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日本初の女性首相・高市早苗が揺さぶる「長時間労働ニッポン」  ――“睡眠2時間・午前3時起き”は改革か、それとも逆行か

日本初の女性首相・高市早苗が揺さぶる「長時間労働ニッポン」 ――“睡眠2時間・午前3時起き”は改革か、それとも逆行か

2025年11月24日 10:38

1 「睡眠2時間・午前3時起き」の首相が登場

2025年10月、日本初の女性首相となった高市早苗氏の“超人的な働き方”が国内外のメディアで大きな話題になった。報道によれば、首相は「1日2時間ほどしか寝ない」「午前3時に起きて仕事を始める」「深夜まで官邸で会議を続ける」と語っているという。さらに、コピー機の紙詰まりやFAXトラブルにまで深夜に自ら対応し、「全部チェックしないと気が済まないタイプ」と側近が証言したと報じられた。


これらのエピソードは“ストイックで仕事熱心なリーダー像”として海外では称賛の声もある一方、日本国内ではすぐに別の議論が噴き上がった。「この働き方を“理想”として国民に押し付ける空気が生まれないか」「過労死の歴史を忘れていないか」という不安がSNSやメディアで一気に広がったのである。



2 「ワーク・ライフ・バランスは不要」発言の衝撃

議論をさらに熱くしたのが、高市首相の「ワーク・ライフ・バランスという概念をなくす」という発言である。首相は就任直後の場で、働くことそのものを重要視する姿勢を示し、「議員には馬のように働いてもらう」と求めたと報じられた。強い指導力を思わせるフレーズではあるが、日本では長年「働きすぎ」が深刻な健康問題につながってきた。「働く=美徳」とされる文化の中で、トップが“休まなくていい”というメッセージを示すことは、誤った方向へ社会を動かしかねないという懸念が一気に広がった。



3 世界に広まりつつある「Karoshi」という言葉

「Karoshi(過労死)」は今や世界で通じる日本語だ。長時間労働、睡眠不足、過度なプレッシャーが重なり、心身が限界を迎えて命を落とす事例は、1970〜80年代にかけて急増した。特に電通事件や大企業若手社員の過労死は象徴的なケースとして記憶に残っている。厚生労働省は「月80時間超の残業」を過労死ラインの一つの基準としており、日本が抱える長年の病であることは疑いようがない。だからこそ、国のトップが“睡眠を削り続ける働き方”を肯定することの影響力は計り知れない。



4 2019年の「働き方改革」で何が変わったか

日本は2019年の働き方改革関連法によって、ようやく残業時間を法律で縛り始めた。原則は「月45時間・年360時間」。特別条項を適用しても「月100時間未満」「複数月平均80時間以内」「年720時間以内」という上限が設けられた。これは長時間労働を前提とした働き方から脱却するための大きな一歩だった。さらに有給休暇の取得義務、割増賃金の強化、中小企業への順次適用など、日本の労働文化を変えるための取り組みがようやく進み始めていた。



5 高市政権が進める「上限緩和」への懸念

しかし高市政権では、この残業上限の“見直し”が検討されていると報じられている。理由として、首相は「もっと働きたい人の足を引っ張ってはならない」と述べたという。一見“自由を広げる改革”のように聞こえる。しかし専門家は「日本には“断れない文化”があるため、上限緩和はむしろ弱い立場の労働者を追い込む」と指摘する。上司から「自主的に頑張ってほしい」と言われれば、反論できないのが日本の多くの現場の実態だからだ。



6 統計に表れない「サービス残業」という現実

日本の平均年間労働時間は約1600時間とされ、国際的には必ずしも突出して長いわけではない。しかしその数字には“サービス残業”が含まれていない。タイムカードを切った後の作業、在宅でのメール処理、休日の資料作成など、カウントされない労働は日常的に存在する。また、調査によればすでに約2割の企業で月80時間残業に達しているという。これは過労死ラインそのものである。こうした状況下で残業規制を緩和すれば「やはり働き続けるべきだ」という風潮が強まる恐れがある。



7 首相は「社会のロールモデル」になってしまう

政治家がどれだけ働くかは個人の自由だ。しかし問題は“示されるメッセージ”である。日本では上司の行動がそのまま職場文化を形作る傾向が強い。首相が睡眠時間を削って働く姿を見せれば、企業経営者が「部下にも同じように求めても良い」と感じてしまう可能性がある。さらに高市首相は“強い国家”を掲げる立場として知られ、その姿勢と“厳しい自己犠牲を伴う働き方”が重なることで、国全体に「個人より国家を優先すべき」という空気が生まれかねないという指摘もある。



8 「自由」と「自己責任」は違う

高市首相を支持する層からは「本人が好きでやっているだけ」「政治家はそもそも激務だから問題ない」という声もある。ただし問題は“社会全体がどう動くか”である。日本には「同調圧力」が根強く、上限緩和が“自由”として導入されても、現場では「働かないのはやる気がない」という空気が強まりやすい。結果的に“実質的な強制”になる可能性が高いのである。



9 世界の潮流は「労働時間の抑制」へ

ヨーロッパの多くの国では、週48時間労働制、有給休暇の長期化、余暇時間の保障など、「働きすぎを防ぐ」方向に政策が進んでいる。対して日本は、労働時間が公式統計より長く、休暇取得率も低い。そこに首相の発言が加われば、日本は世界からさらに“働きすぎ国家”として見られる可能性がある。



10 今すぐできる「自分の身を守る行動」

働き方の議論が動いても、生活を守るのは自分自身だ。まずは1か月の残業時間、PCログ、タイムカードなど“客観的な記録”を確認し、月80時間を超えないよう意識することが重要だ。さらに社内の相談窓口、労働基準監督署、労組などの連絡先を把握し、体調やメンタルの変化に気づいたら早めに相談することが必要だ。「無理を続ければ成果につながる」は過労死を生んできた最も危険な誤解である。



11 政治に対する「見守り」と「主体性」

この記事は特定の政治家を批判するものではない。しかし、働き方は生活の根幹に関わるテーマである。政府が残業規制をどう扱うか、各政党がどんな公約を掲げるか、私たちは選挙や政策を通じて“働きやすい社会”を選ぶことができる。感情ではなく「健康に生きられる社会とは何か」という視点で政治を見守ることが求められている。



12 まとめ:重要なのは「首相の睡眠時間」ではなく「社会の方向性」

高市首相の睡眠時間の少なさ自体より、社会全体がその働き方をどう受け止めるかが本質だ。日本はようやく働き方改革で長時間労働を是正し始めたところであり、ここで逆行すれば再び過労社会へ戻りかねない。働きすぎてしまう人を守る制度を維持しつつ、個人が安心して暮らせる環境づくりが何より重要である。



◆ 参考記事一覧

  • Japans neue Premierministerin entfacht Streit über extreme Arbeitszeiten(Aktiencheck / Eulerpool, 2025年11月23日)

  • Japans neue Premierministerin entfacht Streit über extreme Arbeitszeiten(GEWINNERmagazin, 2025年11月23日)

  • To promote work style reform comprehensively – Review regulations on working hours(厚生労働省)

  • Current State of Working Hours and “Work Style Reform” in Japan(JILPT)

  • Japanese labour law(Wikipedia)

  • Karoshi(過労死, Wikipedia)

  • Sanae Takaichi(Wikipedia)


参考記事

日本の新しい首相、過酷な労働時間について論争を巻き起こす
出典: https://www.aktiencheck.de/news/Artikel-Japans_neue_Premierministerin_entfacht_Streit_ueber_extreme_Arbeitszeiten-19240711

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