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アートで鍛えるリーダーシップの新常識 : 講義だけでは育たない。“つくる・演じる”が変える次世代リーダー

アートで鍛えるリーダーシップの新常識 : 講義だけでは育たない。“つくる・演じる”が変える次世代リーダー

2025年10月30日 00:18

フィンランド東部大学(UEF)の研究は、絵画・音楽・演劇・遊び(プレイ)といった“アーツ・ベースド・メソッド(ABM)”が、リーダーシップ教育で感情知性・創造性・批判的思考・協働性を伸ばし、現実の職場に近い複雑な学習環境をつくることを示した。2013〜2023年に実施された「イノベーション文化」コースの長期的検討に基づくもので、学術誌 The International Journal of Management Education に発表されている(DOI: 10.1016/j.ijme.2025.101306)。この成果は、知識伝達中心の講義から体験・省察・共感を軸にした学びへの移行を後押しする。Phys.org



何が新しいのか:学内実践の10年を縦断した“設計学”

UEFの対象コースでは、受講生がビジュアルアート、音楽、ドラマ、プレイを用いて、イノベーション文化やリーダーシップのテーマを解釈・再構成した。結果として、

  • 自己の経験を省察し、前提を問い直すメタ認知の強化

  • チームでの対話・感情の扱い・不確実性への耐性の向上

  • 職場の複雑性を“安全な実験場”で疑似体験
    が報告されている。Phys.org


研究チームは、堅牢な授業設計・不確実性を運転する力量・機関としての制度的支援を導入条件として強調。安全で励まし合える場づくりが創造的学びの前提だという。Phys.org



学術的整合性:先行研究との接続

ABMの効果は過去のレビューとも整合する。たとえば2024年の体系的レビューは、省察・高次認知・感情知性・対人能力の改善を広範に確認している。
加えて、マネジメント教育分野の古典的議論は、美的体験や身体性が組織開発・学習に独自の知をもたらすと論じてきた。



“なぜ効くのか”:3つの学習メカニズム

  1. 感情と意味づけの橋渡し:音や色・所作は、言語化しにくい経験の輪郭を可視化し、共感的理解を促す。Phys.org

  2. 安全な試行と失敗:演劇的ロールプレイや即興は、心理的安全性のもとで役割・価値観を入れ替え体験でき、チーム関係の再設計を促す。Phys.org

  3. 複雑性の縮図(ミクロコスモス):アート制作は、制約下での創造・調整・意思決定のプロジェクト学習となり、現場移行可能なスキルへと接続する。Phys.org


どう実装するか:授業デザイン5原則(実務者向け)

  • 目的の二層化:知識目標(理論理解)と能力目標(EI・協働・省察)を明示。評価はルーブリックで二重化。サイエンスダイレクト

  • アートの多様性:ビジュアル×音楽×ドラマ×プレイをスプリント型に配置し、個の得意/苦手を相互補完。Phys.org

  • リフレクションの埋め込み:制作→対話→省察メモ→再制作の二環循環で学習を定着。

  • 心理的安全性の運用:観客化しない発表、肯定→質問→提案の順でフィードバック。Phys.org

  • 現場接続:成果物を業務シナリオ(組織変革・顧客体験・サステナビリティ等)にマッピングして提出。ウエフ


日本の高等教育・企業研修への応用

日本でもPBLや探究の広がりとともに、アート思考×マネジメントの接続余地は大きい。たとえば、

  • 企業の次世代リーダー研修で、**“共感に基づく意思決定”や“関係性のリーダーシップ”**をロールプレイ+絵コンテで設計。CICAT2025

  • MBA/専門職大学院で、サービスデザインやイノベーション文化のモジュールにABMを常設。ウエフ


SNSとコミュニティでの反応(要約)

公開直後は海外の科学系アグリゲータや掲示板で取り上げが広がった。Phys.org本体の掲載(10/28)に続き、EurekAlertやAlphaGalileoでも配信されている。Phys.orgEurekAlert!

賛同派の声

  • 「感情知性(EI)や対人能力の涵養は今後の職務に必須」という論点が教育コミュニティで反響(例:アート教育の価値を訴える解説や大学発の発信)。

  • 管理職コミュニティでは、「人のマネジメントは教科書だけでは身につかない」として実践的メソッドへの期待が示される。


懐疑派の声

  • アート教育の授業設計に対し「評価の客観性」や「再現性」を不安視する議論も見られる。


中庸的な示唆

  • SNS横断の議論では、ABMは**“万能薬”ではないが、省察と組み合わせれば強力**という共通項がある。これはレビュー研究の結論とも一致する。

注:現時点で、本研究“単体”に対する個別の大量拡散ポストは限定的だが、アート×リーダー教育という周辺テーマの言説は活発で、今回の研究はその潮流にエビデンスを追加した位置づけと言える(2025年10月30日・東京)。



研究の限界と次の一手

  • コンテクスト依存:UEFのコースという特定状況に根ざすため、他大学・企業への外的妥当性検証が必要。Phys.org

  • 評価設計:情動や共感の学習成果を妥当・信頼できる指標で測るために、ポートフォリオ・相互評価・パフォーマンス課題の三位一体評価が望ましい。サイエンスダイレクト

  • 比較研究:従来型講義 vs ABMモジュールの準実験や、縦断追跡での職場パフォーマンス指標との連関が鍵。



まとめ

アーツ・ベースド・メソッドは、リーダー教育を**“頭でわかる”から“身体で腑に落ちる”学びへと変える装置だ。創造性と共感は“ソフト”ではなく、複雑な現実を動かすハードな競争力である。今回のUEF研究は、10年の実践を通じて、その制度設計と運用条件**も含めて描き出した。次は、評価・転移・コスト対効果を可視化する実証が求められる。Phys.org



参考・出典

  • Phys.org「Study highlights importance of arts-based methods in leadership education」(2025年10月28日)Phys.org

  • The International Journal of Management Education(論文・DOI: 10.1016/j.ijme.2025.101306)サイエンスダイレクト

  • EurekAlert! プレスリリース(University of Eastern Finland)EurekAlert!

  • AlphaGalileo 配信概要alphagalileo.org

  • 体系的レビュー(2024)

  • UEF Business School(教育方針)ウエフ

  • 周辺コミュニティの議論例(LA Times特集/管理職コミュニティ/教育掲示板)


参考記事

研究は、リーダーシップ教育における芸術を基盤とした手法の重要性を強調しています。
出典: https://phys.org/news/2025-10-highlights-importance-arts-based-methods.html

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