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「ロシアの“次の標的”はNATO?」ルッテ事務総長の警告が突きつけた欧州の現実

「ロシアの“次の標的”はNATO?」ルッテ事務総長の警告が突きつけた欧州の現実

2025年12月13日 00:07

1) 「次は我々だ」— ルッテ発言の重さ

2025年12月11日、ベルリン。NATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長は、ミュンヘン安全保障会議(MSC)関連イベントでの基調講演で、踏み込んだ言葉を選んだ。


「我々はロシアの次の標的であり、すでに危険圏にいる」──。さらに「行動の時はいまだ」と、加盟国の“静かな油断”を強く戒めた。 NATO


この言い回しが、ただの危機喚起にとどまらないのは、背景に「戦争が“例外”ではなく“常態”になりつつある」という認識があるからだ。ルッテ氏は、ロシアの戦争経済化と欧州社会への“影の攻勢”が同時進行しているとし、NATOが備えるべき戦争の規模を「祖父母や曽祖父母が耐えた時代」と重ねた。 NATO


2) ルッテが示した「5年」というタイムライン

注目を集めたのは、「ロシアが5年以内にNATOへ武力を行使できる状態になり得る」という見立てだ。 NATO


これは「侵攻が確定した」という断定ではない。むしろ、抑止が効かない/備えが遅れる/同盟が分断される、こうした“条件”が揃ったときに、リスクが現実味を帯びる、という警告に近い。


ルッテ氏は講演で、ロシアがウクライナに対して大量のドローン・ミサイル攻撃を続け、生産能力も高水準にあると述べた。攻撃数「4万6000超」、月産「攻撃ドローン2900機規模」など、具体的な数字を並べている。 NATO


数字の真偽や定義(“デコイ”の扱い等)を精査する余地はあるが、少なくともNATOトップが「工業力=軍事力」の話に舵を切っている点は見逃せない。


3) 「防衛費」だけではない:軍需生産と社会の“準備”

ルッテ氏が求めたのは、単なる予算の上積みではない。演説では、抑止と防衛を支える“供給側”──すなわち弾薬・装備・補給の増産を急げ、と繰り返す。欧州の155mm砲弾生産が2年前比で大幅に増えているとも言及し、ドイツの工場計画(年間35万発規模)を例に挙げた。 NATO


さらに象徴的なのが、NATO首脳会議(ハーグ)で合意したとされる「2035年までにGDP比5%を防衛に投資」という言及だ。もし各国がこの方向に本気で舵を切るなら、社会保障や教育、インフラ投資といった他の政策領域との“痛みを伴うトレードオフ”は避けられない。ルッテ氏自身、それを「緊急予算」「公的支出の削減」「経済の混乱」とまで踏み込んで説明している。 NATO


4) 「ウクライナの安全保障は、欧州の安全保障」

ルッテ氏の論理は明快だ。仮にロシアが望む形でウクライナが“占領下”に置かれれば、NATOとロシアの接線が伸び、武力衝突の確率が上がる。そうなれば、NATOは東側の常駐戦力も、必要な防衛費も、いま想定している水準では済まなくなる──。 NATO


この延長線上で、ウクライナ支援の継続を強く求めた。「我々の軍は守るために必要なものを得なければならない。ウクライナも、いま必要なものを得なければならない」と。 news.ORF.at


支援は“善意”ではなく、抑止の前提条件だという言い方である。


5) 米欧関係の不安定化が、危機感を増幅させる

今回の警告が刺さるのは、ロシアの脅威だけが理由ではない。欧州側の危機感を増幅させているのが、米国の対欧コミットメントが将来も同じ形で続くのか、という疑念だ。


ORFは、米国(トランプ政権)の新たな国家安全保障戦略をめぐる“欧州側の不安”にも触れ、同時期に「米国がドイツへ長距離兵器(トマホーク等)を2026年から配備する計画」への言及など、抑止と政治の綱引きを描いた。 news.ORF.at


ルッテ氏自身も、質疑応答で米国のNATO関与を「中核としてコミットしている」と評価しつつ、欧州側が負担増を迫られてきた現実にも触れている。 NATO


要するに、「ロシアが怖い」だけでなく、「米欧が割れることが一番怖い」。その恐れが、今回の“強い言葉”を後押ししている。


6) SNSの反応:賛同、反発、そして“米国不信”

では、SNSはこのメッセージをどう受け止めたのか。代表例として、Redditの大規模掲示板 r/worldnews では、Reuters報道を引用した投稿が立ち、コメント欄がいくつかの論点に分岐した。 Reddit


(1) 「遅すぎる警告」派

「暗殺や干渉を見てこなかったのか」「やっと本気になったのか」と、欧州の危機認識の遅れを皮肉る声がある。コメントの一部は、過去の事件や政治の空気を引き合いに出し、「今さら“当然のこと”を言っている」と受け取っていた。 Reddit


(2) 「ロシアはNATOと全面戦争できない」派

一方で、「ウクライナでの消耗を見る限り、ロシアが欧州全体を相手に多正面戦を継続するのは非現実的」といった見方も目立つ。ここでは、ルッテ発言を“侵攻予告”ではなく、“備えを促す政治メッセージ”として解釈する傾向が強い。 Reddit


(3) 「最大の不確実性は米国」派

最も熱量が高かったのが、米国の関与をめぐる不安だ。スレッドには「米国がNATOを相対的に軽視するかもしれない」「欧州は対米依存を減らすべきだ」といった議論が連なった。中には、金融・通商・テック規制など、軍事以外のカードに話を広げるコメントもあり、“安全保障=社会全体の設計”へと論点が拡散していく様子が見える。 Reddit


(4) 反発・嘲笑もある:「煽り」「戦争屋」批判

ドイツ語圏の別コミュニティでは、警告そのものを「誇張」「煽動」と切り捨てる反発も確認できる。言葉遣いは過激でも、背景にあるのは「軍拡が社会を壊すのでは」という恐れや、「外交的出口を閉ざすのでは」という警戒感だろう。 Reddit


もちろん、SNSは世論の縮図ではない。強い言葉ほど拡散し、極端な立場ほど目立つ。それでも、今回の反応から浮かぶのは、「ロシアの脅威」と同じくらい、「欧州の結束」「米欧関係」「国内の負担受容」の3点が争点化しているという事実だ。


7) 結局、私たちは何を見誤りやすいのか

ルッテ氏の演説は、恐怖を煽るためというより、“コストの見える化”に近い。
戦争が起きれば高くつく。だが、抑止のための準備もまた高くつく。しかもそれは、税と予算、産業政策、教育・研究、移民や労働力、情報空間の防衛まで巻き込む。


重要なのは、「5年」や「次の標的」という言葉を、未来予言として消費しないことだ。むしろ、今の欧州が抱える脆弱性(生産力・政治の分断・対米依存・偽情報耐性)を点検するための“期限付きの宿題”として読むべきだろう。 NATO


そして、その宿題の中心に置かれたのがウクライナである。「ウクライナの安全保障は我々の安全保障」という言葉が示す通り、戦線の外にいる国々にとっても、戦争は“外部の出来事”ではなくなっている。



参考記事

防衛:「我々はロシアの次の標的だ」:NATO事務総長が世界大戦の危機を警告
出典: https://www.handelsblatt.com/politik/deutschland/nato-chef-rutte-warnt-vor-weltkrieg-wir-sind-russlands-naechstes-ziel-01/100183058.html

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