検知器が鳴ったら密輸アウト – ラジオアクティブ・ライノの衝撃:サイの角に放射性物質注入で密猟を防ぐ新戦略

検知器が鳴ったら密輸アウト – ラジオアクティブ・ライノの衝撃:サイの角に放射性物質注入で密猟を防ぐ新戦略

1. なぜ今「角を光らせる」のか

角材の主成分はケラチン。しかし1kgあたり6万ドルで売買される“黒い金”は、依然として密猟の動機だ。南アでは年間約500頭が殺される。従来は「デホーン(角の切除)」や唐辛子・シアン化物を塗布する方法が試されたが、角は生態行動や繁殖にも不可欠で、毒物は倫理的批判を浴びた。そこで登場したのが“核”だった。Hackaday


2. Rhisotope Project の仕組み

ウィット大放射線健康物理ユニットのジェームズ・ラーキン教授らは、β線主体の低線量同位体を数十マイクロキュリー単位で角内部に封入。国境や空港に既設の放射線ポータル・モニタで容易に検出できる濃度に設定しつつ、細胞学的損傷がないことを生物線量学で確認した。実験では40フィートのコンテナ越しでもアラームが作動したという。wits.ac.za


3. 2025年7月31日──正式ローンチ

■場所:リンポポ州モコパネのRhino Orphanage
■対象:白・黒サイ計5頭(体重1.5〜3t)
■手順:

  1. 低用量麻酔 → 角に直径6mmの孔をドリル

  2. 樹脂封入カプセルで同位体を挿入

  3. 獣医が樹脂・角末で封止し、抗生剤を塗布

同日、IAEAのグロッシー事務局長は「核セキュリティのインフラを野生生物保全へ転用する好例」とXで発信。環境NGOも「“核の平和利用”が形になった」とリポストした。国際原子力機関

4. SNSの熱狂と論点

主なハッシュタグ代表的な投稿(抄訳)いいね/リポスト傾向*
#Rhisotope「核科学×保護の未来。人間の欲に科学で立ち向かう!」(環境系YouTuber)👍肯定派多
#SaveTheRhino「角を守って命も守る。南アの英断に敬礼」(IAEA公式ポスト)👍+🔁
#NuclearSafety「低線量でも生態系への長期影響データは?」(放射線医学研究者)🤔議論型
#PoachingCrisis「貧困が根にある。技術だけでなく地域支援もセットで」(現地NGO)🗣️対話型

*7月31日22:00 UTC 時点、筆者調べ。


賛同派は「角を切らずに deterrence を実現」と歓迎。懸念派は「①放射性廃棄物扱いで将来の剥製展示や廃棄時が複雑化、②密猟者がより凶暴化するリスク」を指摘する。

5. 技術・法規面の課題

  1. 線源管理:移植後も同位体の減衰と角の成長に伴う再注入サイクルが必要。

  2. 国際輸送規制:角が合法取引に回る場合(研究標本など)はIAEA輸送コードに準拠。

  3. コスト:1頭あたり約1,000米ドル。南ア国内16,000頭へ適用するには1,600万ドル超。

6. 次の一手

  • スケールアップ:年内に私営保護区30カ所で200頭処置を計画。

  • データ共有:IAEAが各国税関へ閾値・シグネチャを通知し、誤検知率を下げる。

  • 地域開発:プロジェクト収益の一部をコミュニティ雇用と教育に還元、密猟の動機を減らす。

7. 世界27,000頭の未来へ

20世紀初頭50万頭いたサイは、需要と組織犯罪で5%未満に減少した。放射性角が「リスク>利得」の構図を密猟者へ突き付けられるかは、科学的検証と社会的合意形成の両輪にかかっている。だが少なくとも、角を切り落とすでも毒を盛るでもない第三の選択肢が提示された意義は大きい。核技術と保全が交差する今、世界は“光る角”の行方を見守っている。ガーディアン


参考記事

南アフリカ、密猟を抑制するためにサイの角に放射性物質を注入開始
出典: https://phys.org/news/2025-07-south-africa-rhino-horns-radioactive.html