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おむつ替えは「イヤ」と言える力を育てるチャンス ――赤ちゃん期から始める「同意」の教え方ガイド

おむつ替えは「イヤ」と言える力を育てるチャンス ――赤ちゃん期から始める「同意」の教え方ガイド

2025年11月16日 20:40

1. なぜ「おむつ替え」で同意を教えるのか

近年、「子どもに性教育や同意をいつからどう教えるか」が世界的なテーマになっています。日本でも小学生や中学生向けの性教育に注目が集まっていますが、海外の研究者たちは「思春期を待つ必要はない。むしろ、もっと早くから始めるべきだ」と強調しています。Phys.org


Phys.org に掲載されたこの記事では、赤ちゃんのおむつ替えや着替え、お風呂などの「日常的なお世話の時間」を通じて、次のようなことを教えられるとしています。Phys.org+1


  • 自分の体は大切で、勝手に触られない権利があること

  • どんなタッチが「ふつう」で、何かがおかしい時は「イヤ」と言っていいこと

  • 大人が子どもの気持ちやサインを尊重するのが当たり前であること


これらはすべて、思春期以降の恋愛や性に関する「同意」だけでなく、日常の人間関係や安全にも関わる大切な土台です。



2. 「同意」とは何か?赤ちゃんにどう関係する?

大人同士で使う「同意(コンセント)」は、「状況を理解したうえで、自分の意思で『OK』と言うこと」を指します。

では、まだ言葉を話せない赤ちゃんに同意は関係あるのでしょうか?


研究者たちは、「赤ちゃんも表情やしぐさを通じて、イヤ・うれしい・不安などをはっきり示している」と指摘します。Phys.org


  • ニコッと笑う、目をキラキラさせる → 心地よく、安心している

  • 体を反らせる、そっぽを向く、手で押し返す → 嫌がっている、怖い、不快

  • 固まる、黙り込む → 不安や警戒をしている可能性


親やケアする大人が、こうしたサインを「読む」こと、そしてそのサインをできる限り尊重することが、赤ちゃん版の「同意」を学ぶスタートになります。



3. 急がないおむつ替えが、なぜ大事?

3-1. 「とにかく早く終わらせたい」の落とし穴

忙しい朝や外出中など、「早く替えないと!」という場面はたくさんあります。でも記事では、おむつ替えをただの「処理」だけで終わらせてしまうと、次のような機会を失ってしまうと警鐘を鳴らしています。Phys.org


  • 子どもが、自分の体に何が起きているかを理解するチャンス

  • 「これから触られるんだ」と心の準備をする時間

  • 自分の気持ちを表現し、大人に聞いてもらう経験


もちろん、毎回ゆったり丁寧に…というのは現実的ではありません。記事でも、「遅刻しそうな朝や、車を停めて急いで処理しなきゃいけない“悲劇的なうんち爆発”の時もある」とユーモアを交えて触れています。大切なのは「いつも完璧」を目指すのではなく、「できる時にできるだけ実践する」くらいの感覚です。Phys.org



3-2. 子どものペースを尊重するおむつ替えの流れ

記事の内容を参考に、日本の子育てに合わせて、こんな流れをイメージしてみましょう。Phys.org+1

  1. まず状況を伝える

    • 「おむつ、ぬれちゃったね。そろそろ替えようか」

    • 「ちょっとだけ気持ち悪いね。キレイにしようね」

  2. 移動の仕方を選ばせる(できる年齢なら)

    • 「自分で歩いておむつ替えるところまで行ける?抱っこがいい?」

    • 「ここで替える?それともあっちのマットの上がいい?」

  3. 表情や体の動きを観察する

    • ニコニコしながら手を伸ばす → 乗り気

    • 眉を寄せる、体を固くする → 不安・イヤかも

    • 反り返る、体をねじる → 強い抵抗

  4. 子どもの反応に言葉を添える

    • 「ちょっとイヤな気持ちになった?寒いかな?」

    • 「早く終わらせようね。終わったら、ぎゅーしよう」


このように、単なる作業ではなく「会話」としておむつ替えを捉え直すことで、赤ちゃんは「自分は一人の人間として扱われている」と感じやすくなります。



4. 「気をそらさない」ことも、同意教育の一部

日本では、おむつ替えの時に

  • おもちゃやスマホ動画で気をそらす

  • 歌を歌ってごまかす

といった工夫をよく見かけます。もちろん、子どもが泣き続けてつらい時にこうした工夫が役立つ場面もありますが、記事の筆者たちは「毎回“ごまかす”のはおすすめしない」と言います。Phys.org


理由はシンプルです。


子どもには、「誰かが自分の一番プライベートな部分に触れている」ということを、ちゃんと認識してほしいから。Phys.org

・何をされているのか
・どのように触られているのか
・それが「ふつうのお世話」なのかどうか

を理解できるようにしておくことは、将来、もし「おかしな触られ方」をされた時に違和感をキャッチし、「いつもと違う」と感じる力につながります。


そのため、

  • おむつ替え中はできるだけ子どもの目を見て話す

  • 「今からおしりを拭くね」「次に新しいおむつをはかせるよ」と、工程を言葉にする

といった「実況中継スタイル」の関わりが推奨されています。Phys.org



5. 正しい体の名前で話すことの意味

記事では、おむつ替えやお風呂の時に「正しい体の名称」を使うことの重要性も強調されています。Phys.org+1

たとえば:

  • ○:ペニス、陰茎、ヴァルヴァ(外陰部)、肛門

  • ×:「おちんちん」「おまた」「ここ」「変なところ」だけで済ませる


親としてはつい照れてしまう部分ですが、専門家は次のような理由を挙げています。

  1. 子どもが自分の体を恥ずかしいものと感じにくくなる

    • 正式名称で淡々と話すことで、「特別に恥ずかしい」「汚い」イメージを減らせる。

  2. 何か問題が起きた時に、子どもが正確に伝えやすくなる

    • 「○○さんに、ここを触られた」と曖昧に言うより、「ペニスを触られた」と具体的に言えた方が、大人も状況を正しく理解しやすい。

  3. 医療機関や保育園・学校でも、共通の言葉として通じる


もちろん、「保育園でどう思われるか心配」「家族が驚かないかな」といった不安もあると思いますが、「自分の体を大切にする言葉」として、少しずつ家庭内から慣れてみる価値があります。



6. 小さな選択肢が「自分の体は自分で決める」感覚を育てる

記事では、おむつ替え以外の日常場面で「子どもに小さな選択肢を渡す」ことの大切さも紹介されています。Phys.org+1

例えば:

  • 「青いシャツと黄色いシャツ、どっち着る?」

  • 「りんごとバナナ、どっち食べたい?」

  • 「公園に行く?それとも家の周りをお散歩にする?」

このような問いかけは、

  • 自分で選んだ → 自分の選択が尊重された

  • イヤなら「イヤ」と言ってもいいんだ

という感覚を日々積み重ねます。


この「小さな自己決定の積み重ね」が、やがて

  • イヤなことをされた時に「NO」と言える

  • 圧力に流されず、自分の気持ちに気づく

という、セーフティスキルの土台になるとされています。



7. 「抱っこ」「ハグ」「キス」も同意の練習になる

前回の関連記事でも、専門家は「子どもが嫌がっているのに、無理にハグやキスをさせない」ことの重要性を指摘しています。Phys.org

例えば、

  • 「ほら、○○おじちゃんにチューして」

  • 「せっかく来てくれたんだから、抱っこしてもらいなさい」

といった声かけは、日本でもよく見られます。悪気はなくても、子どもからすれば

「イヤでも、大人が望めば自分の体は差し出さなきゃいけない」

というメッセージとして受け取られてしまう可能性があります。


代わりに、こんな関わり方が提案されています。

  • 「ハグする?それとも手をふるだけにする?」

  • 「バイバイのごあいさつ、タッチにする?手をふる?」

もし子どもが嫌がっている様子なら、

  • 「今日はハグしたくないって。手をふるだけにするね」

と親が子どもの気持ちを代弁しつつ、大人側にも伝えてあげるのが理想的です。



8. 「イヤ」のサインをどう扱う?安全とのバランス

現実には、

  • うんちでおむつがパンパンだけど、子どもは全力で拒否

  • 風邪でお風呂に入りたがらない

  • 歯みがきを毎回嫌がる

など、「子どものイヤをすべて通すわけにはいかない」場面も多くあります。

ここで重要なのは、

  1. 「イヤ」をなかったことにしない

    • 「イヤなんだね」「今はやりたくない気持ちなんだね」と、まず気持ちを言葉で受け止める。

  2. なぜ必要なのかを説明する

    • 「おしりがかぶれちゃうから、どうしても今日は替えようね」

    • 「バイ菌が残ると、おなかが痛くなるから、歯みがきはしようね」

  3. できる範囲で選択肢やペースを任せる

    • 「ここで替える?それともあっちの部屋がいい?」

    • 「ママが先に磨く?それとも○○ちゃんが先にゴシゴシする?」


記事でも、「安全のために大人が決めなきゃいけない場面はあるが、その中でも子どものサインをできるだけ取り入れよう」と述べられています。Phys.org



9. 日本の子育て文化とのギャップとチャンス

日本では長らく、

  • 「子どもは大人の言うことを聞くもの」

  • 「多少の我慢を覚えさせるのも大事」

という価値観が強く、

  • 子どもの「イヤ」をすぐに「わがまま」とラベリングしてしまう

  • スキンシップを「愛情表現だから」として、子どもの反応をあまり気にしない

といった場面も少なくありません。


しかし、少子化が進み、子どもの権利条約やジェンダー平等に関する議論も深まるなかで、

「言うことを聞かせる」子育てから、「一人の人間として尊重する」子育てへ

という流れは、日本でも徐々に広がりつつあります。


おむつ替えやお風呂、着替えといった「毎日必ずある時間」を、

  • 子どもの気持ちを聴く練習

  • 大人が説明責任を果たす練習

  • 「イヤ」と言っても関係が壊れない経験を積む場

として活用できれば、文化的な転換も少しずつ進んでいくかもしれません。



10. 今日から試せる「おむつ替えで同意を育てる」5ステップ

記事と関連研究の内容を踏まえて、日本のご家庭でも取り入れやすいポイントをまとめ直してみます。Phys.org+1


① まず「何をするか」を必ず言葉にする

  • 「今からおむつを替えるね」

  • 「おしりを拭くよ」

  • 「あったかいおしりふきでキレイにするね」

赤ちゃんでも、くり返し聞くことで「この言葉の時にこういうことが起きるんだ」と学んでいきます。


② 表情・しぐさをよく見る

  • 嫌がっているなら、「イヤなんだね」と言葉で受け止める

  • どうしてイヤなのか、寒い・眠い・場所がイヤなど、理由を探ってみる


③ できる範囲で選択肢を渡す

  • 「ここで替える?それともあっち?」

  • 「ママに抱っこされて行く?自分で歩く?」

選択肢は「どちらも大人がOKと思える範囲」で用意するのがポイントです。


④ 正しい体の名前を使う

  • 「ペニス」「ヴァルヴァ」「おしり」「肛門」など

  • 恥ずかしさを減らすために、親もなるべく淡々と、普通の声で言う


⑤ 手早さより「尊重される感覚」を優先してみる

毎回完璧でなくて大丈夫ですが、時間に余裕のあるときだけでも、

  • 目線を合わせる

  • 一つひとつ説明する

  • 終わったあと「がんばったね」「気持ちよくなったね」とフィードバック

を意識してみると、子どもの「自分の体は大切にされている」という感覚が少しずつ育っていきます。



11. よくある疑問 Q&A

Q1. 赤ちゃんに説明しても、どうせ分からないのでは?

A. 言葉の細かい意味は分からなくても、「トーン」「表情」「繰り返されるパターン」から、赤ちゃんはたくさんのことを感じ取っています。関連研究でも、乳児は一貫した言葉かけや routine(決まった手順)から、安心感や見通しを得ていることが示されています。Phys.org+1


Q2. 正式な名前を使うのは、まだ早すぎる気がします

A. 早い時期から正しい言葉を使うことで、大きくなってからも「その言葉を使うのが普通」という感覚になりやすいとされています。後から言い換えるより、最初から正しい言葉に慣れておく方が子どもにとっては自然です。


Q3. イヤと言われた時に、全部受け入れていたらわがままにならない?

A. 「イヤ」という気持ちを尊重することと、「必要なことを一緒に乗り越えること」は両立します。気持ちは受け止めたうえで、「それでもやらなきゃいけない理由」を丁寧に伝えることが大切です。これは、「自分の気持ちは無視される」でも「自分の気持ちがすべて通る」でもない、現実的なバランスを学ぶ機会にもなります。



12. まとめ――おむつ替えを「心と体の安全教育の時間」に

おむつ替えは、一日に何度も訪れる小さな時間です。


  • 急いで済ませる「ただの作業」として扱うのか

  • 子どもが自分の体を大切にする感覚を育てる「学びの場」として使うのか

この積み重ねは、数ヶ月・数年単位で見たときに、大きな差になります。

海外の専門家たちは、

  • 幼い頃から同意やボディセーフティを日常の会話の中に取り入れることで、虐待や性暴力のリスクを減らす可能性がある

  • 親子のコミュニケーションが豊かになり、子どもが安心して自分の気持ちを話せる土台になる

と指摘しています。Phys.org+1


日本でも、性教育や同意教育を「特別な授業」だけに任せるのではなく、

  • おむつ替え

  • お風呂

  • 着替え

  • 抱っこやハグ


といった日常の一つひとつの場面で、「あなたの体は、あなたのものだよ」というメッセージを伝えていくことが、これからの子育ての重要なキーワードになりそうです。



参考記事

おむつ替えはただ急いで済ませるべき作業ではありません。それを通じて同意について教えることができます。
出典: https://phys.org/news/2025-11-diaper-chore-consent.html

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