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モンテネグロはなぜ“世界最速”の富裕層ハブになったのか ― 税・通貨・海と山の三位一体戦略

モンテネグロはなぜ“世界最速”の富裕層ハブになったのか ― 税・通貨・海と山の三位一体戦略

2025年10月28日 00:12

1. “世界最速”という事実から話を始めよう

2025年、グローバルな富の移動(Wealth Migration)は過去最大級のうねりを見せ、14万2千人のミリオネアが国境を越える見通しだ。その潮目のなかで最も速く富裕層人口が増えた国として躍り出たのがモンテネグロである。英ヘンリー&パートナーズの最新レポートによれば、同国の2014–2024年の富裕層人口(100万ドル以上の投資可能資産保有者)が124%増。UAEやマルタ、米国といった常連国を伸び率で上回った。米『フォーチュン』もこの動きを“世界最速のミリオネア・ハブ”として特集し、国際メディアやSNSで一気に火がついた。Henley & Partners


2. 富が“集まる国”の3条件:安定・税制・物語

移住先として富裕層が見るのは突き詰めれば①通貨・制度の安定、②税コスト、③投資とライフスタイルの物語性だ。モンテネグロはこの三拍子を小国ながら高い水準で揃えている。

  • 通貨安定:ユーロの事実上導入
    モンテネグロはEU加盟前の段階にありながら、長年にわたりユーロを事実上の国内通貨として用いてきた。通貨リスクが相対的に低く、価格表示や資産評価がEUと連動しやすい。小国にとってこれは強力な信認装置だ。Economy and Finance

  • 低い実効税率帯:個人9~15%、法人9~15%
    個人の課税は9%/15%の二本立て、法人も利益規模に応じ**9%→12%→15%と段階的に上がるシンプルな構造。富の保全・事業の移住に向く“わかりやすい低税率帯”**は意思決定を軽くする。PwC 税金サマリー

  • 物語性:海と山、そして“新しい地中海”
    アドリア海に面したコトル湾は世界遺産。ポルト・モンテネグロ、ルスティツァ・ベイ、ポルトノヴィといったスーパーヨット対応マリーナ&高級レジデンス群が10年以上にわたり整備され、“夏の地中海回廊”の新拠点に。海と山が90分圏で重なる稀な地勢は、ライフスタイル移住の物語を補強する。The Times


3. 「制度が閉じた」後も勢いが続く理由

一部で誤解されがちだが、市民権投資制度(CBI)は2022年末で終了している。にもかかわらず増勢が続くのは、制度そのものより“地の利+税制+既存資産(マリーナ・不動産)”が牽引役だからだ。現在は1年ごとの居住許可を重ね、5年で永久居住の申請が可能という王道ルートが中心。短距離でEU諸国にアクセスでき、現地での事業や不動産賃貸といった**オフショアではない“地に足の着いた運用”**がしやすい。RadioFreeEurope/RadioLiberty


4. 税と資産承継:“無税”の一言では語れない

SNSには「相続・贈与税が無税」という断片的な言説も回る。実際には、近親相続は非課税または軽課とされる一方、不動産にかかる相続・贈与課税や移転税(地域実務で3~6%程度)が発生し得るなど、“限定的課税”が存在する。一律ゼロと誤認してはならない。富裕層にとっては資産の内訳(金融 vs 不動産)や保有形態の設計が肝になる。PwC 税金サマリー


5. どんな人が移っている?——“伸び率”を買う投資家と“使うために住む”家族

ヘンリーのデータを追うと、モンテネグロは絶対数では大国に及ばないが、伸び率が突出している。ベンチャーやクリプトで流動性を得た若い起業家、ヨーロッパ内での税務最適化を目指すファミリー、地中海でのセカンド・サマー拠点を探す資産家が目立つ。マルタやUAEに拠点を置く人々が**「別荘+事業のサテライト」**として組み合わせる動きも見られる。Business Insider


6. 都市と案件で見る“勝ち筋”

  • ティヴァト(Tivat)—ポルト・モンテネグロ
    旧海軍造船所を転用した超大型マリーナ。ヨットの母港需要と高級レジデンスの稼働率が高く、資産価値の底堅さが評価される。Marina Projects

  • ヘルツェグ・ノヴィ寄り—ポルトノヴィ
    ワン&オンリーを擁するリゾート。大型在庫は限られるが希少性プレミアムが付く。The Times

  • ルスティツァ・ベイ(Luštica Bay)
    フルタイム居住型の都市開発を志向。将来の18ホールのゴルフコースなど中長期のコンテンツ追加で“住むほどに価値が増す”設計。The Times


7. SNSの反応:熱と冷静のグラデーション

 


  • 拡散の起点:『フォーチュン』の特集がX、LinkedIn、Instagramで広くシェア。メディア公式アカウントの投稿がハブになり、金融系インフルエンサーや移住コンサルが解説スレッドを次々投下した。X (formerly Twitter)

  • データ派の評価:「124%増はUAEを上回る伸び」「世界の移住富裕層14万2千人の受け皿の一つ」と数字を軸にポジティブ。ヘンリー幹部のポストも拡散を後押し。X (formerly Twitter)

  • 現地派の実感:「ベイエリアの完成度が年々上がっている」「港町なのに山岳アクティビティも近い」と“住んで使う”視点の賛辞が多い。The Times

  • 慎重派の視点:「制度は動くもの。CBI終了後のルールとEU加盟の行方をウォッチ」といった冷静なコメントも一定数。RadioFreeEurope/RadioLiberty


8. リスクと留意点

  1. 制度の可変性:移住・課税制度はアップデートが常。相続・不動産移転の取り扱い、短期賃貸規制などは年度で変わり得る。現地専門家の確認は必須。PwC 税金サマリー

  2. EU加盟プロセス:進展は見られるが、加盟時期は流動的。投資回収の時間軸と政治カレンダーのズレに注意。Le Monde.fr

  3. 需要の季節性:地中海のハイシーズン偏重は賃貸利回りの振れにつながる。旺季・閑散期のキャッシュフロー設計を。The Times


9. それでも選ばれる理由——“使える安定”

結局のところ、モンテネグロの魅力は**“使える安定”に尽きる。ユーロに連動した価格体系、シンプルな低税率帯、海と山が一体化したライフスタイル、そしてヨーロッパの気候と時差**。CBIというショートカットが無くなっても、地の利と既存インフラが富を呼び込むベースは揺らいでいない。富裕層の移動が常態化する2025年以降、この小国は**“第二の家”や“事業のサテライト”**として、静かに、しかし確実に地図上の存在感を増していくだろう。Economy and Finance


参考記事

モンテネグロがどのようにして世界で最も急成長している富裕層の拠点となったのか
出典: https://fortune.com/2025/10/26/how-montenegro-became-the-worlds-fastest-growing-hub-for-millionaires-ultra-high-net-worth-people-immigration-europe-wealth/

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