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中国とロシア、国連人権活動への資金削減を試みる:人権はわずか5% - 国連“人権予算”をめぐる静かな戦場

中国とロシア、国連人権活動への資金削減を試みる:人権はわずか5% - 国連“人権予算”をめぐる静かな戦場

2025年10月23日 00:03

1) 何が起きているのか――“予算の武器化”

ジュネーブ発のロイター報道によれば、ISHR(International Service for Human Rights)の新報告は、過去5年にわたり中国とロシアが主導する小グループが、国連の人権関連業務の予算を「体系的に」削ろうとしてきたと指摘する。対象は人権高等弁務官事務所(OHCHR)や、各国の深刻な侵害を検証する特別調査の運営費だ。ISHRはこれを「予算プロセスの武器化」と呼ぶ。中国は「根拠がない」と全面否定している。 Reuters


2) 具体例:2021年・2024年に“丸ごと停止”の動議

報告が挙げる典型例は二つ。ひとつは2021年、中国・ロシアが共同で、人権理事会が設けた約17の案件に対する資金配分を一括で止めようとした動き。もうひとつは2024年、中国とロシアなどがイラン、北朝鮮、ウクライナ、ベラルーシ、エリトリア、スーダン、ベネズエラに関する調査への資金を「全面的に遮断」しようとした提案だ。いずれも最終的には不成立だったが、予算審議が実質的な「拒否権」として使われうる現実を浮き彫りにした。 Reuters


3) “五委”と助言機関――閉ざされた会議室の力学

ISHRの詳細版は、国連総会第五委員会(いわゆる「五委」=予算担当)と、その周辺機関(行政予算諮問委員会=ACABQ、計画調整委員会=CPC)の非公開交渉に焦点を当てる。そこで中国の影響力が拡大し、過度な「効率化」や「優先順位付け」の名目で人権分野を狙い撃ちする提案が繰り返されてきたと描く。ロシアは“声の大きなスポイラー”として交渉をかく乱し、中国はより静かに規範・手続を使いこなして合意形成を崩す――そうした役割分担まで読み取れる。 ISHR


4) 予算はもともと“薄い”――人権の取り分は正規予算の5%

国連の三本柱(平和安全/開発/人権)のうち、人権は歴史的に最も資金が薄い。正規予算に占める比率はわずか5%で、資金繰り悪化の直撃を受けやすい。実際、コンゴ民主共和国での調査が遅延するなど、現場の機動力低下が出始めている。 Reuters


5) 二重の危機:UN80改革 × 資金ショート

ISHRは、国連の大規模見直し(UN80イニシアチブ)と流動性危機が重なり、人権の柱に実質13%(2024年)~27%(2025年上半期)の減額インパクトが生じたと分析。米国は2025年分で15億ドルの滞納、中国は年末ギリギリの入金が常態化し、現金が年度中に使えず翌年の“値引き(クレジット)”となる逆インセンティブが働く、と具体的なメカニズムまで指摘する。人権分野へのカット率は、平和安全や開発よりも大きくなりうるとの懸念も示した。 ISHR


6) どこまでが“政治”、どこからが“制度設計”か

中国は報告書を「根拠がない」と退け、「三本柱の均衡」と「主権・内政不干渉」を重ねて主張している。一方で、中国系メディアは「バランスある人権」「主権尊重」「多極的マルチ」などのフレーミングを強調してきた。こうした語り口は、予算配分でも“経済社会権の重視”を前面に出し、政治的(と受け取られやすい)調査メカニズムを削る理屈と結びつく。 Reuters


7) 成果と限界:試みは不成功、しかし前例は残る

これまでのところ、削減・遮断の試みは成立していない。だが交渉の場で「全部止める」という極端なカードが切られた事実は、次の交渉の“出発点”を押し下げる。ISHRは、五委での投票分析でも、調査メカニズムの資金を狙い撃ちする動議が継続的に出されていることを確認した。 ISHR


8) 現場への波及:ベラルーシ・イランでの“25回”“12回”という数字

スイス公共放送の英語版Swissinfoは、ベラルーシ関連の人権メカニズムで25回、イランやロシア関連でも十数回にわたる削減試行が把握されたと伝える。これは、個別国のアカウンタビリティ施策が、予算面から計画的に狙われていることをうかがわせる。 SWI swissinfo.ch


9) SNSの反応――“払え”“守れ”“主権を尊重せよ”の三極化

 


  • NGO・専門家サイド:ISHRやその関係者はX上で報告の公開とイベントを発信。「#UN80」「#PayYourDues(会費を払え)」などのタグで、滞納・遅延が人権機能を直撃していると訴える投稿が目立つ。 X (formerly Twitter)

  • メディア拡散:報道見出しのシェアが広がり、各国のアカウントが「人権の5%」「予算の武器化」といったキーワードで拡散。 X (formerly Twitter)

  • 掲示板系:Redditでは「予算拒否権(budget veto)的に機能している」「国連の制度疲労」といったフレーミングで議論が展開。政治色の強いスレもあるが、予算過程の透明化を求める声が多い。 Reddit

  • 反論・別視点:中国系メディアは一貫して「人権議題の政治化に反対」「主権尊重」を強調し、国連での自国主導の人権決議採択など“建設的貢献”を前面に出す投稿・論説も見られる。 グローバルタイムズ


10) なぜ今これが重要か――“退潮する多国間主義”の中で

ISHR報告は、米国の分担金滞納・拠出凍結と、中国の支払遅延を“二重のショック”として描く。最大拠出国の離脱的姿勢は、相対的に中国・ロシアに財政面・制度面の影響余地を広げる。つまり「誰がカネをいつ出すか」が、そのまま人権アジェンダの強度に跳ね返る。予算技術は政治であり、政治は現場の安全と救済に直結する――このシンプルな真実が露わになった。 ISHR


11) 今後の焦点――“透明化”と“最低限の防波堤”

短期的には、(1) UN80改革の最終設計、(2) 五委・ACABQの手続透明化(利益相反のルール化やクーリングオフ導入等)、(3) 各国の拠出スケジュールの前倒しと滞納圧縮、(4) OHCHRへの自由拠出の底上げ――が要諦だ。中長期では「人権は5%」という配分をどう底上げするか。予算プロセスの“見えない拒否権”に対抗するには、制度に“最低保証”の考え方を埋め込む設計も検討に値する。 ISHR


参考記事

報告によると、中国とロシアが国連の人権活動の資金を削減しようと繰り返し試みたとのことです。
出典: https://www.investing.com/news/economy-news/china-and-russia-repeatedly-tried-to-defund-un-human-rights-work-report-says-4300359

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