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TikTokが「AI動画の表示量」を選べる時代に──新AIGCスライダーと“見えない透かし”の狙いを徹底解説

TikTokが「AI動画の表示量」を選べる時代に──新AIGCスライダーと“見えない透かし”の狙いを徹底解説

2025年11月19日 20:10

1. TikTokとAI動画の「洪水時代」

TikTokは、もともと人間がスマホで撮った動画をシェアする「ユーザー生成コンテンツ(UGC)の楽園」として成長してきました。

しかし、2024〜2025年にかけて、生成AIの急速な進化とともに、AIだけで作られた動画=AIGCが一気に増えました。


MetaはAI専用フィード「Vibes」を投入し、OpenAIもAI動画SNS「Sora」を公開するなど、「AI動画だけ」を前面に押し出すサービスも現れています。TechCrunch+1

その波は当然TikTokにも押し寄せ、歴史解説、セレブゴシップ、旅行、投資解説など、あらゆるジャンルでAIが生成した映像やナレーションが使われるようになりました。

一方で、世界的には「AI slop(スロップ)」と呼ばれる、質の低いAIコンテンツが大量生産される現象も問題視されています。


情報の正確さより再生数や量産性が優先され、意味の薄い動画がタイムラインを埋め尽くすケースも増えました。ウィキペディア

また、AIによるフェイク動画・ディープフェイクのリスクも拡大し、政治家や有名人の偽動画が出回るたびに、「ユーザーは何を信じればいいのか?」という不安が高まっています。

こうした背景の中で、TikTokが打ち出したのが「AI生成コンテンツの表示量をユーザーが選べる」新機能です。



2. 新機能「AI生成コンテンツコントロール」とは?

今回のアップデートの主役は、アプリ内の「Manage Topics(トピック管理)」に追加される新しいスライダー、「AI-generated content(AI生成コンテンツ)」です。TechCrunch+1

このスライダーを動かすことで、For Youフィードに表示されるAI動画の割合を、自分の好みに合わせて増減できます。


AI動画が好きでどんどん見たい人は「もっと見たい」方向に、逆にAIっぽい動画は疲れるから減らしたい人は「少なめ」に調整するイメージです。

ただし、この機能は「完全なブロック」ではなく、あくまでアルゴリズム上の優先順位を変える調整ツールです。TechCrunch+2TikTok Newsroom+2


TikTokは「ダンス」「スポーツ」「フード&ドリンク」など10以上のカテゴリについて、以前からこのトピック管理機能で「もっと見る/あまり見ない」を調整できるようにしていましたが、今回はそこに「AI生成コンテンツ」という横断的な軸が加わる形になります。TechCrunch+1



3. どこから設定できる? 実際の操作手順

日本のユーザーがこの新機能を使う場合、おおまかな手順は次の通りです(表記は日本語版UIに当てはめたイメージです)。

  1. TikTokアプリ右下の「プロフィール」タブを開く

  2. 右上の「≡」アイコンから[設定とプライバシー]に入る

  3. [コンテンツ設定(Content Preferences)]をタップ

  4. [トピック管理(Manage Topics)]を選択

  5. 「AI生成コンテンツ」のスライダーを動かして、表示量を「多め」「ふつう」「少なめ」といったニュアンスで調整


実際のロールアウトは「今後数週間をかけて順次」とされているため、すぐに全ユーザーのアプリに反映されるわけではありません。TechCrunch+2Dataconomy+2

アップデートが届き次第、「トピック管理」の中にAI関連の項目が増えていないかをチェックしてみるとよいでしょう。


また、従来の「興味なし」ボタンを活用して、「この手のAI動画はいらない」というシグナルを送り続けることで、アルゴリズムをもっと自分好みに寄せることもできます。The Sun



4. なぜTikTokは「AI動画の表示量」を任せるのか?

ここ数年、レコメンドアルゴリズムの研究では、「ユーザーが一度ハマったジャンルが過度に増幅され、多様性が失われる」という懸念が繰り返し指摘されてきました。arXiv+1


TikTokのFor Youページは、ユーザーの視聴時間やいいね、シェアなど、細かな行動ログを元にパーソナライズを進める仕組みです。

その結果「ちょっと見ただけのコンテンツが延々と流れてくる」「アルゴリズムに人生を支配されている気がする」といった声も上がっていました。

特にAI動画は、生成スピードが速く、量産も簡単なため、放っておくとタイムラインがAIコンテンツに偏りやすいという構造的な問題があります。


TikTokが今回、「ユーザー自身がAI動画の割合を調整できる機能」を導入したのは、

  • アルゴリズムだけに任せない「共同コントロール」

  • 「AIが多すぎて疲れる」というユーザーの違和感の解消

  • 規制当局や社会からの「透明性」「説明責任」へのプレッシャーへの対応

といった複数の狙いが重なっていると考えられます。TechCrunch+2TikTok Newsroom+2



5. 「完全ブロックではない」ことの意味

気になるのは、「AI動画を完全にゼロにできないのか?」という点です。

TikTok自身は、「この設定はフィードの多様性を保つためのものであり、特定のコンテンツを完全に排除する機能ではない」と説明しています。TikTok Newsroom+1


背景には、以下のような事情があります。

  • 法規制や広告主向けには「AIコンテンツを管理している」と示したい

  • しかし、AI動画もユーザーが楽しむコンテンツの一部であり、ゼロにすると「創造性を阻害している」と批判されうる

  • レコメンドシステムとしては、ある程度の多様性(異なるジャンルとの“出会い”)を維持したい

つまりTikTokは、「AIコンテンツの暴走を抑えつつ、AIだからこそ生まれる楽しさは残す」というバランスを取ろうとしているわけです。


ユーザーから見れば、「AI動画が嫌いなら一切見なくてOK!」という単純な話ではないものの、「AIの割合をかなり弱めることはできる」方向への前進と捉えるのが妥当でしょう。



6. ラベリング強化:C2PAと“見えない透かし”の二段構え

今回の発表で、もうひとつ重要なのが「ラベリング技術の強化」、特に「インビジブル・ウォーターマーク(見えない透かし)」の導入です。TechCrunch+1


TikTokはすでに、C2PAという業界標準の「Content Credentials」を用いて、AIで作られたコンテンツにメタデータレベルのラベルを埋め込んでいます。

これにより、TikTokだけでなく他社プラットフォームでも、「この画像・動画はAI生成だ」と判別できる仕組みが整いつつあります。TikTok Newsroom+1


しかし、メタデータは他サービスへの転載や再編集の過程で、比較的簡単に失われてしまうという弱点があります。

そこでTikTokは、新たに「TikTokだけが読み取れる見えないウォーターマーク」を動画に埋め込むテストを始めると発表しました。TechCrunch+2Межа. Новини України.+2


この“見えない透かし”は、

  • TikTokのAIツール(例:AI Editor Pro)で作られたコンテンツ

  • C2PAのContent Credentials付きでアップロードされたコンテンツ

を対象に埋め込まれ、TikTok側が内部的にAIコンテンツかどうかを判定する材料になります。TikTok Newsroom+1


ユーザーの目には直接見えませんが、

  • AIコンテンツの見逃しを減らす

  • 悪意ある加工・転載後もAI由来であることを検出しやすくする

  • 将来的な規制や証拠保全に対応しやすくする

といったメリットが期待されています。



7. 1.3億本以上のAI動画ラベルと、日本ユーザーへの影響

TikTokは、C2PAや自社の検出モデルを通じて、これまでに13億本以上の動画に「AI生成」のラベルを付けてきたと説明しています。TikTok Newsroom+1

毎日アップロードされるコンテンツが1億本超と言われる中で、AI動画はまだ全体の一部に過ぎないものの、それでも絶対数としては膨大です。ザ・ガーディアン


日本のユーザーにとって、この数字が意味するのは、

  • すでに相当量のAI動画を、知らないうちに視聴している可能性が高い

  • 今後もAIツールの普及に伴い、その割合は増え続けるとみられる

  • ラベル表示や表示量コントロールの有無が、「タイムラインの質」を大きく左右する

という現実です。

日本語圏では、声真似・歌ってみた・解説系動画などでAIボイスやAI画像を活用するケースが増えています。


これらは必ずしも悪ではなく、むしろクリエイティブに貢献している面も多くありますが、「AIであることをきちんと開示する」「見たくない人が避けられる」仕組みが整っていなければ、ユーザーの信頼は簡単に損なわれてしまいます。

今回のアップデートは、その信頼をギリギリのところで維持するための“安全装置”と見ることもできるでしょう。



8. クリエイター目線:AI活用は「正直さ」と「バランス」が重要に

では、日本のクリエイターや企業アカウントにとって、この変更は何を意味するのでしょうか。

まず、AIツールを利用している場合、TikTokのAIラベル方針や利用規約に沿って「AIであることを明示する」ことの重要性が高まります。TikTok Newsroom+1


AIを使っているのに表示を隠そうとすると、

  • 不正確なラベリングでユーザーの信頼を失う

  • コミュニティガイドライン違反と見なされるリスクが増える

  • アルゴリズム上で不利になる可能性がある

といったデメリットが生じかねません。


逆に、正直にAI使用を開示し、かつ「AIならではの価値」(わかりやすい図解、美しいビジュアル、実写では難しいシミュレーションなど)を提供できれば、

  • “AI嫌い”なユーザーには新スライダーで避けてもらい

  • “AI大歓迎”なユーザーには積極的に届けてもらう

という自然な棲み分けが進むはずです。

結果的に、本当にAIコンテンツを楽しみたい層にリーチしやすくなり、ミスマッチによる炎上リスクも減らせます。



9. 一般ユーザー向け:「AI動画との付き合い方」実践ヒント

日本の一般ユーザーが、この新機能をどう活かせるか、実践的なポイントをまとめます。

  1. まずは自分の感覚を観察する

    • 「最近、タイムラインがAI動画だらけで疲れる」と感じるか

    • それとも「AIで作られた歴史解説や旅行動画が好きで、もっと見たい」と思うか

  2. AI動画がしんどいなら、スライダーを“少なめ”に

    • [トピック管理]でAI生成コンテンツを減らす方向へ調整

    • 明らかに不要なAI動画には「興味なし」を押してアルゴリズムに学習させる

  3. AI動画を楽しみたいなら、“多め”+保存やいいねで明確なシグナルを

    • 好きなAI動画には積極的にいいね・保存

    • 「AIコンテンツ歓迎」のシグナルを送り、アルゴリズムに教える

  4. 政治・健康・金融など“重大トピック”は慎重に

    • AI動画の中には、誤情報や誇張された内容が紛れ込むリスクもある

    • 情報の真偽を確認する際は、ニュースサイトや公的機関の情報と照らし合わせる

  5. 子どもやティーンの利用には保護者の目線も

    • ファミリーアカウントやペアレンタルコントロールと組み合わせて、AIコンテンツの表示量やジャンルを調整する



10. 他のSNSとの比較:TikTokの特徴は「量の選択肢」

AIコンテンツに関する取り組みは、TikTokだけのものではありません。

  • Instagram / Facebook(Meta)

    • AI画像・テキストに「AIによる生成」ラベルを付与

    • VibesのようなAI動画専用フィードで“AI推し”の世界を展開

  • YouTube

    • クリエイターに対し、AI利用の自己申告ラベルを導入

    • 一定のポリシー違反があれば削除や収益化停止も


これらと比較したとき、TikTokの今回の特徴は「ユーザーがAIコンテンツの“量”を調整できる」点にあります。TechCrunch+2TikTok Newsroom+2

他社が「AIをどう開示するか?」に主眼を置いているのに対し、TikTokは「ユーザーがどれだけAIと付き合いたいか?」を選ばせようとしている、と言えるでしょう。

この違いは、今後プラットフォーム間の競争にも影響しそうです。



11. AIリテラシー基金と教育コンテンツの重要性

TikTokは、今回のアップデートと合わせて、約200万ドル(約3億円)のAIリテラシー基金を立ち上げ、Girls Who Codeなどの団体と連携して、AIの安全な使い方を学べる教育コンテンツづくりを支援すると発表しています。TechCrunch+2TikTok Newsroom+2


これは、単に「AI動画を減らす・増やす」という操作だけでなく、

  • そもそもAIとは何か

  • どんなリスクとメリットがあるのか

  • どの情報を信用すべきか

といった“土台となる知識”をユーザー側に育てることが不可欠だ、という認識の表れです。


日本でも、メディアリテラシーやAIリテラシー教育の必要性が議論されていますが、実際の教材やコンテンツはまだ不足している状況です。

TikTokのような巨大プラットフォームが、エンタメだけでなく教育的なコンテンツにも投資していくことは、日本のユーザーにとってもプラスに働く可能性があります。



12. まとめ:AIコンテンツ時代の「心地よいタイムライン」を作るために

今回のTikTokのアップデートは、AIコンテンツの“洪水”と、それに対するユーザーのモヤモヤに対して出された、ひとつの答えと言えます。


  • For YouフィードのAI動画の量を、自分で調整できるAIGCスライダー

  • 見えない透かし+C2PAによる、より強力なAIコンテンツラベリング

  • AIリテラシー基金による、教育・啓発コンテンツへの投資

これらはすべて、「AI抜きでは語れない時代に、どうやってユーザーの信頼と心地よさを守るか」という問いへの実験的なアプローチです。The Sun+3TechCrunch+3TikTok Newsroom+3


日本のユーザーとしては、

  • 「AIコンテンツをどれくらい受け入れたいか」を自分で考え

  • アプリの設定や「興味なし」ボタンを積極的に使い

  • 情報の真偽は複数の情報源で確かめる

という基本を押さえることで、AI時代のTikTokとより健全に付き合えるようになります。


AI動画をまったく見たくない人も、AI動画が大好きな人も、「自分で決められる」という選択肢が増えたこと自体が、今回のアップデートの最も大きな意味だと言えるでしょう。



参考記事

TikTokは、AI生成コンテンツの表示量を選べるようになりました。
出典: https://techcrunch.com/2025/11/18/tiktok-now-lets-you-choose-how-much-ai-generated-content-you-want-to-see/

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