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「ポスト一行で国外退去?」AIとビザが縛る言論の現在 : トランプ政権に挑むEFFと労働組合の戦い

「ポスト一行で国外退去?」AIとビザが縛る言論の現在 : トランプ政権に挑むEFFと労働組合の戦い

2025年10月18日 00:12

イントロダクション:訴状が突きつけたもの

2025年10月16日(米国時間)、電子フロンティア財団(EFF)と米国の主要労働組合3団体(UAW、CWA、AFT)がニューヨーク南部地区連邦地裁に訴えを起こした。標的は、トランプ政権下で国務省・国土安全保障省(DHS)が進める大規模なSNS監視・取り締まりプログラム。原告側は、これは「政府が好まない見解を示す合法的居住者やビザ保持者の言論を監視・制裁する思想ベースの監視」であり、合衆国憲法修正第1条(表現の自由)と行政手続法(APA)に反すると主張する。提訴の事実はTechCrunchなど複数メディアが速報し、同日EFFも公式に発表した。TechCrunch


訴状(UAW v. U.S. Department of State)は、監視の運用と萎縮効果、そして具体的な被害を詳述する全95ページの文書だ。被告には国務長官マルコ・ルビオ、DHS長官クリスティ・ノームなど政権高官名も並ぶ。Electronic Frontier Foundation


何が「新しい」のか:AI×SNS×移民政策の直結

今回の焦点は、報道で「Catch and Revoke(キャッチ&リボーク)」として知られる国務省の新方針だ。AIを用いてビザ保有者や留学生、永住者(LPR)の投稿を継続的に走査し、政府に批判的・反米的と解釈した言論を検出した場合、ビザ取り消しなどの不利益処分を下す──そんな構図が伝えられている。AxiosとThe Vergeは、本件が監視そのものの合法性を正面から問う初の大規模訴訟である点を強調する。Axios


EFFはプレスリリースと解説で、政府が「より無害に見える名称」へ“再ブランド化”しつつも、1億ドル超を投じて監視継続を契約したと指摘。対象は主に米国内のビザ保持者とLPRで、大学関係者に特化した監視も含むと述べる。Electronic Frontier Foundation


具体的な「処分」:チャーリー・カーク事件をめぐるビザ取消

この数週間、国務省や周辺情報源のSNS・報道では、保守活動家チャーリー・カーク氏の暗殺をめぐる投稿に関連して少なくとも6件のビザ取り消しがあったとする言及が相次いだ。複数の報道・記者投稿がこれを伝えており、国務省系アカウントは「ビザは権利ではなく特権」と強調。こうした“見せしめ”型の発信は、訴状が描く「威嚇キャンペーン」とも符合する。Reuters


原告は誰で、何を主張するのか

原告の3労組──UAW(全米自動車労組)、CWA(全米通信労組)、AFT(全米教員連盟)は、組合員の中に相当数の非市民が含まれる事実を示し、監視によってオンラインでの組合活動への関与が落ち込んだと訴える。訴状は、指導部からの参加辞退、SNSでの組合関係投稿の削除、組合選挙やデモ参加の忌避など、組織基盤の侵食を列挙。EFFのケースページも同様の主張を要約する。Electronic Frontier Foundation


また、英The RegisterはEFFの調査として、UAW非市民メンバーの6割超、CWA非市民メンバーの3割超がSNSを削除または投稿を控えたと報じる。監視を知る層ではその割合が8割超/4割超にまで上昇したという。ザ・レジスター


政府側の論理:国家安全保障と外交上の裁量

国務省・ホワイトハウス側は、国家安全保障・外交上の利益を守るための正当な裁量だと反論する。Axiosは、政権発足直後の大統領令が監視を後押ししたとし、The Vergeはルビオ国務長官が「学生ビザを活動家運動に使うべきではない」との趣旨の発言を伝えた。Reutersも「ビザは外国人に保証された権利ではない」とする政府の立場を紹介している。Axios


法廷で問われる論点:表現の自由×在留資格の“紐づけ”

訴状は、(1)見解差別に基づく監視・処分、(2)過度に広範・恣意的なAI監視、(3)萎縮効果(chilling effect)による市民・非市民双方の沈黙を主要論点に据える。政府がオンライン言論を根拠に移民法で制裁する構図は、合衆国憲法下の「外国人の表現の自由」や、組合の結社の自由との関係で未踏の領域を多く含む。Electronic Frontier Foundation


過去にもSNS監視は市民社会から疑義が呈されてきた。ブレナン・センターはDHSの偽アカウント運用や監視ツール調達をFOIAで可視化し、WiredはICEが24/7監視チームの構築を計画していると報じた。今回の訴訟は、こうした断片的な実態に正面から司法審査を求める象徴的案件だ。Brennan Center for Justice


現場で起きていること:大学・労働の“沈黙”

訴状は特に大学コミュニティへの影響を重視する。大学院生・研究者・教職員など、在留資格に依存する層は「誤解されるかもしれない」投稿をひとつ残らず消し、組合や社会運動に関する情報発信を避ける。それは単なる自己防衛に見えて、キャンパス民主主義や労働基本権の実質を侵食する。Electronic Frontier Foundation


Reutersは、グリーンカード保持者が反政府的と見なされた政治的見解やパレスチナ支持を示したことで拘束や処分の対象となった事例を挙げる。個別事案の真偽・妥当性は今後の審理で吟味されるが、少なくとも「萎縮」が広範に発生している兆候は各証言・調査に一致して現れている。Reuters


SNSの反応:賛否が“可視化”する社会の分断

 


本件はSNS上でも激しい反応を呼んだ。

  • 支持・擁護:国務省系アカウントは「ビザは特権」として厳格対応をアピール。保守系メディア/インフルエンサーも、過激・侮辱的投稿へのゼロトレランスを評価する声を上げた。X (formerly Twitter)

  • 批判・懸念:EFFはXやThreadsで「政府の見解に従わせる監視」をやめるべきだと拡散。TechCrunchの速報ポストも広くシェアされ、報道機関・記者の間で“表現の自由と移民行政の線引き”が議論化した。X (formerly Twitter)Threads

  • 国際的な注目:海外メディア・記者アカウントは、チャーリー・カーク氏の件に関連するビザ取消の連続発表を相次いで伝え、言論と在留資格の紐づけに驚きを示した。X (formerly Twitter)

SNS上の議論は、(a)侮辱的発言や過激主張の取り扱い、(b)政府の裁量がどこまで許されるか、(c)AIによる文脈誤読・誤検知の3点に収斂。中でもAIの誤認による過剰摘発を懸念する声は強い。The Verge


判決までのシナリオ:差止め、開示、そして“線引き”の再定義

今後、原告は差止め(インジャンクション)を求め、政府内規・AIモデルの運用ルール、監視結果の取り扱いと証拠化手続などの情報開示を迫るはずだ。裁判所は、(1)監視の法的根拠と運用の透明性、(2)見解差別の有無、(3)萎縮効果の立証、(4)移民行政の裁量の範囲と合憲性審査の基準、といった論点を丁寧に詰めることになるだろう。Electronic Frontier Foundation


もし原告が一定の勝訴を得れば、政府はAI監視の再設計と処分基準の明文化、異議申立手続の強化などを迫られる。逆に政府が勝てば、「在留資格=可視化された行動規範」という潮流が加速し、大学・研究・労働現場の言論空間はさらに慎重化する。いずれにせよ、下級審の判断は合衆国の“デジタル言論と移民政策”の交差点に長く影響を与えるはずだ。


生活者・実務者への実務的ヒント

  • 可視性管理:投稿の公開範囲・アカウント紐づけ(実名・所属)・位置情報の扱いを点検。

  • 文脈の付与:政治・国際問題への言及は、皮肉や引用をAIが誤認しやすい。出典・文脈を明示。

  • 記録の保全:不利益処分が疑われる場合、投稿履歴・削除ログ・プラットフォーム通知を保全。

  • 相談窓口:大学の国際オフィス、労組、デジタル権利団体(EFF等)に早期相談。

これらは法的助言ではないが、“AIが読む社会”では、表現の作法も機械可読性と手続的防御を意識せざるを得ない。


結語:試されるのは「誰の自由」か

この訴訟は、ビザや在留資格が事実上の「発言ライセンス」になっていないかを問う。萎縮が広がれば、やがて市民も沈黙する。政府の説明責任、AI運用の透明性、そして裁判所の線引き──そのすべてが、デジタル公共圏の未来を決める。

(参考:一次資料の訴状、複数メディアの報道、EFFの声明・解説、関連する政府・報道アカウントの投稿等を総合した。)


参考記事

EFFと労働組合、合法居住者に対する大規模なソーシャルメディア監視をめぐりトランプ政権を提訴
出典: https://techcrunch.com/2025/10/16/eff-unions-sue-trump-admin-over-alleged-mass-social-media-surveillance-of-legal-immigrants/

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