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「戦争が終わらないならトマホーク」トランプ発言が揺らすウクライナ戦争の均衡

「戦争が終わらないならトマホーク」トランプ発言が揺らすウクライナ戦争の均衡

2025年10月14日 00:08

1)「戦争が終わらないならトマホーク」——機中で放たれた一言

10月12日、イスラエルへ向かう大統領専用機の機内。ドナルド・トランプ大統領は記者団に向けて、ロシアがウクライナ戦争を早期に終わらせないなら、米国はウクライナにトマホーク巡航ミサイル供与を検討し得ると語った。発言は曖昧さを残しつつも、「本気の圧力」であることを示した。補足として大統領は、直接の米ウクライナ取引ではなく「NATO経由」の形を模索し、使用方法への“確約”を求める考えも示している。ここには、法的・同盟政治的なコストを抑えながら、対露シグナルを最大化する計算がにじむ。 Reuters


2)ロシアの即時反応——「質的に新段階のエスカレーション」

この発言はモスクワを直撃した。クレムリンは「深刻な懸念」を表明し、プーチン大統領も「質的に新しい段階のエスカレーション」だと牽制。さらに、前大統領のドミトリー・メドベージェフは、トマホークが核弾頭か通常弾頭か発射後に区別できない点を持ち出し、危機管理面の危険性を強調した。核の影を意図的に前景化し、米側のコスト計算を吊り上げる“核恫喝のレトリック”である。 Reuters


3)ウクライナの“限定使用”誓約——反撃の長い腕を手にする意味

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、もし供与されればトマホークは「軍事目標に限定して使う」と明言した。トマホークの射程はおよそ1,600〜2,500kmクラス(派生型により差)。ウクライナが保有すれば、ロシアの後方拠点・指揮・補給の要所に対し、より遠方・深部からの精密打撃が可能になる。空軍や弾薬庫、発電施設への攻撃を続けるロシアに対して、抑止と対価引き上げの“長い腕”を手にすることを意味する。 Al Jazeera


4)「NATO経由」というバイパス案の真意

トランプが口にした「NATO経由」は、軍需品の移転責任や輸出管理を同盟で分担する設計であり、国内政治の摩擦を抑えつつ国際的正統性を高める狙いがある。供与形態としては(1)米在欧在庫の拠出、(2)英・加など保有国の移転に米が同意、(3)共同調達の枠組み——があり得る。どれにせよ、使用の地理的制限、標的類型の限定、リアルタイムの使用監督といった「運用ガードレール」が鍵になるだろう。 Reuters


5)停戦レバーか、エスカレーション・ラダーか

長距離打撃能力の付与は、交渉の“痛点”を作り停戦を近づけるテコになりうる。実際、トランプは「早期に戦争を終わらせる」ための圧力として示唆している。しかしロシア側はそれを対話誘導ではなく恫喝と受け取り、報復的な対抗措置で均衡を取りに来る可能性が高い。最悪、核の示威やサイバー・宇宙領域でのエスカレーションを誘発する。ここで問われるのは、米欧がどこまで“段階的明確性(graduated clarity)”でシグナル設計を詰め、予見可能性を担保できるかだ。 AP News


6)トマホークという兵器の“政治学”

トマホークは海上・陸上から発射可能なサブソニック巡航ミサイルで、地形追随で防空網の隙間を縫う。価格は約130万ドルとも報じられ、コスト対効果の面で“高価だが確実な外科手術”の代表格だ。米国が供与すれば、ロシアは戦域の奥深くにまで対空・分散配置を強いられ、補給線の再設計を余儀なくされる。一方で、ウクライナにとっては「使いどころを厳選する希少資産」になり、目標選定・情報融合・欺瞞(デコイ)・対電波妨害といった総合運用力が試される。 www.ndtv.com


7)国内政治の回路——“強硬トランプ”の帰還?

ここ数週間のトランプは、従来の「譲歩もあり得る」ニュアンスから、「ウクライナは占領地を取り戻せる可能性」に言及するなど、ロシアへの態度を引き締めている。イスラエル・ガザ情勢とも絡み、対テロ・対権威主義の枠組みで外交を再編しようとしているように見える。議会・世論の分極化を考えると、供与の是非は「停戦を近づける具体的設計(範囲・監督・期限)」に落とし込めるかで支持の幅が決まるだろう。 AP News


8)SNSの反応——ハッシュタグが映す賛否

 


今回の発言はX(旧Twitter)やInstagramでも一気に拡散した。安全保障系アカウントからは「トマホークはウクライナの射程と抑止力を大幅に拡張する」との論調が目立つ。一方で「核リスクを徒に高める軽率なカード」「ロシアの交渉コストだけを上げ、合意を遠のかせる」と警鐘を鳴らす声も根強い。ハッシュタグ〈#Tomahawks4Ukraine〉や〈#TomahawksNow〉には支持・反対の論旨が混在し、世論の分断がそのままタイムラインに投影された。 X (formerly Twitter)X (formerly Twitter)

  • 支持派の代表的論点(要約)

    • 「深部打撃で露軍の補給・司令系統にコストを課せる。停戦交渉の痛点になる」 X (formerly Twitter)

    • 「冬季の電力網攻撃を抑止できる可能性がある」 ABC News

  • 反対派の代表的論点(要約)

    • 「ロシアの“核レトリック”に現実の口実を与え、誤認・誤算のリスクを高める」 Reuters

    • 「欧米が使用監督に関与せざるを得ず、巻き込まれの危険を増す」 ニュースウィーク


9)合意への設計図——3つのガードレール

仮に供与が現実味を帯びるなら、以下の3点が停戦レバーとしての機能を左右する。

  1. 地理的・標的の明確な制限
    ロシア本土の軍事目標に限定するのか、占領地域に限るのか。エネルギー・送電施設などデュアルユース設備への攻撃をどう扱うか。ゼレンスキーの「軍事目標限定」誓約を、第三者検証つきで制度化できるかが肝になる。 Al Jazeera

  2. 透明性のある使用監督
    NATO側がミサイル計画の一部に“透明な見える化”を導入し、意図の誤認を減らす。発射前承認や事後監査、飛翔・終末のテレメトリ共有など、ロシアに対する「核ではない」保証の仕組みも検討に値する。

  3. 段階的シグナリング
    供与の準備→限定数→拡大量→停止条件という“階段”を事前提示し、ロシアの行動変化と連動させる。交渉ベースでの“可逆性”を残すことで、過剰反応のコストを避ける。


10)「最後通牒」か「安全弁」か——結論

トマホークは停戦を引き寄せる圧力にも、泥沼化を招く火種にもなる。いま必要なのは、強圧と抑制を両立させる“デザインされた強硬さ”だ。NATO経由の法的枠組み、ウクライナ側の運用誓約、ロシアへの限定性シグナル——この三点をパッケージとして同時に進めることで、エスカレーション・ラダーを上るのではなく“降りる階段”を構築できる。トランプ発言は、世界にその設計を迫っている。



参考記事

トランプ氏、ウクライナへのトマホークミサイルの送付を検討する可能性を示唆
出典: https://www.infomoney.com.br/mundo/trump-diz-que-pode-considerar-enviar-tomahawks-para-a-ucrania/

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