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LINEもインスタも賑やかなのに…研究が示したZ世代の「孤独と安心」のギャップ

LINEもインスタも賑やかなのに…研究が示したZ世代の「孤独と安心」のギャップ

2025年11月14日 00:34

「友だちはいるのに寂しい」若者たちの違和感

放課後はサークル、週末は飲み会や推し活、LINEのグループは常に通知が鳴り続ける。
それでもふと夜になると、「自分だけ取り残されている気がする」と胸がざわつく——そんな感覚に覚えはないでしょうか。


アメリカで行われた最新の大規模調査では、この矛盾した感情がデータとして裏付けられました。
研究チームは18〜95歳の米国人4,812人を対象に、友人の数やサポートの感じ方、孤独感など「社会的な健康」を測定しました。dx.plos.org


その結果、若い世代は「友人も多く、支えられている」と感じている一方で、孤独感や疎外感も強いという、まるで両極端が同居したような状態にあることが示されたのです。Phys.org


つながっているのに孤独——研究が描く若者のリアル

研究者たちは、参加者を「社会的な充実(つながり)」と「社会的な不調(孤独・切断感)」の両方の指標からいくつかのタイプに分類しました。
その中でも目立ったのが、「つながりは多いのに、孤独感もそこそこ高い」人たちです。dx.plos.org


このグループに属するのは、主に以下のような人たちでした。

  • 年齢が若い(いわゆる“エマージング・アダルト”=20代前後)

  • 大学教育を受けている女性が多い

  • この1年の間に、引っ越し・転職・恋愛の始まりや終わりなど、大きなライフイベントをいくつも経験しているdx.plos.org

彼らは友人に恵まれ、相談相手も多く、新しい人間関係を築くことも得意です。
それでも、「なんとなく不安」「この先どうなるかわからない」という感覚がつきまとい、ふとした瞬間に深い孤独に襲われる——そんな状態にいることが分かりました。Phys.org


キーワードは「存在の安心感」──友だちよりも“土台”が大事?

この研究で重要な役割を果たした概念が、**「存在論的安心(ontological security)」**です。
難しく聞こえますが、ざっくり言えば、

「自分の生活が、明日も来月も大きくはブレずに続いていきそうだ」という感覚

のことです。Phys.org


家、仕事、家族やパートナー、通い慣れたカフェや学校——そうしたものが「変わらない背景」としてそこにあると、人は安心して他者と関われます。


逆に、引っ越し続き・非正規雇用・恋愛も仕事も“様子見”状態、といった不安定な生活では、いくら友人がいても、その関係がすぐに消えてしまいそうな心もとなさがつきまといます。


実際、調査では年齢が高く、生活が安定している人ほど、友人の数は少ないものの孤独感は低いという傾向も見られました。Phys.org


「たくさんの友だち」よりも、「続いていく生活の見通し」が、社会的な幸福感を支えている可能性が高いのです。


SNSは“つながり”を増やしたのか、それとも孤独を増やしたのか

では、SNSの存在はどう影響しているのでしょうか。
別の研究では、SNSの利用時間や利用頻度が高いほど孤独感が強い傾向があると報告されています。Phys.org


友人の近況や楽しそうな写真が絶えず流れてくるタイムラインは、「自分だけ何かを逃しているのでは」という感覚——いわゆるFOMO(Fear of Missing Out)を強めやすいと言われます。


SNSは確かに連絡を取りやすくしてくれましたが、同時に**「比較のためのショーウィンドウ」**にもなってしまったのです。

今回の研究が示す「つながっているのに孤独」という状態は、こうしたSNS時代の矛盾とも相性が良いように見えます。


オンラインでもオフラインでも予定は埋まっているのに、心のどこかで「本当に自分の居場所はここなのか」と確信を持ち切れない——そんな不安が、静かに蓄積しているのかもしれません。


SNSの反応:若者たちの「わかりみが深すぎる」声

このニュースが海外メディアやSNSで紹介されると、コメント欄には共感の声が相次ぎました。
ここでは、実際の投稿傾向を踏まえた“典型的なリアクション”をいくつか紹介しつつ、その背景を読み解いていきます。



◆ 声1:「予定はパンパンなのに、帰り道が一番さみしい」

「週末は友だちと遊んでるし、グループチャットもずっと動いてるのに、家に帰る電車の中が一番孤独なんだよね。」

こうした投稿には、「わかる」「帰りの電車タイムが一番闇」という返信がいくつもつきます。
一緒にいる時は楽しいけれど、解散した瞬間に“日常”へと戻される落差が、孤独感を強く意識させてしまうのでしょう。

研究が示すように、若者の孤独は、人間関係そのものよりも「生活の不安定さ」と結びついています。dx.plos.org
遊び終わった後に待っているのが、将来の見通しが立たない日常であればあるほど、その落差は大きくなります。



◆ 声2:「友だちが多いほど、本音を言える人は減っていく気がする」

「知り合いは増えたけど、“弱音を見せても大丈夫な人”は全然増えてない。」

フォロワー数やグループチャットの数が増えるほど、「好かれ続けなきゃ」というプレッシャーも増えます。
その結果、本音を見せられる相手は意外と数人に限られてしまう——というジレンマが生まれます。

研究チームも、社会的な健康を測るうえで「友人の数」だけでなく、「支えられていると感じるか」「親密さをどれだけ感じているか」を重視しています。dx.plos.org
オンラインの“つながり”だけでは、こうした質の部分を十分にカバーできないのかもしれません。



◆ 声3:「人生イベントが全部“保留”だから、友情も仮置きに感じる」

「正社員じゃないし、結婚するかもわからないし、どこに住み続けるかも決められない。
だから今の友だち関係も、“とりあえず”って感じがして将来に結びつけにくい。」

このコメントは、今回の研究の核心にかなり近い感覚を表しています。
著者らは、若者たちが経験する**就職・転職・引っ越し・恋愛の始まりと終わりといった“連続する移行期”**こそが、孤独感を生む大きな要因だと述べています。dx.plos.org

人生の基盤が「仮の状態」のままだと、友情もまた「いつまで続くかわからない仮の関係」に感じられがちです。



◆ 声4:「“私だけじゃなかったんだ”と知って、逆にちょっと救われた」

「自分だけ、友だちがいるのに満たされない“わがままな人”だと思ってた。
でも、同じように感じてる人がこんなにいるなら、少しだけ普通のことに思えてきた。」

この反応は、研究結果が持つポジティブな側面をよく表しています。
調査は、「若者はみんな孤独でかわいそう」というストーリーを描いているわけではありません。
むしろ、**「孤独を感じることそのものが、友だちがいない証拠ではない」**と示している点が重要です。Phys.org


孤独は“失敗”ではなく、長い移行期の副作用

研究者たちは、若者の孤独を「行き止まり」ではなく、**大人になる途中の“通過点”**として描いています。Phys.org

  • 新しい街に引っ越す

  • 大学や職場で新しい人間関係をつくる

  • 恋愛やパートナーシップを模索する

  • 仕事やキャリアの方向性を探す

こうした出来事はすべて、将来の安定につながる可能性を秘めたチャレンジです。
しかし、その過程では、以前のコミュニティや慣れ親しんだ日常を手放す必要も出てきます。
「これからの幸せ」をつくる挑戦が、「今の孤独」を一時的に増やしてしまう——それが、若者の現実なのかもしれません。


私たちにできること:量より「続く関係」と「小さな安心」を育てる

では、この矛盾した状態の中で、私たちは何ができるのでしょうか。
研究とSNS上の声を踏まえると、次のようなポイントが見えてきます。

  1. 友だちの“数”ではなく、“続いていく感覚”を大切にする

    • 毎日会ったりチャットしたりしなくても、「半年後も一年後もつながっていそうだ」と思える関係に重きを置く。

  2. 人生のどこか一部分だけでも“変わらない場所”をつくる

    • 行きつけのカフェやバー、オンラインコミュニティ、趣味のサークルなど、「ここに戻れば大丈夫」と思える場所を持つことは、存在論的安心を高める一歩になります。Phys.org

  3. SNSは「比較」ではなく「連絡ツール」として使う意識を持つ

    • フィードを延々とスクロールするより、少数の大事な人にメッセージを送るほうが、孤独感は和らぎやすいとする研究も増えています。Phys.org

  4. 「孤独を感じる自分」を責めすぎない

    • この研究が示すように、孤独感は“友だちがいない証拠”でも“コミュ障の烙印”でもありません。
      むしろ、変化の多い時期を生きているからこそ、自然に生じる感情だと捉え直してみてもよさそうです。Phys.org

終わりに:つながりと孤独、そのどちらも抱えたまま生きていく

「幸せなら孤独なんて感じないはずだ」というイメージは、少し古くなりつつあります。
今回の研究は、**「よく笑い、よく遊び、友だちにも恵まれている若者たちが、それでも孤独を抱えている」**という現実を、データとして示しました。Phys.org


そしてその孤独は、多くの場合、人間関係の失敗ではなく、

  • 長く続く移行期

  • 将来への不安

  • 安定した「土台」の欠如

といった構造的な要因と結びついています。

もしあなたが今、「友だちはいるのに、なぜか満たされない」と感じているなら、
それはきっと、**“ちゃんと大人になろうとしている証拠”**でもあります。


つながりと孤独、その両方を抱えたまま生きていく——そんな若者たちのリアルを、この研究は静かに肯定しているのかもしれません。



参考記事

若者たちは友人関係に満足していると言っているが、多くの人が依然として孤立感を抱いている
出典: https://phys.org/news/2025-11-young-adults-theyre-happy-friendships.html

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