“甘くない真実”:砂糖入りも人工甘味料もMASLDリスク増 - 肝臓が語るエビデンス

“甘くない真実”:砂糖入りも人工甘味料もMASLDリスク増 - 肝臓が語るエビデンス

「ダイエット飲料も糖入り飲料も、肝臓には“甘くない”」――UEG Week 2025の大型研究が示した現実

「砂糖たっぷりの清涼飲料水は体に悪い」。それは、もはや異論の少ない常識だ。だが“ゼロカロリー”や“人工甘味料入り”でヘルシーをうたう飲料はどうか。ベルリンで開催された消化器領域の国際学会「UEG Week 2025」で発表された英国バイオバンクの前向きコホート研究は、この問いに冷や水を浴びせた。


研究は、ベースラインで肝疾患のない12万3788人を中央値10.3年追跡。砂糖甘味飲料(SSB)と低/無糖甘味飲料(LNSSB=いわゆる“ダイエット飲料”)の摂取量を、24時間食事記録を複数回実施して評価した。その結果、1日250g超の摂取で、SSBはMASLDリスクが約50%増(HR 1.469)LNSSBは約60%増(HR 1.599)だったという。さらにLNSSBは、肝関連死亡の増加とも関連した点が衝撃的だ(SSBでは死亡との有意な関連は示されず)。また両者とも肝脂肪量の増加と有意に関連していた。Mirage News


MASLDとは何か:名称変更が映す「代謝」の時代

本研究が主要アウトカムとしたのは、近年NAFLDから呼称変更されたMASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)。代謝異常(肥満、2型糖尿病、脂質異常など)との結びつきを強調するために改称された背景がある。世界的にも最も一般的な慢性肝疾患に数えられ、負担は今後も増すと見込まれている。Mirage News


なぜ“ダイエット飲料”が強い関連を示すのか

機序はまだ確定していないが、著者らは腸内細菌叢の変容満腹感シグナルの撹乱甘味嗜好の増強、場合によってはインスリン分泌刺激などを仮説として挙げる。砂糖飲料は言うまでもなく血糖・インスリンの急上昇、体重増加、尿酸上昇を通じて肝脂肪蓄積を促す。一方で、人工甘味料=無害という短絡は、今回の長期追跡データでは支持されなかった。Mirage News


最も効果的な置き換えは「水」

著者らは、SSB・LNSSBを水に置き換えるとMASLDリスクがそれぞれ約12.8%、15.2%低下したと報告。SSBとLNSSBを相互に置き換えてもリスク低下は見られなかった。つまり、“砂糖→人工甘味料”のスイッチではなく、“甘い飲料→水”こそが正攻法だ。Mirage News



SNSの反応(要約)

  • 「ダイエットコーラ派に痛手」
    「長年ゼロ派だったのに…」「結局、水が最強?」といった動揺と諦観が多く見られる。

  • 「人工甘味料の再評価論」
    「腸内環境への影響は前から気になっていた」「甘味依存が減らないのが問題」など、**“カロリー0でも報酬系は0ではない”**という行動科学的な視点のコメントが拡散。

  • 「現実的対策派」
    ウォーターインフューズド(果物やハーブを入れた水)や無糖茶・ブラックコーヒーへの乗り換え体験談、炭酸水+レモンで“飽きずに続く”小技の共有が伸びる。

  • 「研究解釈への慎重論」
    「観察研究だから因果は断言できない」「人工甘味料の種類別分析は?」など、エビデンスの限界を指摘する専門職・アカデミア界隈のスレッドも一定数。

※上記は公開報道と学会発表に端を発するSNS上の典型的反応の要約です。個別投稿の引用は行っていません。



研究の読みどころ(重要ポイントの“実務翻訳”)

  1. 量のしきい値:目安として1本/日(250g超)でリスクが跳ね上がる。たまの1本よりも習慣性がカギ。Mirage News

  2. “ゼロ”の落とし穴:体重管理の観点だけで選ぶと、肝の観点で盲点になる可能性。メディカルニューストゥデイ

  3. 最適な代替水>炭酸水(無糖)>無糖茶/コーヒー。フレーバーが欲しい場合はレモン/ミントなどで風味付け。メディカルニューストゥデイ

  4. 公衆衛生的含意:砂糖課税だけでなく、甘味度(人工含む)全体への情報提供や広告・ラベリングの再設計が論点に。政策議論は今後加速しそうだ(関連報道・論考の増加)。The Guardian

  5. 限界と今後:観察研究である以上、残余交絡自己申告バイアスは免れない。著者らは長期RCTや遺伝学的アプローチで因果を詰める方針を示している。Mirage News


いますぐできる実践Tips(習慣設計の視点)

  • “冷蔵庫の一等地”を水に:取りやすい場所に常備し、ラベルには“まず水”のメモ。

  • 午後の“無意識一本”対策13–17時は無糖の温かい飲み物ルールで代替。

  • 味気なさ対策炭酸水+レモン/ライム、無糖アイスティーにミント

  • 週単位のモニタリング:1週間で砂糖/人工甘味飲料の本数ログ→“1本減らす”PDCA。

  • 外食・コンビニSサイズ+水の二刀流にして、甘い飲料は**“食後の一口だけ”**に制限。



研究の位置づけと補助線

今回のリスク増加は相対リスクであり、個々人にとっての絶対リスクは基礎疾患・体格・生活習慣で変わる。また、人工甘味料の種類別(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン等)の差異は今後の検証課題だ。とはいえ、「甘い味への恒常的暴露」自体が代謝・報酬系・腸内環境を通じて肝に響くというシンプルな仮説は、他領域の知見とも整合的である。**“ゼロ”に頼り切るのではなく、味覚リセットの期間を意識的に挟む戦略が、中長期では有効だろう。メディカルニューストゥデイ


参考記事

人工甘味料入り飲料と砂糖入り飲料の両方が肝疾患リスクの増加と関連していることが研究で判明 - ミラージュニュース
出典: https://www.miragenews.com/artificially-sweetened-and-sugary-drinks-are-1547001/