メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

AIビリオネアは希望か、分断か : AIの新・金鉱は「人間の専門性」だった — データ経済で跳ねる若者たち

AIビリオネアは希望か、分断か : AIの新・金鉱は「人間の専門性」だった — データ経済で跳ねる若者たち

2025年12月25日 00:05

“AIで仕事が減る”のに、“AIで億万長者が増える”というねじれ

「AIのせいで新卒・若手の入口が狭くなる」——そんな不安が広がる一方で、同じAIが“超富裕層への最短ルート”にもなっている。Fortuneの公開要約では、30歳未満の“自力で富を築いた”若手ビリオネアが過去最多ペースで増え、直近3カ月だけで11人が新たにビリオネア級に到達し、そのうち多くがAI関連で資産を伸ばした、という趣旨が示されている。フォーチュン


この現象を「夢のある話」と受け取る人もいれば、「格差の加速装置」と見る人もいる。重要なのは、いま起きているのが“努力が報われた”という単純な成功譚というより、AI時代特有の“価値の生まれ方”が、富の偏在を極端にしているという点だ。


記録更新の背景:富が“売上”ではなく“評価額”で生まれる時代

Times of Indiaは、Forbesの分析として「20代でビリオネア級に到達する起業家が過去記録を更新し、特に年末にかけて短期間で一気に増えた」と報じる。ポイントは、時間をかけて利益を積み上げたというより、大型の資金調達(レイトステージ)で評価額が跳ね、創業者株が“紙の資産(paper wealth)”として膨張する構図だ。The Times of India


工場も在庫も大規模人員もなく、少人数のソフトウェアチームが一気に世界市場へ到達できる。AIは“拡大の摩擦”を減らし、従来なら10年かかったスケールを数年に圧縮する。ここで生まれるのは「収益の増加」だけではない。「次の覇者を取り逃がしたくない」という投資マネーが評価額を押し上げ、創業者の資産額を一気にビリオネア圏へ押し上げる。


もちろん“紙の資産”は万能ではない。ロックアップや売却制限、株価・評価額の変動、IPO環境の悪化で、明日の資産額が目減りすることもある。だが、短期間で「人生の選択肢」が変わる規模の資産が生まれやすいのは事実だ。


AIが生んだ「新・金鉱」:学習データと“人間の専門性”が高値で売れる

若手ビリオネア増加を象徴するのが、AIモデルの学習を支える“人間の知”の市場だ。


The Vergeの長編では、Mercorの軌跡が具体的に描かれる。Mercorは元々、海外エンジニア採用を自動化する“ハイテク人材エージェンシー”のような形で始まり、AIブームの中で「AIモデルを鍛えるための専門家ネットワーク(データ供給)」へ急速に寄っていった。AI企業が求めるのは、単なる大量データではなく、プログラミングや金融など領域知を伴う“高品質データ”。その需要の爆発で、Mercorは巨額の評価を得ていく。The Verge


ここが重要だ。AIの進化は「人間が不要になる」側面だけでなく、“AIを賢くするための人間”が高値で売れる側面も持つ。つまり、入口の仕事が削られる一方で、別の場所では「専門性を“採点基準(ルーブリック)”として言語化できる人」「モデルに“正解の型”を教えられる人」が、これまでになく価値を持つ。


もう一つの象徴:元バレリーナが“予測市場”でビリオネア級へ

AIだけが“若手富裕化”の燃料ではない。予測市場(prediction markets)の急成長も、その一角を担う。


MoneyWeekは、Kalshi共同創業者のLuana Lopes Lara(ブラジル出身、元バレリーナ)が、予測市場のブームで注目を集めたと伝える。Kalshiはゆっくり成長していたが、2025年に入って評価が急伸し、推定で評価額が大きく跳ねたという。彼女のキャリア転換(バレエ→MIT→起業)は、いかにもSNSで拡散されやすい“物語性”を備えている。MoneyWeek


ここでも共通するのは、「インフラを持つ巨大企業」より、「規制・制度・データを読み解き、ソフトウェアで市場を再設計する」プレーヤーが跳ねる時代になっていることだ。



SNSの反応:称賛と違和感が、同じタイムラインで衝突する

今回のテーマがSNSで伸びやすいのは、感情の導線が真逆に割れるからだ。実際の投稿・コメント由来で、反応を“類型”として整理するとこうなる。


1)「夢がある」「若さ×AIはチート」——加速を称える声

Mercorの共同創業者が“22歳でビリオネア級”という文脈は、LinkedInなどで「次の世代の起業家像」として語られやすい(「Zuckerbergの記録を更新」といった語り口も多い)。linkedin.com


またEconomic Timesの取材では、共同創業者が急成長を「surreal(現実感がない)」と表現しており、この“当事者の言葉”もSNSで引用されやすい。The Economic Times


典型コメント(要旨)

  • 「AI時代は“少人数で世界を取る”が現実になった」

  • 「学校よりプロダクト。とにかく作れ」

  • 「“若いから無理”が通用しない時代」


2)「それ、本当に“自力”?」——“self-made”への反発・ツッコミ

一方で、“self-made(自力)”というラベル自体に違和感を示す声は根強い。特に、評価額ベースの資産や、VC資金で一気に膨らむ「紙の富」に対しては、「労働・利益・納税で積み上げた富と同列に語るな」という反応が出やすい。


Hacker Newsでも、若手ビリオネアをめぐる議論は「例外はいる」「そもそも定義が難しい」「以前ビリオネアだったが今は違う」など、ラベルの揺れを突く方向に流れやすい。Hacker News


典型コメント(要旨)

  • 「“未上場株の評価”を資産として断定するのは危うい」

  • 「市場環境が変われば一夜で崩れる」

  • 「“自力”を名乗るなら、資本と制度の追い風も語るべき」


3)「若者の入口が消えるのに、一部だけ億万長者?」——格差への怒り

今回のFortune要約が示す軸の一つが、“AIでエントリーレベルが揺れる一方、AIで富が生まれる”という対比だ。フォーチュン


この点は、雇用の議論と直結して燃えやすい。Hacker Newsでは、エントリーレベル職がAIで減っているのかをめぐり、懐疑と実感がぶつかる(例:「本当かな?」という書き出しのコメントなど)。Hacker News


典型コメント(要旨)

  • 「最初の一歩(インターン・ジュニア)がなければ、次世代は育たない」

  • 「“効率化”の果実が、雇用ではなく資本側に偏っている」

  • 「少数の勝者と多数の不安定化、という構図が加速している」


4)「AIで儲ける企業こそ、労働を雑に扱うのでは?」——倫理・待遇への疑念

さらに火がつきやすいのが、“AIの裏方”で働く人々の待遇だ。PEOPLEは、Mercorをめぐって、契約ワーカーの報酬変更やプロジェクト打ち切りを巡る反発があったと報じ、当事者の声として「私たちは実在する人間で、予告や配慮が必要だ」といった趣旨の発言も紹介している。People.com


The Vergeの取材でも、データ供給の現場は「需要爆発」と「訴訟・混乱・品質管理」の同居が描かれており、AIの“勝ち筋”がそのまま“摩擦の現場”を生む構造が見える。The Verge


典型コメント(要旨)

  • 「AIで富を作るなら、支える人の報酬と透明性もセットで語れ」

  • 「“人間の専門性が高値”と言いながら、現場は不安定では?」



じゃあ、私たちはこのニュースをどう読むべきか

結論はシンプルで、希望と危機は同時に進む。

  • 希望:AIは、若くても、小さなチームでも、世界市場に触れる“レバレッジ”を与えた。データ・制度・プロダクト設計が噛み合えば、成功は指数関数的に加速する。The Verge

  • 危機:同じ加速が、入口の雇用を細らせ、富の偏在を強める。しかも“紙の富”が先に立つことで、社会の体感格差は実態以上に刺激される。Hacker News

  • 現実:AIの勝者たちも、結局は「人間の専門性」「規制」「市場心理」に依存している。つまり、個人の努力だけでなく、制度・資本・タイミングの設計が勝敗を左右する。


若手ビリオネアの増加は、“若者が夢を見られるニュース”であると同時に、“社会がどこで分断されるか”を映す鏡でもある。AIが「一部の天才のロケット」だけで終わるのか、「広い層の生産性を底上げする道具」になれるのか。SNSの賛否が割れるのは、その分岐点に、私たちがすでに立っているからだ。



参考記事

30歳未満の自力で億万長者になった人々がこれまで以上に増えています。特に、過去3か月間で11人がAIのおかげで超富裕層の仲間入りを果たしました。
出典: https://fortune.com/2025/12/23/more-self-made-billionaires-under-30-than-ever-before-11-made-ultra-wealthy-club-last-3-months-ai-unemployment-entry-level-jobs-also-creating-wealth-tech-startups/

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.