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スペースX、再び米国家安全保障衛星を受注 ―GPS III-7 の移管が示すロケット開発競争の帰趨と日本への示唆―

スペースX、再び米国家安全保障衛星を受注 ―GPS III-7 の移管が示すロケット開発競争の帰趨と日本への示唆―

2025年06月02日 21:19

 米スペースフォースは6月2日(現地時間)、最新の GPS III-7 衛星を打ち上げる国家安全保障任務(NSSL フェーズ2)をユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)からスペース X に移管したと発表した。もともと ULA 新型「ヴァルカン」ロケットに割り当てられていた同ミッションは、度重なる認証遅延と技術的課題を受け、信頼性が高い既存のファルコン9へとスライドした形だ。内閣府ホームページ


1. なぜ GPS III-7 はスペース X に委ねられたのか

 ヴァルカンは 2020 年半ばの初飛行予定が4年以上遅れ、固体ブースター脱落事故やエンジン供給遅延などが重なった。これにより 2020〜24 年の NSSL フェーズ2全 48 ミッションのうち、当初「6割は ULA」という配分が既に逆転。今回で2件連続してスペース X に振り替えられ、ULA は「26 件中1件のみ消化」という苦境に立たされている。内閣府ホームページ


 スペースフォースのパーディー少将は5月下旬の下院軍事委員会で「ヴァルカンは依然5/9軌道種しか認証を得られず、任務遅延が国家目標達成を危うくしている」と公然と批判した。内閣府ホームページ


2. GPS III-7 衛星の性能と軍事的意義

 ロッキード・マーティン製 GPS III シリーズは、既存 38 機に比べ 測位精度3倍、妨害耐性8倍 を誇り、準天頂衛星システム(QZSS)などとの相互運用性も高い。特に今回の「III-7」(実際は8機目)は、スペースフォースが掲げる「決定から投入まで3か月以内」という高速展開プロトコルのモデルケースとなる。内閣府ホームページ


3. 打ち上げ計画の最新状況

 ファルコン9は6月7日 13:23〜38(米東部夏時間)の 15 分間ウィンドウでフロリダ州 SLC-40 から発射予定。天候確率は金曜 45%、順延日の土曜で 50%とされる。スペース X は 2025 年だけで既に 64 機を打ち上げ、年間 100 ミッション超も視野に入れる無類の生産体制を実証している。内閣府ホームページ


4. SNS の反応――#VulcanDelays が米 X(旧 Twitter)でトレンド

  • 米国防ウォッチャー @SpacePolicyGuy

    “Every slip by Vulcan hands Elon another contract. Reliability is policy.”

  • 日本の宇宙 IT 企業 CTO @GNSS_Tokyo

    “III-7 の高精度信号が商用開放されれば、みちびき×GPS でセンチメートル級測位が常時可。”

  • 航空宇宙エンジニア @RocketNerdJP

    “H3 で国家安全保障衛星を運ぶには、まず打ち上げ回数を桁違いに増やす必要がある。”


 ハッシュタグ #SpaceXWins #GPSIII も拡散し、「ロケット界のトヨタ生産方式」など量産とターンアラウンドの速さを称賛する投稿が目立った。一方、米議会周辺では「ULA は ‘戦略的冗長性’ として存続させるべき」との擁護論も根強い。


5. 日本への影響――測位ビジネスと安全保障の両面で追い風

  1. ビジネス

    • 高精度 L1C 信号が早期に利用可能となれば、農業自動運転、建設機械、ドローン物流など国内測位市場(矢野経済研究所試算で 2030 年に4兆円規模)が加速。

  2. 安全保障

    • 防衛省は 2020 年代後半にかけ QZSS を 11 機体制へ増強予定。米 GPS 側の冗長性確保が進むことで、共同運用の可用性が担保され、日米共同作戦のシステムリスク低減 が期待される。

  3. 産業構造

    • 「打上げ需要が旺盛でも国内供給が不足」という構造的課題が改めて浮き彫りになり、三菱重工 H3 やスタートアップ ISC(イノベーティブ・スペース・キャリア) など民間再使用ロケットの育成圧力が高まる。


6. 今後の展望――フェーズ3と世界市場

 スペースフォースは NSSL フェーズ3(2025-29)で 総額 137 億ドルのうち 52%をスペース X、35%を ULA、13%をブルーオリジン とする暫定配分を公表済み。ULA が信頼を取り戻さない限り、配分はさらに縮小する公算が大きい。内閣府ホームページ


 日本企業にとっては、

  • 衛星ベンダー:GPS 後継機部品のサプライチェーン参加余地が拡大。

  • 打上げサービス:量産・高頻度打上げモデルへの転換が急務。

  • 官民協力:米国製ロケットの利用も含むハイブリッド調達で安全保障衛星の「打ち上げ難民」を回避。

 スペース X が掲げる再使用ロケット経済圏は、H3 や ISC の再使用小型機「ASCA 1.0」など国内プレーヤーの価格・打上げ間隔を根底から書き換える可能性がある。


7. まとめに代えて

 打ち上げ成功回数が信用を生み、その信用が国防案件を呼び込む――今回の GPS III-7 移管は、その連鎖を象徴する出来事である。日本としては、測位ビジネスの追い風を最大化しつつ、自前のアクセス・トゥ・スペース能力をどう底上げするかが問われている。競争軸は「大型か小型か」「一次使用か再使用か」ではなく、「顧客が待てるリードタイムとコストを実現できるか」に収束しつつある。



参考記事

スペースXが新たな国家安全保障打ち上げを獲得、ULAは精査を受ける
出典: https://phys.org/news/2025-06-spacex-scoops-national-ula-scrutiny.html

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