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免疫の「ブレーキ」がノーベル賞に : 癌と自己免疫に挑む科学 - アメリカと日本の科学者がノーベル医学賞を受賞

免疫の「ブレーキ」がノーベル賞に : 癌と自己免疫に挑む科学 - アメリカと日本の科学者がノーベル医学賞を受賞

2025年10月08日 00:05

「免疫の暴走を止める」発想が、ノーベル賞に到達した

2025年10月6日(ストックホルム)。ノーベル賞シーズンの幕開けを飾る生理学・医学賞は、免疫学における“守りの力”に光を当てた。受賞者はメアリー・E・ブランコウ、フレッド・ラムズデル、坂口志文の3氏。授賞理由は、免疫が自己を攻撃しないための要、「周辺免疫寛容(peripheral immune tolerance)」のメカニズム解明である。中心的役者は、いまや教科書のキーワードとなった制御性T細胞(Treg)。この細胞群の存在と、その成立に必須の遺伝子FOXP3の同定が、自己免疫疾患からがん治療まで幅広い医療の地平を広げた。NobelPrize.org


3人は何を見つけたのか:TregとFOXP3

従来、免疫は胸腺で“自己反応性”を排除する「中枢免疫寛容」が要と考えられてきた。しかし、現実の生体はもっと複雑だ。末梢でも暴走を抑える仕組みが働く。坂口は1990年代、自己免疫を抑える細胞群の存在を着想し、CD25陽性CD4陽性T細胞としてTregを定義、概念を確立した。続いてブランコウとラムズデルは、致死的なリンパ増殖を示す“scurfy”マウスの病因遺伝子を追跡し、Tregの分化に不可欠な転写因子FOXP3を突き止める。FOXP3はヒトでも希少疾患IPEX症候群と結び付けられ、Tregの中核サインとなった。NobelPrize.org


研究室からベッドサイドへ:臨床への波及

この「免疫のブレーキ」の再発見は、基礎研究だけに留まらない。世界ではTregを標的にした治療の臨床試験が200件超に及び、炎症性腸疾患などに挑む企業連合も動く。ラムズデルらが関わるSonoma Biotherapeutics、AstraZenecaと提携するQuell Therapeutics、さらにBayer/BlueRockなど、産業界のパイプラインも整い始めた。賞の発表時点で、規制承認に至った特定療法はまだないものの、応用研究は加速中だ。Reuters


受賞の瞬間:それぞれの「驚き」

坂口は大阪の会見で「臨床でより役立つ段階になってから評価されると思っていた」と“早い”評価への驚きを率直に語った。会見の途中には石破茂首相から祝福の電話も。ブランコウはシアトルの自宅で報道カメラマンに起こされ、電話のスウェーデン番号を“スパムかと思って”一度は無視したという。ラムズデルは山中のバックパッキング中で、オフグリッドの最中に授賞を知ったというエピソードまで飛び出した。科学者たちの“日常”に滑り込むノーベル賞らしい画だ。Reuters


SNSの反応:#Treg #免疫寛容 が駆け巡る

発表直後、X(旧Twitter)の公式アカウントは受賞を告知し、国際学会・研究機関も相次ぎ祝意を投稿。米国免疫学会(AAI)は坂口の業績を称賛し、日本国内では「制御性T細胞」「坂口志文」がトレンドに。出版社や科学館のアカウントもわかりやすい解説スレッドを展開し、教育現場の教材化に期待する声が広がった。祝福の合間には「自己免疫の患者に届くのはいつ?」「がん治療での使い分けは?」といった臨床への関心も目立つ。X (formerly Twitter)

 



典型的な声
・「“攻める免疫”だけでなく“抑える免疫”が主役になる時代だ」
・「高校生物の教科書が一斉にアップデートされる予感」
・「自己免疫とがん、アクセルとブレーキのチューニングが鍵になる」
(編集部による要約)


受賞が意味する「次の10年」

Tregの治療利用は二面性をもつ。自己免疫や移植ではTregを増強/導入し、がんでは逆に“ブレーキ”を外すことで免疫を活性化させる。この精密チューニングは、バイオ医薬だけでなく、細胞療法(例:Treg細胞のex vivo増幅・投与)に直結する。臨床導入を阻むのは、標的指標の特異性、長期安全性、製造スケールの壁だ。だが、FOXP3という“中心軸”を得た今、疾患横断のプラットフォーム化が現実味を帯びる。NobelPrize.org


科学文化としてのノーベル賞

今回の授賞は、「基礎が臨床を動かす」構図の典型例だ。免疫の根本問い—「自己/非自己の識別はどう保たれるのか」—への地道な探究が、数十年後に広範な医療応用の扉を開く。賞金は1100万スウェーデンクローナ。授与式は例年通り12月10日(ノーベルの命日)に行われる。NobelPrize.org


もう少し深く知るために

自然科学の総合誌や専門誌は、Tregの“歴史と今”をわかりやすく整理している。研究の端緒、マウスでの遺伝子同定、人の疾患連関、そして臨床試験の現状まで—本稿と併読すると、研究の連続性と躍進の速度がよりクリアに見えるはずだ。Nature


参考記事

免疫システムの画期的な発見により、アメリカと日本の科学者がノーベル医学賞を受賞
出典: https://www.investing.com/news/world-news/brunkow-ramsdell-and-sakaguchi-win-2025-nobel-medicine-prize-4271964

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