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もう“恋愛営業”は通用しない――日本がホストクラブの“色恋営業”を全面禁止

もう“恋愛営業”は通用しない――日本がホストクラブの“色恋営業”を全面禁止

2025年06月04日 19:07

1. ネオンきらめく夜の街に走った衝撃

2025年6月4日未明、東京・歌舞伎町のホストクラブ街を照らすネオンがまだ消えきらぬ頃、テレビ各局の速報がスマホ画面を埋めた――改正風営法により「色恋営業」が年内に違法化される。ホストが「好きだよ」「君だけだ」と甘い言葉で客を囲い込み、ランキング上位を死守するために高額なシャンパンや指名料を煽る――そんな“常識”が崩れる転機だ。日本の男性ホスト産業は年間約3,000億円規模とも言われ、その心臓部を成すのが色恋営業。法律に“恋”が書き込まれた瞬間、業界はざわめいた。


2. 国会が動いた理由

立法の背中を押したのは急増する被害相談だ。警察庁によると、恋愛感情を悪用し“売掛”返済名目で風俗店やアダルト撮影へ誘導された女性は2022年の2倍に達した。3月には22歳女性が半年で900万円を支払い、支払いが滞ると「No.1を降りたら会えない」と脅された実態が報じられ、世論が沸騰。与野党を越えた合意で5月20日、衆院本会議は賛成428票、反対0で可決。参院も同日通過した。


3. 「色恋営業」とは何か

色恋営業(色恋営業)は、ホストが客に恋人や配偶者さながらの言動を示し、感情的つながりを盾に高額消費を促す手法だ。具体的には――

  • 深夜の「会いたい」「寂しい」といったLINE通話

  • 「他の子を断って君を選んだ」等の嫉妬誘発トーク

  • 「僕が1位陥落したら引退するから応援して」式の条件付き愛情

改正法は「顧客の恋愛感情を利用した勧誘」を禁止し、違反者に最大6か月の懲役もしくは50万円の罰金を科す。


4. クラブの最前線から聞こえる声

ABEMA Timesの取材に応じた現役ホスト・蓮、流星、愛夢の3人は揃って「戸惑い」を語る。蓮は「正直、売上の8割は色恋依存。友達営業だけじゃ家賃が払えない」。流星は「客側が嘘をでっち上げる“悪い姫”問題もある」と逆告発リスクを懸念した。


5. “歌舞伎町弁護士”の警告――淘汰か再生か

集英社オンラインで「歌舞伎町弁護士」を名乗る山岡貴文は、法対応コスト(研修義務、防犯カメラ設置、明細書面化)で都内1,300店の3分の1が2年以内に閉店すると予測。ただし「小さく透明な業界こそ観光資源になり得る」と指摘する。


6. SNSの温度差

  • 保護者の喝采 ― @mama_in_tokyo は「ようやく娘を守れる」と52,000件のいいね。

  • 皮肉とミーム ― 改正文をラブレター風に加工した「愛しています。但し22時以降は法により無効」の画像が拡散。

  • 業界側の反発 ― 「#色恋も文化」がトレンド入り。「文化を犯罪扱いするな」という動画が180万再生。

  • フェミニズム内の亀裂 ― 一部は「搾取構造への勝利」と喜ぶが、セックスポジティブ派は「女性の自己決定権を奪う」と警戒。


7. 経済試算――数字が映す激震

Nightlife Data Labによれば、中規模店の売上の65%、ランキング競争が過激な“梯子店舗”では最大80%が色恋由来。改正後のシナリオ別影響は下表の通り:

シナリオ1年目売上雇用注釈
完全順守▲35%▲20%「ストレート営業」へ転換、シャンパン単価下落
グレー順守▲15%▲5%小規模店は摘発リスク、監視体制に穴
テック導入▲5%+5%(DX人材)AIがLINEトークを検知、違法リスク低減


8. 海外比較――“恋愛販促”はどこまで許されるか

  • 韓国 ― ルームサロンの恋愛詐欺は刑事詐欺として摘発、2023年は112人逮捕。

  • 米国 ― ストリップクラブVIPでの“感情搾取”は民事訴訟対象。

  • フランス ― 2016年売春防止法は客側を罰するが、恋愛営業自体は未規制。

日本の改正法は「誘惑型売上」を直接規制する世界でも稀な例となる。


9. 取締りの実務

警察庁に新設される「ホスト営業監督室」60人が覆面調査やホットライン通報で摘発。LINEログ解析のAI導入も検討されるが、プライバシー侵害を懸念する声も。


10. 生き残り戦略

大手「八犬伝グループ」は既に

  1. 注文時の同意録画 ― ボディカメラで口頭確認

  2. トーク台本の改訂 ― 「支えてくれ」→「売上記録更新に協力を」

  3. 収益多角化 ― 昼営業の物販カフェ、配信チップ、訪日客向け英語ツアー

大阪のホスト養成スクールは“自虐トーク”“パーティー営業”など9種の非色恋スタイルを公開。


11. ジェンダーポリティクスと“悪い姫”論

保護対象は主に女性客だが、ホスト側は「力関係は一方向でない」と反論。一部女性客は借金を逆手に取り、炎上動画で“払わせる快感”を狙う例も。社会学者・佐々木チワワは「憧れとカネが交差する場で責任は単純に片側へ流れない」とABEMAで指摘し、波紋を呼んだ。


12. 観光資源としての夜文化

訪日外国人にとって歌舞伎町は“ネオン体験”の象徴。都は万博(2025年秋)を控え、多言語で料金透明化を告知し「安全な夜遊び」をPR。英語対応ホストの需要も高まる見通し。


13. 今後のスケジュール

  • ガイドライン ― 総務省が8月までに運用細則を公表

  • 猶予期間 ― 6か月の移行措置を経て2026年1月1日完全施行

  • 訴訟リスク ― 被害女性団体が集団訴訟準備、初判決が賠償額基準に


14. 結論――幻想から実像へ

色恋営業禁止は、幻想とリアルマネーが交錯するホスト文化に“太い境界線”を引いた。業界は縮小か、進化か、それとも淘汰か――鍵を握るのは、虚構の恋に代わる“率直で創造的”な体験を提供できるかどうかだ。世界最大級のナイトレジャー市場は、ネオンの下で新しい愛と金の形を模索し続ける。



※通貨換算は1ドル=155円で計算。


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