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ID・顔スキャン時代の落とし穴:「年齢確認の逆説」 — 順法サイトが沈み、無確認サイトが伸びる英国の現実

ID・顔スキャン時代の落とし穴:「年齢確認の逆説」 — 順法サイトが沈み、無確認サイトが伸びる英国の現実

2025年09月02日 00:06

英国「年齢確認」法は“順法サイト潰し”?──流入増は無確認サイト、減るのは対策したサイトという逆説

英国で7月下旬から本格施行されたオンライン安全法(Online Safety Act)の年齢確認ルールが、ウェブのトラフィック地図を塗り替えている。年齢確認を実装したサイトほど英国からの訪問が落ち込み、逆に確認を行っていないポルノサイトへの流入が急増――そんな「意図せざる結果」が、主要メディアの分析で浮き彫りになった。TechCrunchThe Washington Post


何が起きたのか:データが示す“逆流”

TechCrunchは、ワシントン・ポストの分析を引用し、英国上位90のポルノサイトのうち14サイトが年齢確認を未実装のままだったと報告。これら未実装サイトは英国ユーザーのトラフィックが前年比で倍増する例まで出る一方、実装した側はアクセスが急減したという。TechCrunchThe Washington Post


この「逆流」を説明するキーワードは“手間”と“心理”だ。IDアップロードや顔スキャンに抵抗を覚えたユーザーが、確認不要な別サイトへ即座に回遊する。規制の狙いは未成年保護だが、成人の離脱が先に可視化された格好だ。市民ラボ(Citizen Lab)のジョン・スコット=レイルトンは「意図せざる結果の教科書」と評し、順法サイトのトラフィックを抑えつつ、**無確認サイトを相対的に“ご褒美”**していると指摘した。The Washington Post


施行の現場:緩い網と濃いリスク

規制当局のOfcomは複数の調査着手を明らかにしているが、ポストが確認した未実装14サイトのうち名指しは一部に留まる。違反の重いケースでは広告遮断やISPへの要請による実質的な接続遮断もあり得るとしつつ、取り締まりの優先順位付けに指標を用いる段階だ。The Washington Post


一方、VPN利用が急伸するなど“抜け道”も拡大。政府高官がテレビでVPNの危険性に言及した直後、VPNアプリがストア上位に躍り出たという皮肉な反応も報じられた。The Washington Post


影響はポルノの外へ:プラットフォーム全域の“年齢ゲート化”

年齢確認義務はポルノ限定ではない。SNSやコミュニティも、子どもの有害コンテンツ曝露を防ぐ設計・運用が求められ、RedditやBlueskyが英国ユーザーに対し一部年齢確認を導入。ゲームプラットフォームでも、Steamが英国ユーザーの成人向けコンテンツにクレジットカード登録を要求し始めたとの報道が出た。The Washington PostRedditPC Gamer


コストと副作用:小規模サイトほど重い“負担税”

年齢推定やID確認の実装には外部ベンダーへの支払いが発生し、顔1回10~25セント程度という目安も出回る。小規模掲示板やファンクラブサイトには実装・運用の固定費が重く、英国からのアクセスを遮断する選択を取る例もある。The Washington Post


グローバルの波紋:米国では“州法ドミノ”と逆回転

米国では2022年以降、25州が成人向けサイトの年齢確認法を成立させ、最高裁がテキサス法を容認、ミシシッピ州の強硬法も事実上の施行へ。分散SNSのBlueskyはミシシッピ州で全面ブロックを選択し、対策コストとプライバシーへの懸念を理由に撤退した。The Washington PostTechCrunchWIRED


SNSの反応:プライバシー不信と“生活の不便”

 


  • EFF(電子フロンティア財団)はマストドンで、英国Redditの年齢確認展開を「オンラインのプライバシー、安全、表現にとって悪夢」と批判。長文ブログでも、匿名性の喪失と過剰収集が弱者に不利益を与えると訴えた。Mastodon hosted on mastodon.socialElectronic Frontier Foundation

  • Open Rights GroupはXやブログで、英国の年齢確認は**“失敗した”と断じ、顔スキャンやID提出が事実上の常態化**になると警鐘。Open Rights Group+1

  • Redditのr/privacyでは「安全で信頼できるオンライン年齢確認は存在しない」「業界は漏洩だらけ」といった冷笑的な声が上位に。リークの火種を素人に分散させる愚策だとする投稿も目立った。Reddit

  • 研究者のスコット=レイルトンはXで「長期的な帰結は否定的で意図せざるもの」と連投。順法サイトほど損という構図が、健全化どころか地下化を進めると危ぶむ。X (formerly Twitter)


それでも「子どもを守る」は正義——解はどこに?

擁護派は、「クリックで自己申告」をやめさせ、実効的なガードレールを立てる必要性を強調する。一方で、顔認識やIDスキャンは大量のセンシティブデータをウェブ中にばらまく副作用が大きい。アプリストア側の一括年齢管理に役割を寄せる案もあるが、万能ではない。議論はプライバシー/表現の自由/安全の三すくみだ。AP News


より良い設計へ:年齢確認「だけ」に頼らない

Public Knowledgeは「子どもを傷つける本丸は“機能設計”」だと論じる。おすすめアルゴリズム、DMの既定値、スクロール中毒のデザインなど、年齢チェック不要で被害を減らせる改修は多い。英国も有害接触の設計上の予防(見知らぬ大人からのDM遮断など)をコードに明記しており、“設計の安全”と“年齢確認”を併用するルートが現実解に近い。Public KnowledgeGOV.UK


結論:規制は“結果”で評価される

「子どもを守る」旗印は揺るがない。しかし現状の英国は、順法サイトが損をし、非順法サイトが得をするという逆激励(perverse incentive)を生み、VPN市場と匿名サイトを肥らせている。必要なのは、執行の実効性(未実装サイトへの迅速な制裁)と、プライバシー最小化・設計改善を束ねた総合パッケージだ。法律は理念ではなく実測値で裁かれる。現状のKPIは、残念ながら逆方向を指している。The Washington Post


参考記事

イギリスの年齢確認法は、遵守するサイトに悪影響を与え、遵守しないサイトを助けているようだ
出典: https://techcrunch.com/2025/08/31/uk-age-check-law-seems-to-be-hurting-sites-that-comply-helping-those-that-dont/

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