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学費、仕事、履歴書。全部回す“サーカス世代”のリアル:働き方と学びの“曲芸”が限界を超える前に

学費、仕事、履歴書。全部回す“サーカス世代”のリアル:働き方と学びの“曲芸”が限界を超える前に

2025年11月13日 00:04

はじめに:学生生活は“ショー”ではない

11月11日に公開された記事は、今日の大学生が直面する現実を「サーカス」に例えた。言葉遊びではない。彼らは学費、家賃、履歴書づくり、将来不安という“道具”を空中で回し続け、落とした瞬間に生活が揺らぐ。記事の筆者アリソン・テイラー(ブリティッシュコロンビア大学)は、5年に及ぶ調査と学生への面接から、この比喩を立ち上げた。Phys.org


4つの“芸”で見る、学生の生存戦略

  • ジャグリング(同時多重):学期中でも「半数以上の学部生が就労」する現実。学内外のインターンやボランティアを加え、手の数より“球”が多い。Phys.org

  • 綱渡り(調整と再配分):支援ネットや経験の厚い学生はバランスを取りやすいが、経済的に脆弱な学生や障害のある学生は一歩ごとに足場を確かめざるを得ない。Phys.org

  • コンターション(過伸長の代償):柔軟さは美徳とされがちだが、過度な「伸び」はメンタルの悪化や中退リスクに直結する。Phys.org

  • ソードスワローイング(エネルギーの“飲み込み”):防衛本能を抑えてやり過ぎると、燃え尽きが待つ。Phys.org


何が学生をワイヤーの上に押し出すのか

テイラーは、政策・経済の言説が「ヒット・ザ・グラウンド・ランニング(即戦力)」を求め、大学に“労働市場の即応性”を迫る圧力になっていると指摘する。だが大学の時間軸は四半期決算より長く、雇用主は育成責任を担うべきで、低学費化と生活支援の拡充が必要だという。Phys.org


データで補強:両立は例外ではなく日常

テイラーの観察は海外統計とも響き合う。たとえば英HEPIの調査では、フルタイム学生の過半数が長時間就労し、学習と合計すれば週48時間規模に達するという。これは、学ぶ権利が「時間の欠乏」によって侵食されている兆候だ。ガーディアン


SNSの反応:タイムラインから聞こえる“ため息”

 


  • 「フルタイム就労とフルタイム学習の両立は無理に近い」という悲鳴。通勤・家事を含めると現実的ではない、との計算付きの投稿が支持を集める。Reddit

  • 「週50〜55時間の勤務+4科目。通学を避けてオンラインに切り替えた」という体験談。スケジュール変更が“落ちない工夫”として語られる。Reddit

  • 「短い固定ブロックで**“ロックイン”**して勉強し、休息を確保する」など、燃え尽きを避ける自助の知恵も共有される。Reddit

  • メディアの配信をそのまま流すポストも散見され、関心の広がりが伺える(ニュース配信アカウントによるシェア)。X (formerly Twitter)

これらの声は「記事の是非」よりも、「生き延びる具体術」と「制度の不在」に焦点が合っているのが特徴だ。


「即戦力」から「長い学び」へ——提案の骨子

テイラーの主張を政策言語に訳すと、次の三点に尽きる。

  1. 大学の時間軸を守る:四半期ごとの雇用流行に追従するカリキュラム増殖(マイクロクレデンシャル乱立、実習の義務化など)は慎重に。Phys.org

  2. 雇用主の“育成責任”を明確化:未払い/超低額インターンでの即戦力化ではなく、トレーニング付きの初職を増やす。Phys.org

  3. 学費と生活の底上げ:授業料抑制、給付型支援、学内雇用の公平配分で、綱から落ちない“セーフティネット”を張る。Phys.org


現場の工夫——ワイヤーの上でできること

制度が追いつくまで、学生側でできる小さな実践もある。

  • 時間の“固定化”:勉強は45〜60分の固定ブロックを毎日同時刻に(「ロックイン」)。休息も予定化して燃え尽きを防ぐ。Reddit

  • 負荷の見える化:週の総労働・学習時間を可視化し、48〜56時間帯に入ったら赤信号として科目・シフトを再調整。ガーディアン

  • オンラインと対面のハイブリッド:通学時間をカットできる場合、オンラインの活用は綱の揺れを抑える策になる。Reddit


それでも書き留めたい希望

本件の背景には、著書『Juggling Rhythms』で描かれる“リズム”の発想がある。人は機械のように常時100%を出し続けられない。だからこそ「回す」「渡る」「たわむ」「引く」——そのリズムを学ぶこと自体が21世紀の学びだ。De Gruyter Brill


結び:拍手ではなく、制度を

学生の綱渡りに「がんばれ」と拍手を送るのは簡単だ。だが必要なのは、落ちても命綱が切れない仕組みだ。大学・企業・社会の三者が役割を再配分しない限り、次の世代のショーは「成功体験」ではなく「消耗戦」として語られてしまうだろう。Phys.org


参考記事

今日の経済を生き抜くために、大学生たちはサーカスのような手法を用いています。
出典: https://phys.org/news/2025-11-survive-today-economy-university-students.html

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