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アメリカで黒人失業率が急上昇:能力主義の代償? DEI撤回と雇用格差の“再拡大”

アメリカで黒人失業率が急上昇:能力主義の代償? DEI撤回と雇用格差の“再拡大”

2025年10月14日 00:18

「黒人失業率の再上昇」は“政策の断層”の上に—連邦レイオフとDEI後退がもたらす連鎖

2025年10月12日付の米紙New York Timesは、黒人失業率の再上昇と、その背景にある連邦政府のレイオフ(人員削減)および多様性・公平性・包摂(DEI)施策の後退を大きく報じた。記事が示唆する構図はシンプルだ。景気が後退局面に入る前から、公的部門の雇用縮小とDEIの巻き戻しが、歴史的に脆弱な黒人労働市場の“防波堤”を先に削ってしまった—というものだ。筆者はこの視点を出発点に、直近の労働統計と現場の声、そしてSNS上の反応を重ね合わせ、いま何が起きているのかを立体的に描いてみたい。なお、本文中の統計・事実関係は政府公表値と複数の一次・二次情報に基づいている。Bureau of Labor Statistics



1. まず数字から:黒人失業率はなぜ目立って上がるのか

2025年夏、黒人の失業率は3カ月連続で上昇し、8月には7.5%に達した(季節調整値)。全体の失業率4.3%に対して大きくかい離し、格差は拡大している。エコノミストらは、サンプル誤差に注意を促しつつも「短期ではなく持続的な上昇が確認できる」と分析する。Economic Policy Institute


BLS(米労働統計局)の雇用統計は、連邦政府雇用が1月のピークから8月までに97,000人減少したと明記する。公的雇用の縮小は、地域の“安定雇用”の受け皿を痩せさせ、サービス産業など民間の急ブレーキ時に緩衝材を失わせる。Bureau of Labor Statistics


さらに、8月時点で非農業部門の純増は+22,000人にとどまり、勢いの鈍化が続いた。労働参加率や就業率の鈍化も重なり、特に脆弱なセグメントから痛みが表面化している。Bureau of Labor Statistics



2. 政策ショックの二重奏:レイオフ+DEI後退

構造的な格差に加えて、政策起因のショックが2025年に濃縮して襲った。ひとつは連邦政府のレイオフである。政府閉鎖(シャットダウン)の長期化と併走しながら、行政管理予算局(OMB)は「大規模レイオフが開始」されたと公表。CDCなど主要機関でも人員整理の動きが相次いだ。federalnewsnetwork.com


同時に、1月の大統領令によって連邦のDEIプログラムは終了となり、契約・採用・研修などに組み込まれていた多様性確保の制度的後押しが外れた。さらに関連する命令や規則の撤回・改定により、連邦契約の均等待遇を支えてきた仕組みに揺らぎが生じた。これらは短期にはコスト削減に映るが、中長期には採用パイプラインと昇進機会の縮小を通じて、黒人労働者—とりわけ黒人女性—の職業的上昇のラダーを壊す可能性が高い。The White House



3. 最前線で起きたこと:黒人女性の雇用が“先に折れる”

2025年春以降、黒人女性の雇用指標は急速に悪化した。民間・公的の双方で30万人規模の離職・解雇が話題となり、夏場にかけて黒人女性の失業率は6〜7%台へ。これに対し、白人女性の失業率は相対的に低位で推移し、ギャップは拡大した。複数の分析や報道は、連邦の人員削減とDEI後退を主要因の一つとして挙げる。Non Profit News | Nonprofit Quarterlynationalpartnership.org


現場では、官庁系の事務・人事・研修・渉外など、DEIや人材育成と親和性の高い役割が縮小しやすく、職務の再定義や“再競争”で周辺化する例が増えた。民間でも、連邦と取引の多い契約企業で再入札・契約再編の波が走り、アウトソーシングの整理に伴う清掃・保守・ITサポートなどの低〜中賃金職が連鎖的に減少した。地域紙やビジネス媒体の報道も、国防医療拠点や連邦契約企業での百人規模の整理が続く現実を伝えている。San Antonio Express-News



4. SNSの反応:拡散する「統計」と「実感」の距離

SNS上では、NYT記事の見出しと同趣旨のスレッドが拡散した。経済記者・研究者のアカウントは、黒人失業率のトレンド悪化と公的部門の雇用減を結び付けて解説し、「月次のブレではなく、累積の上昇に注目すべきだ」との慎重なスタンスを示した。一方で、現場の当事者や支援者は、シャットダウン中の“日常”や生活防衛の工夫を投稿し、政策の“副作用”を可視化した。X (formerly Twitter)


政治家からの反応も強い。連邦議員らは**「黒人女性の排除」**に警鐘を鳴らし、雇用統計の速報値と現場感覚のギャップを問題視。「経済と倫理の両面での危機」だとする声明も出た。Ayanna Pressley



5. データの“盲点”:政府統計が止まると、何が見えなくなるか

今回の政府閉鎖により、BLSの主要レポートは公表遅延や暫定対応を余儀なくされた。労働市場の転換点ではタイムリーな統計が政策決定に不可欠だが、その根幹が揺らぐことで金融政策・財政配分・地方予算編成に見えない遅延コストが生じる。CPI(消費者物価指数)算出のために一部職員が呼び戻されるなど、臨時措置がとられたこと自体が“非常事態”のサインだ。ポリティコ



6. 反論もある:DEIの撤回は「能力主義の回復」か?

ホワイトハウスは、連邦DEIの終了を**「違法な差別の是正と能力主義の回復」**と位置づけ、コスト削減と行政効率化を強調する。規制の撤廃は企業活動の柔軟性を高め、長期的には投資と雇用を刺激するという理屈だ。だが短期的には、採用・昇進の公平性を担保する“手すり”が外れ、弱い立場にある労働者が先にしわ寄せを受けるリスクは高い。政策の評価は、分配と効率の両面で、誰が得をし誰が損をしたかの検証によってのみ可能になる。The White House



7. いま起きている“静かな信用収縮”

レイオフは統計上の失業だけでは終わらない。家計は耐久消費を先送りし、地域のサービス需要が縮む。クレジットの審査は厳格化し、家賃や教育費の滞納が波及する。こうした**“静かな信用収縮”は、まず差別に脆弱な世帯を直撃し、やがて地域経済全体の景気後退を呼び込みうる。投資家・金融機関にとっても、公的部門の縮小は契約履行リスクや支払い遅延の監視項目を増やす要因だ。8月の雇用統計にすでに政府部門の弱さ**が表れたことは、その予兆と読める。Bureau of Labor Statistics



8. これからの検証ポイント(チェックリスト)

  1. 黒人失業率の推移(季節調整):7.5%からの反転が確認できるか。次回公表までの遅延にも留意。Economic Policy Institute

  2. 連邦雇用の減少幅:97,000減からさらに拡大するか、政府閉鎖の長期化で加速するか。Bureau of Labor Statistics

  3. DEI後退の波及:連邦→連邦請負→自治体・学術→民間へと“制度的手当の剥落”が続くか。The White House

  4. 地域クラスターの悪化:ワシントンD.C.圏や軍需・医療拠点での再編と再就職の成否。San Antonio Express-News

  5. 政策対応:議会・州政府・都市の緊急職業訓練や再就職助成の立ち上がり、裁判所による執行差し止めの動き。callaborlaw.com


9. 結論:雇用は“テコ”、DEIは“テザー”

雇用は景気の“テコ”であり、DEIは脆弱な層を市場に繋ぎ止める“テザー(命綱)”として機能してきた。いま、その二つが同時に弱っている。短期的には財政・行政コストの節約に見えても、労働参加の断絶は将来の税収・生産性・社会安定に高い代償をもたらす。データのブレを超えて、連邦レイオフ+DEI後退→黒人労働の機会縮小という大局は明確だ。必要なのは、一時的な統計改善ではなく、再訓練・保育支援・公共職の再建といった接続回復の政策である。政策のスイッチは既に切り替わった。あとは、**どれだけ速く、どれだけ的確に“つなぎ直せるか”**に未来が懸かっている。Bureau of Labor Statistics



SNSハイライト(要約)

 


  • 経済記者のX投稿:「黒人失業率の上昇と連邦雇用減少はリンク。月次ブレより累積のトレンドに注目を」(要旨)。X (formerly Twitter)

  • 連邦職員の“シャットダウン日記”:給与停止や副業探しなど生活の実態が拡散。Axios

  • 議員の声明:「黒人女性の押し出しは経済・倫理両面の危機」。対策ヒアリングを継続。Ayanna Pressley


参考記事

黒人の失業率が再び急上昇しています。今回は状況が異なります。
出典: https://www.nytimes.com/2025/10/12/business/economy/black-unemployment-federal-layoffs-diversity-initiatives.html

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