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哺乳類の驚異的な進化: 恐竜絶滅後、12回もアリ食いに変貌した理由とは?

哺乳類の驚異的な進化: 恐竜絶滅後、12回もアリ食いに変貌した理由とは?

2025年07月21日 02:36

1. イントロダクション――“アリ食い”は例外ではなく必然だった?

南米のサバンナで巨大なアリクイが長い舌を伸ばしてアリ塚に顔を突っ込み、アフリカの夜の草原ではツチブタが鋭い嗅覚でシロアリの巣を探す。同じ頃、オーストラリアのユーカリ林ではエキドナがクチバシを土に差し込み、1万キロ離れた西オーストラリアのユーカリ樹皮の下では小柄なヌンバットが2万匹のシロアリをたいらげる――地域も系統も違う彼らが示す「驚くほど似た生態」と形態は、進化の偶然ではなく“収斂”の産物だった。新研究は、この適応が恐竜絶滅後に少なくとも12回も独立して起きたと報告し、進化生物学に新たな問いを突きつけている。IFLScience


2. 研究の概要――4099種を網羅した巨大データセット

米ニュージャージー工科大学(NJIT)のフィリップ・バーデン准教授らは、ほぼすべての現生哺乳類4099種を対象に過去100年分の文献・胃内容物解析・保全報告を統合し、大規模な食性データベースを構築した。その上で祖先形質復元と時間較正系統樹を組み合わせ、食性の遷移を統計モデルで推定。結果、単系統ではなく12の独立イベントが浮かび上がったのである。Phys.org


3. 12回の内訳――哺乳類3大グループで網羅

解析によると、12回の起源は単孔類(1回)、有袋類(3回)、有胎盤類(8回)に散らばる。特に有胎盤類では食虫目の系統が“ジャンプ”しやすく、肉食目からの移行例は3倍少なかった。意外にもイヌ科・クマ科・イタチ科など肉食目内の特定グループが全起源の約4分の1を占めるという。専門家は「歯列や顎関節の可塑性が鍵かもしれない」と指摘する。Phys.org


4. 食性の“片道切符”――袋小路になる理由

研究チームは**「一度アリを選ぶと戻れない」**という傾向も確認した。象鼻虫のように細長い頭骨、歯の退化、粘着性の舌、強靭な前肢……これら高度に特化した形質は他の獲物に転用しにくく、結果として系統の多様化が抑制される。唯一の例外はゾウジカネズミ属(Macroscelides)で、進化史の途中で雑食へ“Uターン”したらしいが、これは例外中の例外だ。Phys.org


5. アリとシロアリの台頭――ペットム期が決定打?

ではなぜ恐竜絶滅後に“アリ食ブーム”が起きたのか。チームは昆虫化石記録を再解析し、アリ・シロアリの個体数とコロニーサイズがペールオシーン‐エオシーン温暖極大期(PETM: 約5500万年前)以降に爆発的に増えたことを示した。これは被子植物の拡大と高温多湿の気候が後押しした可能性が高い。昆虫バイオマスの劇的上昇が哺乳類の食性を“吸い寄せた”とも言える。Phys.org


6. 先史時代の“アリハンター”――Fruitafossor ほか化石例

今日のアリクイやツチブタだけでなく、ジュラ紀後期の小型哺乳類 Fruitafossor もアリ専門家だったことが化石から判明している。現生グループとは無関係だが、強い前肢と歯の退化が示す「独立収斂」の好例だ。こうした化石は“12回”に名を連ねていないが、長い進化史の中でミルメコファージがどれほど反復してきたかを物語る。ウィキペディア


7. SNSの反応――「進化はやっぱりカッコいい」

研究公開後、SNSには賛嘆からジョークまで多彩な声があふれた。

  • ジャーナリストのデイヴィッド・ウォレス=ウェルズ氏は「66 MYもの間に12回も同じ食性に収束するとは、進化の“強制力”を物語る」とツイート。X (formerly Twitter)

  • ハンドルネーム Ms. Iso Tope は「進化 is DOPE! 教科書に載せたい」と歓喜。X (formerly Twitter)

  • @Earth_Media_ は「次は“13回目のアリクイ”が現れるか、温暖化シミュレーションで追ってみよう」と皮肉交じりに投稿した。X (formerly Twitter)

  • 公式 Phys.org アカウントのツイートは24時間で4700ビュー、リツイート5件と専門ニュースとしては高い拡散を見せた。X (formerly Twitter)

 


日本語圏では「ヌンバットかわいい」「ヤマアラシはアリ食べないの?」といった素朴な疑問も散見され、専門用語“ミルメコファージ”が一時トレンド入りした。


8. 気候変動と未来の“潜在的アリクイ”

昆虫コロニーは高温で勢いづく。現在も外来種のヒアリが北緯30度帯を北上し、生態系に影響を与えている。研究者は「コロニー型昆虫が増えれば、将来さらに哺乳類がアリ食化する可能性がある」と警鐘を鳴らす。同時に、専門化は脆弱性と表裏一体であり、森林減少や農薬による昆虫減が進めば“進化の袋小路”に閉じ込められた種は絶滅リスクを抱える。IFLSciencePhys.org


9. 生態系サービスという視点

アリ食哺乳類は単なる「珍獣」ではない。彼らは膨大な昆虫バイオマスを調整し、種子散布や土壌撹拌を促す“エコエンジニア”だ。特にシロアリを捕食することでメタン排出を抑える可能性も指摘されており、気候変動緩和に間接的に寄与している。


10. 収斂進化のメカニズム――“行き止まり”は本当に行き止まりか

収斂進化は「同じ環境圧力が似た解を導く」現象だが、Fruitafossor のように既に絶滅した系統もあれば、現生のエキドナのように7000万年生き延びた例もある。鍵となるのは「専門化の程度」と「環境の安定性」だ。研究はアリ食系統が単一種で終わる傾向に注目したが、ゲノム可塑性や行動柔軟性が生き残りを左右する可能性は依然として議論中である。


11. 研究手法の革新性――“メタデータ革命”

今回の成果は「メタアナリシス×ビッグデータ」が古典的動物分類学に新風を吹き込んだ例でもある。博物館・保全団体・市民科学プラットフォームのデータを横断的に統合した結果、従来見逃されていたパターンが浮かび上がった。研究チームは今後、絶滅哺乳類を含む化石データベースを拡充し、“13回目”の可能性を探る計画だという。Phys.org


12. おわりに――「アリ塚の向こうに進化を見る」

アリとシロアリは地表の“隠れ巨人”だ。その行動と社会性は土壌、植物、ひいては哺乳類の進化をも左右してきた。今回の研究は、小さな昆虫が大きな哺乳類を動かすという壮大な因果を浮かび上がらせた。私たちがアリ塚を蹴飛ばすとき、そこには6600万年続く進化のドラマが刻まれている――そう考えると、足元の一匹一匹が少し違って見えてこないだろうか。



参考記事

恐竜が絶滅して以来、哺乳類は12回もアリ食いに進化している - IFLScience
出典: https://www.iflscience.com/mammals-have-evolved-into-ant-eaters-12-times-since-the-dinosaurs-went-extinct-80068

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