メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

うつ病診断を「見える化」するAIソフト誕生――厚労省が国内初の薬事承認

うつ病診断を「見える化」するAIソフト誕生――厚労省が国内初の薬事承認

2025年07月02日 13:30

目次

  1. 承認の背景と意義

  2. 仕組み:fMRI × AIで「うつ病スコア」を算出

  3. 開発経緯――10年超のデータ収集と学習

  4. 薬事承認までのプロセスと今後のスケジュール

  5. 精神医療にもたらす三つのインパクト

  6. 臨床現場での運用イメージ

  7. 残された課題:精度・バイアス・倫理・プライバシー

  8. 海外動向との比較と日本の独自性

  9. 将来展望:保険収載、疾患拡張、創薬連携

  10. まとめ――AIと精神医療DXの融合に向けて





1. 承認の背景と意義

近年、AIやデジタルバイオマーカーを用いた「SaMD(Software as a Medical Device)」が急増している。なかでも精神疾患領域は客観的指標が乏しいことが長年の課題だった。厚労省が今回承認したソフトは、うつ病診断を数値で“見える化”する日本初の医療機器であり、精神科医療のDXを象徴する出来事と言える。mainichi.jpmainichi.jp




2. 仕組み:fMRI × AIで「うつ病スコア」を算出

  • 追加撮影10分:一般的MRI検査にタスク付きfMRIを10分追加。

  • AI解析:脳活動パターンを畳み込みニューラルネットワークで解析し、正常脳との差異を学習。

  • 出力:0〜100点の「うつ病スコア」と推定確率を表示。臨床試験では約70%の鑑別精度を示した。plus-web3.com




3. 開発経緯――10年超のデータ収集と学習

川人光男氏(ATR脳情報通信総合研究所)率いるチームは2008〜18年に944名のうつ病患者と2031名の健常者を対象にfMRIデータを収集。膨大な脳活動マップを教師データに用い、症状の強弱を表す多変量特徴量を抽出した。大学病院や全国の精神科クリニック52施設が協力し、多様な症例を網羅した点も高評価の要因だ。plus-web3.com




4. 薬事承認までのプロセスと今後のスケジュール

時期里程標内容
2025/03第1段階承認SaMDクラスII相当として登録
2025/06薬事承認臨床性能試験データを提出し正式承認
2026/春保険適用申請中医協で償還価格・適応条件を審議予定
2027/前半臨床導入大学病院・基幹病院を中心に導入見込み




5. 精神医療にもたらす三つのインパクト

  1. 診断の標準化:医師間で評価が分かれる症例に客観指標を提供。

  2. 治療モニタリング:スコアの推移で薬物療法やCBTの効果を可視化。

  3. 患者エンパワメント:数値を共有することで病識形成と治療継続を支援。




6. 臨床現場での運用イメージ

  • 対象患者:初診時の鑑別診断、治療抵抗例、寛解確認など。

  • ワークフロー:MRI予約 → 追加タスク撮像 → AI解析(約15分) → 診察室で医師が結果説明。

  • コスト:保険収載後は1検査1万円前後と試算され、精神科外来による自己負担は3割で約3,000円程度になる見通し。




7. 残された課題:精度・バイアス・倫理・プライバシー

  • 精度70%問題:AI単独での診断は不可。問診・DSM-5評価と併用が必須。

  • データ偏り:日本人中心の学習データが海外展開時の性能低下を招く恐れ。

  • 説明責任:ブラックボックス化を避けるため、XAI(Explainable AI)の開発が急務。

  • プライバシー:脳活動データは究極の個人情報であり、改正個人情報保護法下での二次利用ルール整備が不可欠。




8. 海外動向との比較と日本の独自性

米国では2024年、PTSDスクリーニングAIがFDA承認を取得し、欧州でもデジタルメンタルヘルス機器の保険償還が進む。日本の強みは質の高い国民皆保険とMRI設置台数世界一の医療インフラ。既存MRIを活用する本技術はコスト・導入面で優位性を持つ。facebook.com




9. 将来展望:保険収載、疾患拡張、創薬連携

  • 保険収載:迅速な評価医療入りで普及を加速。

  • 疾患拡張:双極性障害、統合失調症、不安障害への応用研究が進行中。

  • 創薬支援:客観的バイオマーカーとして治験エンドポイントへの活用が期待。




10. まとめ――AIと精神医療DXの融合に向けて

本承認は、主観評価に依存してきた精神科医療をデータドリブンへ転換する第一歩である。精度向上と倫理的枠組み整備を両輪に、患者・医療者・社会がメリットを享受できるエコシステムを構築できるかが今後の鍵となる。



参考記事一覧

  • 毎日新聞「うつ病をAI解析で数値化 診断補助ソフトを厚労省が薬事承認」(2025年6月30日)mainichi.jp

  • PlusWeb3「うつ病のAI診断支援ソフト、厚労省が薬事承認 fMRI画像を数値解析」(2025年7月1日)plus-web3.com

  • 毎日新聞(紙面)「うつ診断、AIで解析 数値化ソフト、薬事承認」(2025年7月1日付朝刊)mainichi.jp

  • 日本精神保健福祉士協会 公式X投稿「うつ病をAI解析で数値化」(2025年7月1日)x.com

  • FDA Press Release “FDA Authorizes First AI-Based PTSD Screening Tool” (2024)

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.