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「褒めサンドイッチ」はもう効果的ではない?——最新研究が示す“やさしさ”と“率直さ”の正しいバランス

「褒めサンドイッチ」はもう効果的ではない?——最新研究が示す“やさしさ”と“率直さ”の正しいバランス

2025年08月20日 23:35

1. 何が分かったのか:結論から

IveyビジネススクールのKaren MacMillan教授らは、「褒めサンドイッチ」は今日の職場では効果が乏しく、むしろ逆効果になり得ると報告した。受け手は前後の褒め言葉を“緩衝材”と認識し、核心の改善点に集中できず、好意的な評価さえも空疎に感じてしまう。研究チームは、率直さ(candor)を、思いやりとセットで実践するアプローチが、信頼・関係性・行動変容を促進する、と初期知見をまとめている。Phys.orgWestern News



2. 研究の背景:なぜ“サンドイッチ”が支持されたのか

1980年代以降、否定的フィードバックを「言いにくさ」から救う処方箋として普及したのが褒めサンドイッチだ。理屈はシンプル——「緩衝材」を入れれば相手の防衛反応が下がる、という前提である。しかし、この前提は受け手の学習と洞察により崩れやすい。繰り返される“形式”はすぐに見抜かれ、ポジ→ネガ→ポジの構造そのものが警戒信号になる。結果、核心メッセージは希釈・混線し、関係性にも影を落とす。Western News



3. 実証研究の手がかり

Iveyの発信は実務家向けの解説だが、褒めサンドイッチの効果が限定的であることは先行研究とも整合的である。たとえば大学生被験者を用いた実験では、サンドイッチ型の指摘が学習成果に優位とは言い難い結果が示され、メッセージの焦点がぼやけるリスクが指摘されてきた。サイエンスダイレクト



4. なぜ効かないのか:心理学的メカニズム

  • シグナルの希釈:相反するメッセージ(褒めと指摘)を短時間に混ぜると、受け手はどちらを優先すべきか迷う。

  • 意図の透明性:儀礼的な褒めは“取り繕い”と解釈され、誠実さ(integrity)への疑念を生む。

  • 予測可能性による警戒:「またサンドイッチだ」と学習されると、褒めの価値が逓減し、ネガティブ情報への過覚醒が起きる。Phys.org



5. 代案:配慮と率直さ(カンドー)を両立させる

研究チームは、「Less bread, more candor」(パンは少なく、率直さを)を合言葉に、5つの原則を提示する。


  1. 準備:目的・例示・影響・出だしの一言まで事前に明確化。

  2. 対話化:一方通行ではなく、相手の見立てと事情を聴く。

  3. 関係性への配慮:本人の目標や関心に接続して「あなたの味方」であることを明確化。

  4. 合意で締める:次の一歩とフォローの約束を言語化。

  5. プロセスとして継続:単発で終わらせず、観察・強化・再調整を回す。Phys.orgWestern News



6. 実務に落とす:SBIモデルとラディカル・キャンダー

  • SBI(Situation-Behavior-Impact)
    具体的な状況→行動→影響の順で事実を短く伝える汎用モデル。評価語や人格ラベルを避け、検証可能な描写に徹することで防衛反応を下げる。CCL+1

  • ラディカル・キャンダー
    **真摯な配慮(Care Personally)と率直な挑戦(Challenge Directly)**の両立を軸に、関係性を損なわずに明瞭な指摘を行うフレーム。radicalcandor.com+1



7. 具体テンプレート(日本語例)

  • 出だし(合意の招待)
    「○○さんの成長に役立つフィードバックがあります。今、数分お時間いいですか?」

  • SBIで事実を提示
    状況:「昨日のクライアントAとの打合せで」
    行動:「開始5分後に説明が仕様から外れ、先方の質問に戻るまで10分要しました」
    影響:「議論の焦点が散り、次回合意事項の一部が未確定になりました」

  • 関心に接続
    「○○さんが次のリードPMを目指していると聞いています。その実現に直結する力だと思います」

  • 選択肢の提案と対話化
    「次回、冒頭にアジェンダ合意→外れたら自分でタイムボックス宣言、のどちらを試したいですか?」

  • 合意とフォロー
    「来週のA社定例で実行→私が開始前に1分確認→終了後に5分振り返り、でいいですか?」



8. 日本の職場での留意点

  • 和を乱さない配慮を誤って「曖昧さ」で表現しない。配慮は言い方と視線を相手の成功に向けることで示す。

  • 年功序列・上下関係の強い場では、先に「期待・役割・ゴール」の再合意を置くと受け入れやすい。

  • 非公開の場と時間確保:人前での改善指摘は“顔”を傷つける。1on1で短く、事前合意を。

  • 言い換えの実務語:否定形より、「次からは〜」の行動提案で締める。



9. よくある失敗と対策

  • 称賛の乱用:本気の称賛は必要だが、指摘の前後に“定型”として置くと信頼を損ねる。→称賛は独立の場で、具体(SBI)で与える。Phys.org

  • 抽象・人格評価:「コミュ力が低い」は行動につながらない。→観察可能な行動と影響に分解。CCL

  • 単発アドバイス:一度で変わると期待しない。→小さな実験→観察→強化のループへ。Phys.org



10. チーム全体への導入計画(90日)

0–30日:SBI/ラディカル・キャンダーのマイクロ研修(60分×2回)/1on1の冒頭に「招待のことば」を全員で練習。
31–60日:各メンバーが週1回SBIメモを作成し、同僚と相互レビュー。称賛は独立のスレッドで具体化。
61–90日:マネジャーはフィードバック・ログで「合意→実験→フォロー」の履歴を可視化。月末に実験事例会。



11. ケーススタディ(短例)

  • プロダクト開発:仕様の逸脱報告をSBIで透明化→QA欠陥率が低下。

  • セールス:提案書の焦点ボケをSBIで指摘→勝率回復。

  • バックオフィス:締切遅延の個人責めをやめ、プロセス合意に移行→残業時間が逓減。



12. 反論とその検討

「人はやわらかい言い方でないと傷つく」
対案:言い方はやわらかく、内容は明確に(SBI)。配慮と率直さは両立する。CCLradicalcandor.com
「若手にはサンドイッチの方が安全」
検討:若手ほど“形式”に敏感で、儀礼的褒めを見抜く傾向がある。長期的には信頼を損ねる。Phys.org



13. まとめ

  • 褒めサンドイッチは混乱と不信を招きやすく、行動変容を阻害する可能性。

  • 配慮ある率直さとSBIで、短く・具体的に・対話的に。

  • 称賛は独立のタイミングで具体化し、改善とは混ぜない。

  • 合意で締め、プロセスとして継続する。



参考記事・出典

  • Phys.org「Research shows the 'compliment sandwich' is no longer effective」(2025年8月20日)Phys.org

  • Western News(Western University)「Ivey research shows ‘compliment sandwich’ no longer effective」(2025年8月19日)Western News

  • Ivey Business School「Why it’s time to take the compliment sandwich off the menu」(2025年8月6日)Ivey Business School

  • Procházka, J. (2020). “Sandwich feedback: The empirical evidence of its (in)effectiveness.” Journal of Research in Personality(抄録ページ)サイエンスダイレクト

  • Center for Creative Leadership「The SBI Feedback Model in 3 Simple Steps」CCL

  • Radical Candor(フレームワーク概要PDF)radicalcandor.com



参考記事

研究によると、「サンドイッチ型の褒め方」はもはや効果的ではないことが示されています。
出典: https://phys.org/news/2025-08-compliment-sandwich-longer-effective.html

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