二日酔いを科学で解体:“迎え酒はNG”、肝臓が休む朝のリセット術

二日酔いを科学で解体:“迎え酒はNG”、肝臓が休む朝のリセット術

1. 二日酔いは「からだの多重赤字」

飲み会の翌朝を襲う頭痛・だるさ・口の渇き。その実体は、アルコールによる“多重赤字”だ。まず利尿作用で水分とナトリウム等の電解質が失われ、頭痛やふらつきの地ならしが起こる。さらに代謝過程で生じるアセトアルデヒドが気分不調・頭痛を増幅。睡眠は浅く短くなり、肝臓が解毒に張り付くせいで血糖供給も落ちる——こうして翌朝の“エネルギー赤字”が完成する。暗色の酒(赤ワイン、ウイスキー、ダークラムなど)は副成分(コンジナー/タンニン)が多く、症状を重くしやすいという知見もある。 tz.de


2. 予防の「リアル」:ゼロリスクは“飲まない”こと

最強の予防策は飲まないこと——これは身も蓋もないが真実だ。とはいえ現実には飲む。そこで効くのが「合間の水(Zwischenwasser)」と“事前のしっかりした食事(タンパク+適度な脂質)”。空腹での飲酒は吸収が速く危険。就寝前のコップ1〜2杯の水も、翌朝のダメージを底上げしない小技だ。一方、飲む前の電解質ドリンク常用で無敵——とまではいかない。余剰の電解質は尿に流れがちで、基本は「飲み過ぎない」が大原則である。 tz.de


3. 翌朝に“近道”はない:加速は不可、整えるしかない

残念ながらアルコールの分解は速くならない。冷水シャワーも濃いコーヒーも“ショートカット”にはならない。体内の処理能力は概ね時速0.1〜0.2‰で一定だ。では何をする?ポイントは「失ったものを返す」こと。

  • 水分と電解質:ミネラルウォーター、野菜ジュース、野菜ブロス(スープ)など。

  • 炭水化物:血糖の底上げにオートミール+ヨーグルト+バナナ+蜂蜜などが好相性。

  • 刺激の強い飲み物は避ける:強い酸や炭酸は胃を刺激しやすい。

  • 運動は控えめ:激しい運動より“ゆっくり散歩”。

  • 鎮痛薬の選び方:肝臓の負担を考え、パラセタモール(アセトアミノフェン)は避けるのが無難。

  • 迎え酒(hair of the dog)は厳禁:一時的に楽でも負担を上塗りするだけ。

  • ノンアルビールは可:アイソトニックで電解質補給に寄与。
    これらは、医師・公的機関のコメントをまとめた最新の実務的ガイドラインと言ってよい。 tz.de


4. SNSの“民間知”を検証する

二日酔いは「生活知」が渦巻くテーマだ。2025年秋のSNSでは次のような潮流が読める。

 


  • 経口補水(OS-1等)推し
    「水より経口補水液が良い」「ゼリータイプが効いた」といった実感ベースの投稿が多い。科学的にも“水+電解質”は理にかなうが、万能ではない。飲みすぎの帳尻合わせにはならない。 X (formerly Twitter)

  • 味噌汁・だし文化
    「塩分+温かい水分」で胃腸に優しく、食塩・カリウム補給の観点でも妥当。しじみ汁などの民間療法も語られるが、過度な“肝臓に効く”幻想は禁物X (formerly Twitter)

  • 漢方(五苓散など)
    むくみ・吐き気の改善経験が共有される一方、体質差が大きい。医薬品である以上、自己判断の常用や飲酒と併用の“免罪符”化は避けたい。 X (formerly Twitter)

  • “迎え酒”ミームの拡散と批判
    ネタとしては根強いが、医療的には明確に推奨外。ドイツ記事でも「絶対NG」と明記されている。 X (formerly Twitter)

  • 鎮痛薬の誤用への注意喚起
    アセトアミノフェン(パラセタモール)と飲酒の組み合わせに注意を促すポストが散見。記事でも“避ける”が示されており整合的だ。 X (formerly Twitter)

要するに、SNSの多数派意見は「電解質+塩分+やさしい炭水化物」という医学的セオリーと大きく矛盾しない。ただし、“飲む前に◯◯さえ飲めばOK”式の魔法は存在しない——ここがプロの見解との決定的な差だ。 tz.de


5. 48時間で元どおり?——復旧タイムラインの目安

  • 0〜6時間:頭痛・吐き気・口渇。冷水やカフェインで“シャキッと”しようとしない。水+電解質、ぬるめのスープ、消化にやさしい炭水化物。 tz.de

  • 6〜24時間:軽い散歩で循環を促しつつ、こまめな補給。アルコールはゼロ。 tz.de

  • 24〜48時間:睡眠負債が解消し、ほぼ平常へ。ここまでで戻らない/悪化する場合は無理をせず相談を。 (上記は記事と医師コメントの知見の一般化) tz.de


6. 実践テンプレ(保存版)

  • 飲む前:タンパク質+適度な脂質の食事。飲む量の上限を“事前に”決める。合間の水をメニューに組み込む。 tz.de

  • 帰宅直前:ミネラルウォーター(または電解質飲料)1〜2杯。睡眠導入の妨げになる強い酸・炭酸は避ける。 tz.de

  • 翌朝

    • 水・野菜ブロス・野菜ジュース(冷たすぎない)

    • オートミール+ヨーグルト+バナナ+蜂蜜、または卵+アボカド+塩

    • カフェインは控えめ、無理な運動はしない

    • アセトアミノフェン回避、迎え酒はしない

    • ノンアルビールで“電解質”を足すのは可(過信しない) tz.de


7. まとめ:翌朝は「取り戻す」「待つ」「上書きしない」

二日酔いの本質は、体内の水・塩・糖・睡眠の赤字。翌朝にやるべきは取り戻す(補給)、そして待つ(肝臓の速度に合わせる)。一時しのぎに見える“迎え酒”や安易な鎮痛薬の選択は、結局は**上書き(追加負担)**になってツケを膨らませる。SNSの知恵も、医学的な土台に重ねてこそ光る。 tz.de



参考にした主な情報源

  • ドイツ・tz(2025年11月7日公開):二日酔いの生理と対処法、迎え酒NG、パラセタモール回避、ノンアルの位置づけ、食事例など。 tz.de