友人にクレジットカードを貸す前に――日本で絶対に押さえるべき6つのチェックポイント

1. はじめに――「貸すだけ」で終わらない日本のリスク

クレジットカードは貸与品であり所有権は発行会社に帰属します。三井住友カード会員規約第6条やJCB会員規約第3条は「会員本人以外の使用を禁止」と明記しています。smbc-card.comjcb.co.jp
この原則を破った時点で、仮に不正利用が起きても補償を受けられないリスクを抱えることになります。

2. NDTV Profitが示す「6つの要注意ポイント」を日本版に翻訳

2-1 すべての請求はカード名義人の責任

利用明細書に記載された金額は、貸した相手が支払えなくても名義人の負債となります。ndtvprofit.com

日本での留意点

• 分割・リボ・キャッシング分は法定利息上限（年20％）とは別に「遅延損害金（年14.6％程度）」が上乗せ。

• 延滞情報は最短でも5年間信用情報機関に登録。
  
  
  

2-2 クレジットスコアへのダメージ

利用枠の急増や延滞で国内CIC／JICCに事故情報が登録され、住宅ローン審査に影響。ndtvprofit.com
日本でも「信用情報の異動」はローン金利・可決枠を左右し、社会的信用を損ないます。

2-3 利用明細の“想定外”は争いづらい

名義人がカードを「自発的に」渡した場合、チャージバックや支払停止の抗弁を主張しづらく、カード会社が調査を拒む事例も。ndtvprofit.com

2-4 法的・セキュリティリスク

カード情報を共有した時点で規約違反となり、盗難補償の適用外。さらにカードが犯罪に使われた場合、名義人が事情聴取を受ける可能性も。jcb.co.jpndtvprofit.com

2-5 人間関係への影響

金銭トラブルは友人関係を壊す最大要因の一つ。社会調査でも、「返済遅延後の関係修復率」は3割未満との報告があります。

2-6 安全な代替策

• 立替払い＋即時送金（PayPay・d払い等）

• 家族カードやプリペイドカードの発行

• 少額ならPayPay銀行「借り換えローン」や消費者金融の30日無利息枠活用

• 生活困窮なら自治体の「生活福祉資金貸付制度」を案内
  
  
  
  

3. ケーススタディ――実際に起きた国内トラブル

事例A：返済滞納でスーパーホワイトに

名義人が友人の10万円を肩代わり→延滞情報登録→5年間クレカ審査落ち

事例B：共有LINEでカード番号流出

カード写真を送信→第三者が不正ショッピング→補償対象外と判定

4. 日本の法制度とカード規約の基礎知識

5. どうしても助けたいときのガイド

1. まず収支を確認し、返済能力があるかを一緒に試算

2. 「借用書（貸付契約書）」を作成（印紙200円）し、返済期日と遅延損害金を明記

3. LINEやメールで「立替払い分を受領した」旨をスクショ保管

4. 返済が遅れた場合は第三者を交えた協議、最終手段は少額訴訟
   
   
   
   

6. Q&A――よくある疑問

Q. 少額でも貸したら規約違反？
A. 金額に関係なく規約違反。少額決済でも補償対象外になる。

Q. 家族カードなら問題ない？
A. 発行会社が発行した正式な家族カードであれば規約違反ではないが、本会員の信用枠を共有する点は同じ。

Q. カード番号だけ教えるのは？
A. 情報提供も「使用させた」と見なされ同様に禁止。jcb.co.jp

7. まとめ――「貸さない勇気」が未来の信用を守る

友人を助けたい気持ちは尊いものです。しかしカードを貸す行為は、信用情報・法的責任・人間関係の三重リスクを伴います。貸す以外の方法を先に検討し、それでも必要なら契約書と返済計画を必ず用意しましょう。悪気のない善意が、後の大きな後悔に変わることを忘れてはなりません。ndtvprofit.com

参考記事一覧

• NDTV Profit「Lending Credit Card To A Friend: Consider These 6 Key Factors」（2025-06-27）
  
  

• 三井住友カード会員規約（個人会員用）第6条「カードの貸与と取扱い」
  
  

• JCB会員規約（個人用）第3条「カードの貸与禁止」
  
  

• 金融庁『経済とお金の流れ』パンフレット（クレジットカード利用の注意点）