メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

米国の鉄鋼・アルミ関税発効、日本の産業に与える影響は?

米国の鉄鋼・アルミ関税発効、日本の産業に与える影響は?

2025年06月04日 14:48


1. ついに発動された“50%関税”



ワシントン時間6月4日午前0時、米海岸諸港に停泊する貨物船のクレーンが動き始めた瞬間、新税率が適用された。2018年の「232条」関税で25%を課して以来、3度目の上げ幅となり、今回は一気に倍増の50%。ホワイトハウスは「国家安全保障の観点から不可欠」と強調するが、国際社会は驚きを隠さない。



2. 例外は“同盟国”イギリスのみ



今回唯一の例外は英国で、7月9日まで25%に据え置かれる。その理由は4月に仮署名された米英先行枠組み協定で、英国側が米国製航空機に対する環境付加税を見直す代わりに“猶予”を獲得したためだ。欧州委員会は「差別的待遇にあたる」と抗議、他のEU加盟国も強い不満を表明している。



3. 強烈な打撃を受けるカナダとメキシコ



米国の鉄鋼輸入の上位3か国はカナダ(約655万トン)、ブラジル、メキシコで、3国合計で全輸入量の約45%を占める。カナダ政府は「ウィンザーの自動車製造から鉱山町まで波及する」とし、交渉団を緊急派遣。メキシコ経済省は“非論理的で不公正”とし、NAFTA後継のUSMCA規定を盾に仲裁手続きを検討している。



4. EUの即時反応と“2段階報復”シナリオ



ブリュッセルでは発動当日朝に臨時理事会が開かれ、通商担当のシェフチョビッチ副委員長が「最大210億ユーロ相当の報復関税を用意している」と発言。第1段階は米ウイスキー・ピーナッツバターなど消費財、第2段階で航空機・IT機器に拡大する案が浮上した。



5. ドイツ新首相メルツの訪米と交渉の行方



就任直後で初訪米となるメルツ首相(CDU)は6月5日にホワイトハウスを訪れる予定だが、会談議題の半分以上が鉄鋼問題になる見通しだ。EUが交渉主体とはいえ、ドイツは米国向け輸出の約14%が鉄鋼・自動車部品で占められ、国内企業の圧力は強い。



6. 日本企業への直接インパクト



日本は数量ベースで米輸入鉄鋼の約4%を占め、ランキングでは10位前後だが、高付加価値の自動車用高張力鋼板など“戦略品”が多い。日本製鉄、JFE、神戸製鋼の3社は米国南部に熱延工場を抱え「関税は原料コイル輸入分に直撃する」とコメント。部材コストは最大15%上昇し、まず自動車OEMがコスト転嫁を迫られる。



7. 自動車・家電・建設への波及



鉄鋼価格が1トン当たり100ドル上がれば中型セダン1台の製造コストは約180ドル増える。アルミ価格はすでにLME先物で年初来28%上昇しており、飲料缶・家電・太陽光架台にも跳ね返る。特に北米で組立を行う日本の電機メーカーは「為替メリットを相殺しかねない」と警戒する。



8. 市場の即時反応



関税発効直後、NYダウは前日比▲1.2%まで下げたが、鉄鋼大手USスチールは+3.8%と逆行高。対照的に自動車株は軒並み下落し、トヨタADRは▲2.1%。シカゴ商品取引所の熱延コイル先物は1営業日で7.5%急騰した。



9. SNSで拡散する日本語ハッシュタグ #鉄鋼関税



X(旧Twitter)では発動1時間で「#鉄鋼関税」がトレンド入り。「部材コストがまた上がる。家電まで値上げ確定か?」(@nikkei)、「ドル高+関税で米国向けビジネスは地獄」(@Crypto_AI_chan_)など悲観的な投稿が並ぶ一方、「やっと中国製安物から米国労働者を守れる!」という支持派も存在した。



10. トランプ陣営が描く“産業ルネサンス”



ホワイトハウス報道官は会見で「関税収入は国内インフラ基金に充て、電炉新設や雇用訓練を支援する」と説明。実際、トランプ氏は4月に発表した米スチール買収案を“国家産業政策の中核”と位置づけ、関税を梃子に国内投資を誘発する戦略だ。



11. WTOルールと“国家安全保障”例外



米国は今回もGATT第21条(安全保障例外)を根拠にするが、2019年の訴訟で同条適用が大幅に限定解釈された経緯がある。EUは「安全保障と無関係」と批判し、WTOパネル提訴を検討中。もし敗訴しても米国は“対抗措置を一切認めない”立場を崩しておらず、多国間体制の空洞化が懸念される。



12. 中国を巡る影の主戦場



実は中国は米国向け鉄鋼輸出をすでに大幅減らしているが、世界生産の半分以上を占める過剰供給の震源地であることは変わらない。米国は対中関税を段階的に緩和する一方、同盟国からの輸入を抑制することで「中国資本を含む間接流入」を封じたい思惑も透ける。



13. 日本政府の対応と経済安全保障



外務省と経済産業省は4日夕に局長級協議を行い「WTO整合的対応を含め連携強化」を確認。岸田政権は対米関係を重視し「性急な報復より対話」を掲げるが、経済安全保障推進法では“重要物資確保”として国内電炉増設の補助率引き上げを検討している。



14. 鉄鋼市況の中期展望



業界シンクタンクのワールドスチールは、今回の関税で2025年下期の米国鋼材需要が▲3.2%減少し、価格は平均+12%上昇すると予測。需要減と価格高の併存は“二極化”を招き、薄板は強含み、建材用形鋼は軟化するシナリオを示した。



15. 新関税が日本のGX(グリーントランスフォーメーション)に与える示唆



高炉から電炉への転換を急ぐ日本勢にとって、米国市場の電炉投資はCO₂削減技術の実証場でもある。だが関税により投資回収が長期化すれば、国内に装置産業を呼び戻す逆流が起きる可能性がある。



16. 市民の視点—“缶ビールが高くなる日”



米国のクラフトビール協会は声明で「関税分は最終製品価格にほぼ転嫁せざるを得ない」とし、12缶パックで0.65ドルの値上げ要因と試算。SNSでは「サマーBBQが高くつく」とのリアルな悲鳴が上がる。



17. 今後のシナリオ:対話か報復か



トランプ氏は「今回こそがディールだ」と言い切り、再交渉の余地を小さく見せるが、大統領選挙が近づくにつれ農産物輸出を抱える州から緩和の圧力が高まる可能性がある。EUは7月のG7サミットを“最後の糸口”と位置づけ、日本は「三極協調」で中国・ロシア包囲網を維持しつつ自由貿易体制をどう守るか、難しい舵取りを迫られる。





SNS反応ピックアップ(抜粋・和訳)


時間(日本時間)

アカウント

投稿抜粋

いいね/リポスト

備考

4日13:08

@nikkei

「鉄鋼・アルミ関税50%発動で米国内生産促進」

430/187

日経電子版速報

4日12:54

@Crypto_AI_chan_

「ドル円160円でも関税でコスト爆増」

210/98

投資系インフルエンサー

4日14:20

@akasaka_moon

「アルミはランカーでは…思わず絶句」

12/3

若者向けニュースアカウント

4日11:30

#鉄鋼関税 タグ

「正気の沙汰じゃない」ほか

—

トレンド入り





おわりに



50%という数字は単なる税率を超え、“世界の通商秩序の体力”を試すリトマス試験紙だ。日本企業にとっては直接打撃だけでなく、グリーン素材・高機能鋼の投資計画を再計算せざるを得ない局面が訪れた。次に動くのは各国政府か、それとも市場か――2025年夏は通商史に残る熱い季節になりそうだ。


本稿は公開情報をもとに筆者が再構成・加筆したものです。数字は特記なき限り2024年実績、為替レートは1ドル=158円で試算しています。





参考記事

「米国の新しい鉄鋼とアルミニウムの輸入関税が発効」
出典: https://business-panorama.de/news.php?newsid=6660965

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.