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『戦争終結はロシアの決断にかかっている』 ─ 米ウクライナが突きつけた現実

『戦争終結はロシアの決断にかかっている』 ─ 米ウクライナが突きつけた現実

2025年12月07日 09:21

「戦争の終わりはロシア次第」──マイアミから発せられた冷厳なメッセージ

ウクライナ戦争が始まってから、まもなく4年。ドローンとミサイルが夜空を行き交い、前線では消耗戦が続くなか、フロリダ・マイアミで開かれている米国とウクライナの協議が、にわかに世界の注目を集めている。両政府はここで、「戦争終結の鍵はロシアの意思にある」とあらためて明言したからだ。stern.de


ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国の特使スティーブ・ウィトコフらとの電話協議を「建設的」と評価し、「真の平和をつくるため、米側と誠実に協力し続ける決意だ」と強調した。stern.de


しかし、その一方でロシア軍はウクライナ全土に数百機のドローンと数十発のミサイルを撃ち込み、エネルギーインフラを狙った攻撃を続けている。stern.de


「和平交渉」と「空襲警報」が同時進行する――それが、今のウクライナを取り巻く現実だ。



フロリダ・マイアミで続く「和平協議」

現在マイアミで行われているのは、米国が提示した和平案をめぐる米ウクライナの協議だ。交渉の中心にいるのは、トランプ政権の特使スティーブ・ウィトコフと、ウクライナ側の交渉責任者ルステム・ウメロフ、そしてウクライナ軍総司令官アンドリー・フナトウらである。stern.de


両者はすでに少なくとも二度協議を重ねており、米国務省の発表によれば、次のような点で一致をみている。stern.de

  • 「本当の進展はロシアしだい」
    真の合意に向けた進展は、ロシアが長期的な平和への「真剣なコミットメント」を示すかどうかに左右される。

  • エスカレーション停止と殺戮の終焉
    ロシアが平和への意思を示すには、戦闘のエスカレーションを抑え、民間人の殺戮をやめる具体的な措置が不可欠である。

  • 安全保障と抑止の枠組み
    将来の合意が成立した場合に、ウクライナの安全を守るための「安全保障上の枠組み」と「抑止能力」の大枠に合意した。


つまりマイアミのテーブルでは、停戦ラインをどこに引くかよりも、「戦争を再開させないための構造」をどうつくるかが、まず議論されていることになる。



「ロシア次第」は事実か、外交的メッセージか

「戦争の終わりはロシアの意思にかかっている」というフレーズは、一見すれば当たり前のようにも聞こえる。しかし外交メッセージとしてみると、いくつかの意味が読み取れる。

  1. モスクワへの圧力
    米国とウクライナが「ボールはクレムリン側にある」と公言することで、「これ以上戦争を続けるのはロシアの選択だ」という圧力を国際世論の前で可視化しているとも言える。ガーディアン

  2. ウクライナへのシグナル
    同時にこれは、ウクライナに対して「米国は一方的な譲歩を迫るつもりはない」と伝えるメッセージでもある。和平の条件を呑むかどうかを決める最終責任は、侵略を始めた側にある――そう位置づけ直すことで、ウクライナ国内の不信感を和らげる狙いも見える。

  3. 世界への説明責任
    長期化する戦争と莫大な支援コストに対し、米国内外では「いつ終わるのか」という問いが強まっている。そこで米ウクライナは、「終われないのではなく、ロシアが終わらせようとしていないのだ」という説明を共有しようとしている。Reuters

とはいえ、ロシア側がこのメッセージに素直に応じる可能性は高くない。実際、プーチン大統領は米側の和平案の一部を「前向き」としながらも、依然としてドンバス全域の支配や、ウクライナ軍の撤退といった厳しい条件を突きつけていると報じられている。Reuters



物議を醸した「米国の和平案」と、その修正

今回のマイアミ協議の背後には、すでに一度頓挫しかけた和平構想がある。


米国とロシアの交渉担当者がまとめた「28項目の和平案」は、当初、ウクライナ国内で激しい反発を招いた。報道によれば、そこには以下のような案が含まれていたとされる。stern.de


  • ウクライナがNATO加盟を断念する

  • ウクライナ軍の規模を大幅に縮小する

  • ドンバス地域全体をロシアに譲渡する(ロシアが実効支配していない地域も含む)

  • 戦争犯罪の疑いがある人物も含めた「広範な恩赦」

ウクライナにとっては、主権と安全保障の根幹を揺るがす内容であり、「赤線をいくつも踏み越えている」と受け止められた。ビルド


その結果、米国とウクライナは新たに「19項目の計画」に合意し、もっとも explosiv な争点――領土問題やNATOとの関係、ロシアとの今後の付き合い方――は、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が直接判断する事項として棚上げしたという。ビルド


ウクライナの副外相セルギー・キスリツィアは、「元の案から残ったものはごくわずかだ」と語り、軍の規模制限の撤回や恩赦条項の修正など、ウクライナ側の主張が大きく反映されたことを強調した。ビルド



ロシアの「前向き」な姿勢と、変わらない強硬条件

一方のロシアは、こうした動きにどう反応しているのか。


ロイター通信によれば、プーチン大統領は最近、ウィトコフとクシュナー(トランプ大統領の娘婿)と約5時間にわたって会談し、米国案の一部を受け入れる姿勢を示したとされる。Reuters


しかし同時に、

  • ドンバス地域の「完全な支配」

  • ウクライナ軍の撤退

といった従来の要求は一切引き下げていないとも伝えられる。Reuters


クレムリン側の補佐官は、「主要な交渉では前進が見られる」と楽観的なコメントを出しつつも、最終的には米国からの返答次第だと牽制した。Reuters


こうした姿勢は、「外交的な柔軟さ」と「軍事的な強硬さ」が同時進行していることを示している。つまりロシアは、**「外交で得られないものは軍事力で得る」**という基本方針をいまだに変えていない、ということでもある。Reuters



戦場では続くドローン戦とインフラ攻撃

交渉のテーブルでは前進があるように見えても、戦場の現実はまったく違う風景を映し出している。


最近の夜間攻撃では、ロシア軍がウクライナに向けて653機のドローンと51発のミサイルを放ち、南部オデーサなどで数万人規模の停電・断水が発生したと報じられた。stern.de


  • オデーサ地域では、約9500人が暖房を失い、3万4千人が水道の供給を絶たれた

  • 他にもチェルニヒウ、ザポリッジャ、リヴィウ、ドニプロペトロウシクなど各地でエネルギー施設が攻撃対象となった

一方、ウクライナ側もロシア本土に対するドローン攻撃を続けており、港湾施設や石油精製施設が被害を受けたとの報告もある。ガーディアン


ウクライナ戦争は、すでに「ドローン戦争」と呼ばれるほど無人機の使用が常態化している。これは戦場のリスクを変化させると同時に、前線と後方、市民生活の境界線を曖昧にし続けている。ウィキペディア



SNSに広がる三つのまなざし

今回の「ロシア次第」発言とマイアミ協議は、SNS上でもさまざまな反応を呼び起こしている。ここでは大きく三つの視点に分けて整理してみたい(具体的な投稿は多岐にわたるため、典型的な論点を要約して紹介する)。


1. ウクライナからの声:「また頭越しに決めないで」

ウクライナ国内やディアスポラのアカウントからは、次のような懸念が繰り返し表明されている。

  • 「ウクライナ抜きで、ウクライナの未来を決めないでほしい」

  • 「交渉の写真には、米国とロシア、そしてトランプの側近だけが映っているように見える」

実際、プーチンとウィトコフ、クシュナーがモスクワで会談し、欧州勢が同席していなかったことに対し、ドイツ・メディアは「ウクライナを巡る交渉のテーブルに欧州はほとんど座れていない」と辛辣に評している。stern.de


ウクライナの人々にとっては、

「領土も安全保障も、自分たちの頭上で決められるのではないか」

という恐怖が消えない。マイアミ協議でウクライナ側の要求が多く反映されたとはいえ、最終的な妥結には米露首脳の判断が不可欠である以上、「大国同士のディール」に対する不信は根強い。


2. ロシア寄りアカウントの主張:「西側が折れた証拠だ」

ロシア寄り、あるいは反米色の強いアカウントからは、別の解釈も出ている。

  • 「米国案からウクライナのNATO加盟や領土問題がいったん外されたのは、西側が譲歩した証拠だ」ビルド

  • 「結局、戦争を終わらせるためにはウクライナが条件を飲むしかない」

こうした論調は、ロシア国内の公式メッセージとも共鳴している。クレムリンは、和平交渉に「前向き」だとアピールしつつも、自らの領土要求や安全保障上の譲歩をほとんど緩めていない。Reuters


「我々は平和を望むが、目的は軍事的手段でも達成できる」という二重のメッセージは、SNS上でもプロパガンダとして繰り返し拡散されている。


3. 欧米・第三国からの視線:「欧州はどこにいる?」

第三の視点は、欧州やその他の地域からの「置き去り感」だ。

  • 「なぜ欧州は、戦争当事国の隣にいながら、主要な交渉テーブルにいないのか」

  • 「トランプとプーチン、そしてウィトコフやクシュナーが握手している写真ばかりが出てくる」stern.de


欧州側もまったく蚊帳の外というわけではない。EUは凍結されたロシア資産をウクライナ支援に活用する案を進めており、またドイツ、フランス、イギリスの首脳がロンドンでウクライナの今後を協議する予定も報じられている。ガーディアン


それでもなお、「決定的なディール」はワシントンとモスクワ、そしてキエフの三角関係の中でまとめられてしまうのではないか――。こうした懸念は、欧州のメディアだけでなく、第三国の専門家や一般ユーザーの投稿からも読み取れる。



戦争終結の「リアル」なハードル

マイアミ協議やロンドン会合を通じて、和平への道筋が見えつつあるように見えるかもしれない。しかし、実際にはいくつもの高いハードルが残っている。

  1. 領土問題の棚上げ
    もっともセンシティブな領土問題が「後回し」にされている以上、19項目の新プランがそのまま最終合意になる可能性は低い。むしろ、これは「合意前の合意」に過ぎない。ビルド

  2. ロシアの意図の不透明さ
    ロシアが一部を受け入れたとされる一方で、軍事行動はむしろ激化している。これは、交渉を時間稼ぎに使いながら、戦場での優位を築こうとしているとも解釈できる。Reuters

  3. ウクライナ国内世論と民主的正統性
    領土問題や軍の規模、戦争犯罪の扱いなどは、ウクライナ国内の国民投票や議会手続きが不可避と見られている。政権がどこまで譲歩できるかは、国内世論との厳しいバランスの上に成り立つ。ビルド

  4. 米国の政治日程
    米国側では、トランプ政権がどれだけ長く現在の外交ラインを維持できるかが不透明だ。国内政治の変化は、和平プロセスを一気に加速させることも、逆に頓挫させることもあり得る。Reuters


「ロシア次第」という言葉の裏側にあるもの

こうして見ていくと、「戦争の終わりはロシア次第」という言葉は、単なる責任転嫁でも、希望的観測でもない。

  • それは、侵略を始めた側が、終わらせる鍵も握っているという冷厳な現実の確認であり、

  • 同時に、米ウクライナが主張できるギリギリの政治的メッセージでもある。

SNS上のざわめきは、その言葉の重さを反映している。ウクライナからの不信、ロシア寄りの勝利宣言、欧州の焦燥感——それぞれの立場から見える「平和」は、必ずしも同じ形をしていない。


それでも、マイアミとモスクワ、そしてロンドンで続く交渉が、「次の悲劇を止めるための第一歩」になり得るのかどうか。世界は今、その行方を固唾をのんで見守っている。



参考記事

ウクライナ戦争:戦争の終結はロシアにかかっていると米国が発表
出典: https://www.handelsblatt.com/politik/international/ukraine-krieg-ende-des-krieges-haengt-laut-usa-von-russland-ab/100181499.html

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