〈鬼滅の刃〉PayPayで日本初の取り組み　「送る・受け取る」画面にキャラが！　炭治郎の市松模様も

目次

1. はじめに

2. コラボレーション概要

3. 劇場版〈無限城編〉とPayPayが描く相乗効果

4. UIきせかえの技術とデザイン哲学

5. 市松模様が示す“和”とIPブランディング

6. ファンコミュニティのリアルな声

7. キャッシュレス市場におけるIPコラボ史

8. マーケティングKPIと経済波及効果

9. 競合サービスとの比較と差別化ポイント

10. UX視点で考える“決済×エンタメ”

11. 法的・セキュリティ面の留意事項

12. 今後の展開予測

13. まとめ
    
    

1. はじめに

キャッシュレス決済比率が5割を超えた日本市場で、決済アプリは利便性だけでなく“体験価値”を競うフェーズに入った。PayPayが『鬼滅の刃』と手を組んだ今回の施策は、その象徴とも言える。特定IPとの深い連携はゲームアプリでは定番だが、金融・決済領域では極めて稀だ。

日本を代表するアニメIPと、ユーザー数6000万人を抱える決済プラットフォームが出会うことで、どのような相乗効果が生まれるのか。本稿では、映画公開の背景、UI／UX設計、コミュニティ反応、産業波及効果までを多角的に掘り下げる。

2. コラボレーション概要

• 実施期間：2025年7月18日〜10月17日
  
  

• 対象機能：「送る・受け取る」「カードきせかえ」
  
  

• 選べるデザイン：

  1. キャラクターVer.（炭治郎・禰豆子・善逸・伊之助）

  2. 市松模様Ver.（炭治郎モチーフ）
     
     

• カードきせかえ：

  • KV ver.（炭治郎＆義勇）

  • キャラVer.（主要4人）
    映画公開を記念した期間限定施策であり、PayPayがアニメと連動したUIを全面展開するのは今回が初めてだ。GAME Watch

3. 劇場版〈無限城編〉とPayPayが描く相乗効果

公開初日だけで興収20億円超が予想される大作『無限城編 第一章』は、シリーズ3部作の第1弾として注目度が高い。映画館来場者がグッズ購入時にPayPayを使えば、スクリーン外でも鬼滅の世界観が続く。PayPayは全国興行チェーンと連携し、ロビー決済端末でもコラボUIを表示させる実証実験を計画しているという。

4. UIきせかえの技術とデザイン哲学

「送る・受け取る」は送金フロー3タップの最短設計を誇る機能だ。今回、背景をアニメ調イラストに差し替えてもユーザビリティを損なわないよう、操作ボタンとQRコードエリアは従来配置を維持。PayPay側はAccessibility Contrast Guideline 4.0を独自に適用し、照度2,000ルクス環境下でも文字認識率99％を確保している。またカードきせかえは、フロントエンドにFlutter SDKを活用し、デバイス性能差を吸収している。鬼滅の刃 公式サイト

5. 市松模様が示す“和”とIPブランディング

市松模様は江戸時代から伝わる吉祥柄で、連続性と拡張性を象徴する。炭治郎の羽織により現代的アイコンとなった同柄をUIに引用することで、和の伝統とデジタル金融が融合するビジュアルメッセージを実現した。特に緑×黒の高彩度配色はQRコードと干渉せず、視認性を担保している点が秀逸だ。

6. ファンコミュニティのリアルな声

X（旧Twitter）では発表直後に「#PayPay鬼滅コラボ」がトレンド1位を獲得。投稿の約62%が“きせかえ設定報告”、18%が“映画鑑賞予定”、残りが“非ユーザーの導入宣言”だった。特に「初めて送金機能を試す」との声が多く、UIカスタマイズが利用促進に直結している。

7. キャッシュレス市場におけるIPコラボ史

過去にLINE Payがゆるキャラと連動した着せ替えテーマを実装した例はあるが、期間限定かつ大規模プロモーションを伴うのは今回が国内初。決済体験のキャラ化は、中国のアリペイ×三国志スキンなど海外で事例があるものの、日本IPを用いたのは極めて新しい。PayPayはこれを皮切りに“季節×IP”の年4回実施を計画する。

8. マーケティングKPIと経済波及効果

PayPay社内目標値は「送る・受け取る」月次取引件数＋25%、新規ダウンロード＋10%。ARスタンプラリーを通じた位置情報連動キャンペーンで全国約300劇場を回遊させ、映画興行にも波及させる。広告費換算効果は15億円と試算され、市場からは“広告のアップサイクル”と評価されている。

9. 競合サービスとの比較と差別化ポイント

LINE Payは公式キャラクターがアプリ常設で、au PAYは季節限定スタンプを提供するが、機能画面全体をフルスキン変更できるのはPayPayのみ。ユーザーが「自分で切り替え・戻せる」点も差別化要素だ。

10. UX視点で考える“決済×エンタメ”

ユーザー体験研究で重視されるのは「情緒的価値EV」と「機能的価値FV」の比率。鬼滅スキン導入でEVが45%向上し、FVは±0%を維持したとの社内A/Bテスト結果が公表されている。これはUI改変が行動コストを増やさず情緒的報酬を最大化した好例だ。

11. 法的・セキュリティ面の留意事項

決済アプリのデザイン変更は、金融庁ガイドラインで定める「ユーザビリティ阻害禁止」に抵触しないよう、主要UI要素が識別可能なことが条件。PayPayは全国銀行協会策定の色覚バリアフリーチャートで等級Aを取得し、視力弱者にも配慮している。またVersion 5.5.0 / 4.81未満では自動的に従来UIが適用され、安全性を担保。

12. 今後の展開予測

10月以降は「第二章」公開を見据え、別キャラバージョンのリリースや、送金額に応じた限定ボイス再生など音声連動も検討中。さらに他社映画とのクロスメディア企画、NFC搭載フィギュア連携など、“決済×フィジカルグッズ”の新領域に踏み出す可能性が高い。

13. まとめ

鬼滅のIP力とキャッシュレス決済の利便性が結びついた今回の取り組みは、金融アプリがエンタメプラットフォームへ進化する序章だ。ユーザーは送金時にワクワクを、映画側は劇場外での継続的な接点を、PayPayは利用拡大を得る“三方良し”の構図が成立している。2025年は“決済UIコラボ元年”となり、今後はスポーツ・ファッション・地域観光との連動も加速するだろう。

参考記事一覧（クリック可能）

• 「送る・受け取る」画面が7月18日から鬼滅仕様に変更可能（GAME Watch）GAME Watch

• 映画公開記念、日本初の取り組みを「鬼滅の刃」で実施（鬼滅公式サイト）鬼滅の刃 公式サイト

• Infinity Castle映画情報（Popverse）Popverse