あなたのレビューが狙われる！海外発 “Brushing” が日本にも忍び寄る理由

1. 玄関先に届いた「謎の荷物」が映すリアリティショック

2025年5月、X（旧Twitter）ユーザーの @iam_moisture 氏が「注文してない商品が2つ届いた。しかも欲しかったやつ。なぜ…？」と投稿し6万超のインプレッションを記録した。直後、@Tomo_xxx 氏も「誰から送られたか分からんし怖い」と嘆き、ハッシュタグ #Amazonブラッシング がトレンド入りした。twitter.comtwitter.com

2. ドイツ・COMPUTER BILDが報じた最新実態

6月4日に公開された独メディア COMPUTER BILD の調査記事によれば、欧州ではスマホケースやノーブランド家電などの小物が大量に送り付けられるケースが週単位で増加している。匿名の中国系セラーが短期間で消えるため摘発は困難で、Amazon側は「偽評価対策チームが日次で機械学習フィルターを更新している」とコメントしたという。computerbild.de

3. ブラッシング詐欺のメカニズム

1. 偽アカウント作成 ─ 個人情報流出リストから実在住所を購入

2. ダミー注文 ─ セラーが自ら購入し“荷物”を発送

3. 到着＝レビュー権 ─ プラットフォームは「発送完了＝購入実績」とみなす

4. 高評価を投稿 ─ 「確認済み購入者」バッジ付きの星5が並ぶ

5. 検索順位上昇 ─ 売上と関連キーワードで優遇表示される

Keeper Securityの日本語解説では、被害者が感じるメリット（無料の品）とリスク（住所・購買傾向の流出）のギャップが大きい点を指摘する。keepersecurity.com

4. 日本の法制度と消費者庁ガイドライン

• 送り付け商法対策特定商取引法（2021改正） により、注文のない商品は受領日を含む14日経過後、処分可能。

• 消費者庁Q&Aでは「開封前なら受取拒否か着払い返送、開封後は写真を撮り証拠保全のうえ処分可」と案内。カラパイア記事も同内容を引用している。karapaia.comkarapaia.com

5. SNS上の三つのリアクション層

Yahoo!知恵袋には「100個以上の荷物が届き困惑」といった過去事例が複数報告され、回答者の多くは「放置せずカスタマーサービスへ」を勧めている。detail.chiebukuro.yahoo.co.jpblog.m-biotics.com

6. 企業側の対策と限界

Amazonは24年に「偽レビュー検知AI」を公開したが、セラーがレビュー投稿前にアカウントを破棄する“hit-and-run”型のため完全な遮断は困難。19年比で不正レビュー削除件数は3倍に増加したと報告されているが、EU域内だけで年3000万件のレビューが投稿されており、人手監視は現実的でない。

7. 被害を最小化する5つのステップ

1. 受取拒否または写真付き保管

2. Amazonブラッシング報告フォーム送信（注文履歴→“問題を報告”）

3. クレカ明細とアカウントログ確認

4. SNSで同様事例を検索し情報共有

5. 14日経過後に処分または消費者庁へ相談

Amazon公式ヘルプページもフィッシング報告窓口を案内している。amazon.co.jp

8. 今後の展望──評価エコシステムの信頼回復へ

ブラッシング詐欺の根絶には

• プラットフォーム側：KYC強化＋レビュー投稿のマルチファクタ認証

• 消費者側：無料品への過度な小喜びを改める“データリテラシー”

• 政策側：国境越えデータ提供要請の迅速化（e-Commerce協定）
  が必要と専門家は指摘する。

付録：主要SNSの反応（抜粋と意訳）

「無料でもらえたけど、星5レビューが勝手に!? こわ…」 — @iam_moisture（5/12）
「ほしい物リスト経由？住所ばれヤバい」 — @Tomo_xxx（5/24）
「ブラッシング詐欺って言うらしい。Amazonに通報完了」 — 匿名掲示板 有識者