表され、「若く健康な男性で、座位による血管機能低下を初めて食い止めた証拠」として報告された。physoc.onlinelibrary.wiley.com


試験デザインの要点

  • 被験者:18–45歳の健康な男性40名(体力レベルが高い群と低い群に層別化)

  • 介入:座位2時間の直前に**高フラバノール・ココア(約695mg)または低フラバノール・ココア(約5.6mg)**を摂取

  • 主要評価:上腕・下肢のフロー媒介拡張(FMD)、血圧、筋酸素化など

  • 結果の概略:高フラバノール群では、2時間の連続座位後もFMDの低下が見られず、対照群ではFMD低下、拡張期血圧の上昇、血流・せん断応力の低下などが観察された。体力が高い人でも座位の悪影響を完全には相殺できず、フラバノールの“上書き効果”が示された。ザ・タイムズ


これまでの知見と整合するか

フラバノールは、一酸化窒素(NO)経路の活性化や抗酸化作用を通じ、内皮応答性を高めると考えられている。別研究では、ストレス誘発性のFMD低下を高フラバノール・ココアが緩和する報告もある。今回の「座り負荷」モデルでの結果は、フラバノールによる短時間の血管保護という文脈に合致している。BIOENGINEER.ORG


“チョコを食べればOK?”に先回りで答える

まず強調したいのは、チョコレート=高フラバノールではないこと。カカオのアルカリ処理(ダッチプロセス)はフラバノールを大幅に減らし、砂糖・脂質も多い製品が一般的だ。研究が使ったのは規格化された高フラバノール飲料であり、市販チョコの摂取と同一視できない。pubs.acs.org


また、今回の試験は**若年男性/2時間の座位/代理指標(FMD)**という限定条件。女性や高齢者、持病のある人、より長時間の座位で同様の効果が続くかは未検証だ。長期アウトカム(心筋梗塞や脳卒中が減るか)も現時点では言えない。birmingham.ac.uk


SNSの反応をざっくり可視化

 


今回の話題は各国メディアのSNS投稿で拡散。反応は大きく三タイプに分かれた。

  1. 期待派:「会議前のホットココアが正当化された!」と歓迎ムード(ニュースサイトや大学発の投稿がX/Facebookで多数シェア)。X (formerly Twitter)

  2. 懐疑派:「被験者が男性だけ」「2時間だけでは現実的でない」「チョコ推し見出しは誤解を招く」と冷静な指摘。海外メディアも**“チョコではなくフラバノール”**と注意喚起している。ニュースウィーク

  3. 実務派:「動けない時の次善策としてアリ。けれど立つ・歩くが第一」との現実解(健康系メディアのFacebook投稿などでコメントが並ぶ)。facebook.com

※Redditの科学板でも話題化し、実験設定や一般化可能性をめぐる議論が目立った(同板は長文議論が多い)。Reddit


実装ガイド:明日からできる“座り × フラバノール”の付き合い方

  • まずは行動介入が最優先:30–60分ごとに立ち上がり、ふくらはぎポンプを動かす(カーフレイズ、数分歩くなど)。長時間座位そのもののリスクは、別の大規模研究でも強調されている。EatingWell

  • 飲むなら“高フラバノール規格”を意識:原材料表示で「高フラバノール」「非アルカリ処理(natural cocoa)」などの記載を確認。サプリや規格品の長期安全性は概ね良好だが、摂り過ぎに意味はない。sciencedirect.com

  • 甘味は控えめに:糖・脂の過剰は本末転倒。無糖ココア+ミルク(または植物乳)やお茶・ベリー・りんご等、他のフラバノール源もローテーションで。birmingham.ac.uk

  • 期待値の設定:本研究は急性効果の検証。長期の病気予防は別枠のエビデンスが必要。並行して睡眠・食事・運動を整えるのが王道だ。(関連する長期介入の示唆も出つつあるが、確定ではない)Verywell Health


研究が残した宿題

  • 対象拡張:女性・高齢者・既往症のある人への外挿

  • 時間軸:2時間→4〜8時間、反復座位、在宅勤務の実地条件

  • 用量・タイミング:何mgをいつ飲むのがベストか、食事との相互作用

  • リアルワールド製品:市販カカオ製品のフラバノール実測と効果の相関


結論

「座り続けると血管は鈍る」──これは動かし難い現実だ。だが、高フラバノールという栄養学的カードは、少なくとも短時間の座位ストレスに対して血管機能を守る“防波堤”になり得る。誤解なき実装としては、(1)まず動く、(2)動けないならフラバノールを賢く使う。見出しのインパクトに振り回されず、科学の射程を正しく見極めたい。birmingham.ac.uk



参考(主要ソース)

  • バーミンガム大学プレスリリース(2025/10/29)/The Journal of Physiology掲載告知。birmingham.ac.uk

  • 査読論文:The Journal of Physiology(DOI:10.1113/JP289038)。physoc.onlinelibrary.wiley.com

  • 二次報道:New Atlas、Newsweek、The Times(要約)。New Atlas

  • 関連研究(ストレス下のFMDに対するココア):Food & Function(2024)。RSC出版

  • 長時間座位と心血管リスクの大規模データ:JACC系の要約記事。EatingWell

  • フラバノール安全性レビュー、加工での減少。sciencedirect.com


参考記事

「安価な飲み物が、座りっぱなしの危険を運動よりも効果的に防ぐ」
出典: https://www.dailymail.co.uk/health/article-15247141/sitting-heart-stress-cocoa-flavanol.html?ns_mchannel=rss&ito=1490&ns_campaign=1490

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