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万博「空飛ぶクルマ」デモ飛行、7月12日に3か月ぶり再開へ ― 部品落下事故の原因究明と再発防止策が完了、世界に示す日本のAAM(先進空モビリティ)最前線 ―

万博「空飛ぶクルマ」デモ飛行、7月12日に3か月ぶり再開へ ― 部品落下事故の原因究明と再発防止策が完了、世界に示す日本のAAM(先進空モビリティ)最前線 ―

2025年07月09日 16:03

目次

  1. はじめに──万博とAAMの関係

  2. 「HEXA」とは何か:機体概要と開発企業

  3. 事故の経緯:4月26日の部品落下

  4. 原因究明プロセス:解析と国際調査チーム

  5. 再発防止策:設計見直し・品質保証・検査フロー

  6. デモ飛行再開計画:7月12日〜18日の運航スケジュール

  7. 万博来場者への体験価値と外国人視点

  8. 世界のeVTOL潮流と日本のポジショニング

  9. 規制・インフラ整備の現状と課題

  10. まとめと将来展望




1. はじめに──万博とAAMの関係

2025年4月開幕の大阪・関西万博は「未来社会の実験場」を掲げ、AAM(Advanced Air Mobility)の実機飛行を公式プログラムに組み込んだ世界初の博覧会だ。開幕直後から1日3回のデモ飛行が注目を集め、SNS上では“Expo Sky Show”のハッシュタグがトレンド入り。しかし部品落下事故で運航が中断し、万博の象徴的コンテンツを失った形となっていた。marubeni.com



2. 「HEXA」とは何か:機体概要と開発企業

HEXAは米テキサス州オースティンのLift Aircraftが開発した単座eVTOL。直径約4.5mのカーボン製フレームに18基の独立電動ローターを配置し、機体総重量196kgと航空法上のウルトラライトカテゴリーに収まる。バッテリー交換式で最大飛行時間は約10分、高度は50m程度に限定。

転覆時でもフロート構造で着水できるなど、多重冗長設計を特徴とする。丸紅は日本独占販売契約を締結し、実用化に向けた運航検証を進めている。aviationweek.comliftaircraft.com



3. 事故の経緯:4月26日の部品落下

4月26日14時50分ごろ、会場「EXPO Vertiport」上空を飛行中のHEXAから左右モーターカバーが脱落。観客エリアとは反対側の立入禁止区域に落下し負傷者は出なかったが、主催者は即日全便停止を決定した。丸紅は同日夜に謝罪コメントを発表し、国交省航空安全監察官と合同で事故調査を開始。english.kyodonews.netnewsonjapan.com



4. 原因究明プロセス:解析と国際調査チーム

調査は丸紅・Lift Aircraft・米国NTSB経験者・JCABの混成チームが担当。機体ログや破損部品のSEM解析が実施され、モーターカバー取付部のスペーサー材質が設計仕様のアルミではなくABS樹脂だったことを突き止めた。

さらに製造ラインでボルト規定トルクが管理外であった可能性も指摘。結果として振動による緩みが早期に発生し、飛行中の遠心力で脱落したと結論づけた。news.tv-asahi.co.jp



5. 再発防止策:設計見直し・品質保証・検査フロー

再開にあたり、

(1)アルミ製スペーサーへ全機交換
(2)締結部にトルクマーキングとIoTレンチ導入
(3)飛行前後点検項目を63→95項目へ拡大
(4)脱落シミュレーションを考慮したフェイルセーフガード追加
(5)独立第三者機関による1日1回のインスペクション

を義務付けた。
協会は9日、会場上空30mでの実地テストを監視し「安全上問題なし」と判断した。newsdig.tbs.co.jpmainichi.jp



6. デモ飛行再開計画:7月12日〜18日の運航スケジュール

再開初日は早朝にスタッフのみで機能確認飛行を行い、午後から無搭乗デモを1日2回実施。観客上空は飛行せず、滑走経路もスポンサー建屋より内側に限定する。

13日以降は1日3回へ戻し、18日までの計15フライトで経過を評価。兵庫県尼崎市との往復飛行は「地上安全確保に追加時間が必要」として当面延期となった。video.yahoo.co.jp


7. 万博来場者への体験価値と外国人視点

万博では英語・中国語・韓国語ガイドが常駐し、VRシミュレーターで操縦体験が可能。パビリオン周遊の移動手段とは異なり「将来の都市エアモビリティを感じてもらうショーケース」と位置づける。欧米ではeVTOL展示が一般化しつつあるが、実機飛行を目視できるイベントは依然少なく、外国人観光客にとっても貴重なフォトスポットとなる。



8. 世界のeVTOL潮流と日本のポジショニング

世界ではJoby、Archer、Volocopterなどが型式証明取得を目指すが、量産機の「社会実装フェーズ」に入る国はまだない。日本は国交省が「空の移動革命に向けた官民ロードマップ」を策定し、都市部の実証飛行に世界で最も寛容な環境を整備。

大阪府は2025年までに20カ所以上の都心型バーティポート整備を計画し、Expoはその実証プラットフォームと位置づけられる。事故からの迅速な再開は、日本型リスクマネジメントの有効性を示す機会となる。



9. 規制・インフラ整備の現状と課題

  • 運航規制:現状は実験適用要領に基づく個別許可。将来的にはICAO Annex17改正に合わせたeVTOLカテゴリ新設が課題。

  • 通信・管制:5G/6G帯域の確保とU-space的空域管理システムの導入が急務。

  • 電力インフラ:急速充電設備の耐候性・ピーク需要調整など、万博後の常設化へ向けた指針が求められる。

  • 騒音対策:機体ごとのEPNdB実測値データベース開示を進め、都市型オペレーションへの社会受容性を高める。



10. まとめと将来展望

「空飛ぶクルマ」は未来を象徴する“動くショールーム”として再起動する。事故対応を経た安全設計と透明性の高い情報開示は、国際標準づくりにおいて日本が主導権を握る布石と言える。


7月12日から再び万博の空を舞うHEXAは、単なるデモを超えて「AAM元年」の鐘を鳴らす存在だ。来場者がスマートフォンで撮影するその姿は、2030年代の空の風景を先取りする“絵葉書”となるだろう。




参考記事一覧(外部リンク・日付順)

  • 毎日新聞「デモ再開へ安全確認完了、12日に飛行再開」(2025-07-09) mainichi.jp

  • MBSニュース「部品落下で中止のデモ飛行、7月12日に再開へ」(2025-07-08) video.yahoo.co.jp

  • TBS NEWS DIG「再開に向けたテスト飛行を実施」(2025-07-09) newsdig.tbs.co.jp

  • テレ朝news「落下原因は仕様ミス、部品全交換完了」(2025-07-08) news.tv-asahi.co.jp

  • Kyodo News English「Part falls from HEXA, demo flights halted」(2025-04-27) english.kyodonews.net

  • Marubeni Corp.「HEXAデモ飛行成功を発表」(2025-04-15) marubeni.com

  • Aviation Week「Marubeni demonstrations of HEXA at Osaka Expo」(2025-04-22) aviationweek.com

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