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温暖化は『病気の追い風』になる。モナーク研究が示した予想外の結果

温暖化は『病気の追い風』になる。モナーク研究が示した予想外の結果

2026年01月07日 11:32

温暖化で“蝶が病気になりやすくなる”――その主役は寄生虫

「温暖化が進めば、寄生虫は暑さに弱って減るかもしれない」


そんな“わずかな希望”が、モナークチョウ(オオカバマダラ)をめぐる研究にはありました。ところが今回、ジョージア大学(University of Georgia)の新しい研究は、その期待を正面から裏切ります。


結論から言うと、気温が高い環境ではモナークの感染耐性が下がり、寄生虫がむしろうまく感染する――。しかも、モナークを助けるはずの“薬草”が、暑さのせいで効かなくなる可能性まで示されたのです。 フィジ.org



寄生虫OEは2002年以降「3倍以上」に増えた

問題の寄生虫は Ophryocystis elektroscirrha(OE)。1960年代に知られるようになり、感染すると成虫の翅が小さくなる、体重が減る、寿命が短くなるなどが報告され、長距離移動(渡り)にも響きます。さらに厄介なのが、感染が近年増えている点。記事では2002年以降で感染が3倍以上に“急増”したと紹介されています。 フィジ.org



“ミルクウィードを植えよう”の落とし穴:毒性と免疫の複雑な関係

モナークの幼虫が食べられるのはミルクウィード(トウワタ類)だけ。そこで「モナークを救いたい」と庭にミルクウィードを植える人が増えました。ところが、よく植えられるのが外来のトロピカル・ミルクウィード。温暖な地域では一年中育ちやすく、結果としてモナークが冬でも繁殖を続け、寄生虫が“居座って回る”時間が増えるとされます。 フィジ.org


一方でトロピカル・ミルクウィードは毒性が強く、モナークはその毒(カードノライド類)を体内に取り込み、寄生虫への防御に役立てる可能性が指摘されてきました。ここがややこしいところで、「外来だけど、薬になるなら植えてもいいのでは?」という議論が長く続いてきたのです。 フィジ.org



今回の研究のキモ:「一定の高温」ではなく「現実に近い温度変動」

これまでの研究には、植物や寄生虫を“ずっと高温”に置く実験もあり、そこから「暑さは寄生虫に不利」「毒性が上がって防御が効くかも」という見通しが出ていました。 フィジ.org


しかし今回の研究は、より現実に近い形で、温度が上下する野外に近い条件で検証した点が特徴です。UGAの説明では、感染させた個体/させない個体を、トロピカル(外来)またはスワンプ(在来)ミルクウィードで育て、さらに通常条件と高温条件で比べたとされています。 UGA Today



結果は“全部はずれ”:暑いほど寄生虫が勝ち、防御効果が消えた

研究者たちは当初、こう予想していました。

  • 暑いほど寄生虫は弱るはず

  • 毒性の高いミルクウィードを食べた個体は感染が減るはず


ところが実際には、そのどれも起きなかった。記事内で責任著者のソニア・アルタイザー氏は「全部起きなかった」と率直に述べています。 フィジ.org


主なポイントは3つです。

  1. 高温条件で、感染への“耐性(tolerance)”が22%低下した フィジ.org

  2. 毒性の強いトロピカル・ミルクウィードの“保護効果”が高温で消失した フィジ.org

  3. 寄生虫は高温条件でむしろうまく感染し、想定より多くの個体が感染した フィジ.org


さらに、温度が上がるとトロピカル・ミルクウィードの毒素量はわずかに増えたものの、それが必ずしも“薬効アップ”にはならなかった。毒素は成長を遅らせたり細胞にダメージを与えたりすることがあり、モナークが毒を排出してしまえば、防御としての上積みが消える可能性も示唆されています。 フィジ.org


研究者の言葉は重い。「温暖化した世界は、モナークにとって“より病気の世界”になるかもしれない」。 フィジ.org



“植えれば救える”から、“植え方を間違えると増やす”へ

ここで話がガーデナーの現場に戻ります。


ミルクウィードは、ただ植えるだけで完結しません。温暖化で冬が短くなり、植物が長く残り、モナークが渡らずに繁殖を続けると、寄生虫が蓄積しやすくなる――この筋書きは以前から語られてきました。 フィジ.org


実際、カリフォルニアではトロピカル・ミルクウィードをめぐって論争が強く、UCANR(カリフォルニア大学ANR)の解説では、2022年にカリフォルニア州の当局が“noxious weed(有害雑草)”に指定し、複数郡で販売規制が出たことも紹介されています。 UC Agriculture and Natural Resources


ただし、同じ解説の中で研究者は「トロピカル・ミルクウィードだけが最優先の問題ではない」「農薬を避け、在来種や多様な蜜源植物を植えるのが重要」とも述べ、単純な“悪者決め”を戒めています。 UC Agriculture and Natural Resources



SNSの反応:ミルクウィード論争は「二極化」ではなく「条件闘争」

今回のPhys.org記事自体は掲載時点でコメントが0件ですが(少なくともページ上は“Load comments (0)”)、テーマそのものはSNSで以前から熱い話題です。 フィジ.org


反応1:慎重派「在来があるなら、わざわざリスクを取らない」

Redditのモナーク系コミュニティでは、トロピカル・ミルクウィードに対して「渡りのスイッチ(休眠・移動)を狂わせるかもしれない。結論が出ていなくても、在来があるなら安全側に倒すべき」という声が目立ちます。 Reddit


今回の研究は、まさにその慎重派に“追い風”です。なぜなら「毒が強い=防御になる」という期待が、高温下で崩れる可能性を示したから。 フィジ.org


反応2:現実派「白黒じゃない。管理すれば使える場面もある」

一方で同じスレッド内でも、「非在来=即NGではない」「管理(秋に切り戻す等)と教育が大事で、全面禁止より現実的」という意見が出ます。園芸店が情報なしで売る問題を指摘しつつ、“ケアガイドを配る”方向の提案も見られます。 Reddit


ここはUGAやMonarch Joint Ventureの説明とも接続します。つまり、植物が“薬”になる面はあっても、感染を“治す”わけではない。毒性が感染個体の症状(胞子量)を軽くして寿命を延ばせば、その分だけ拡散の時間も伸びる――という、個体と集団で利益がねじれる構図があるからです。 Monarch Joint Venture


反応3:強硬派「外来は抜く。まず農薬を避けろ」

別のReddit投稿では、より強い語調で「トロピカルは処分」「在来種を学び、信頼できるナーサリーから買う」「ネオニコ系など薬剤にも注意」といった“実務アドバイス型”の反応も見られます。 Reddit


今回の研究は、こうした強硬派の主張を“全面肯定”するものではありませんが、少なくとも「温暖化が進むほど、外来の毒草が都合よく効くとは限らない」という警告にはなっています。 フィジ.org



じゃあ私たちは何をすればいい?——「植物」より「運用」の話へ

この研究が突きつけるのは、救いがない話ではありません。むしろ、対策の焦点がクリアになります。


  • 地域に合う在来ミルクウィードを優先する(代替があるなら安全側へ) Monarch Joint Venture

  • トロピカルを植えるなら、一年中放置しない(“冬も繁殖”を助長しない) Monarch Joint Venture

  • 農薬・殺虫剤の使用を最小化し、多様な蜜源植物も組み合わせる(モナーク以外の生態系にも効く) UC Agriculture and Natural Resources

  • 「温暖化で寄生虫が減るはず」という雑な期待ではなく、温度変動を含む“現実条件”で病気がどう動くかを見据える UGA Today


要するに、「何を植えるか」だけでなく、「どう育て、どう季節を切り替えるか」までが保全の設計図になってきた、ということです。



まとめ:温暖化は“感染の追い風”になりうる。だからこそ、庭からできる介入がある

モナークにとって、温暖化は単に“暑くてつらい”だけではありません。病気のルールを変え、これまで防御として働いていた仕組み(毒性植物の薬効)を無効化する可能性がある。今回の研究は、その怖さをかなり具体的に示しました。 フィジ.org


そしてSNSの議論が示すのは、人々がすでに「善意が裏目に出る」ことを肌で感じているという現実です。だからこそ次の段階は、恐怖や炎上ではなく、地域性・管理・情報提供に落とし込むこと。


“植えること”が目的ではなく、“渡りと清潔な生息環境を支える運用”が目的――その視点が、温暖化時代のモナーク保全の新しい常識になりそうです。 Monarch Joint Venture


参考記事

温暖化する世界が蝶の寄生虫感染に対する防御力を弱めており、2002年以降、感染は3倍に増加しています。
出典: https://phys.org/news/2026-01-warmer-world-weakens-butterfly-defenses.html

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