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ひまわり畑に三脚、民家に無断侵入で庭木切断——一部「撮り鉄」の最悪マナーが各地で問題化

ひまわり畑に三脚、民家に無断侵入で庭木切断——一部「撮り鉄」の最悪マナーが各地で問題化

2025年09月06日 19:02

序章:日本独自の鉄道写真文化と、その影の部分

日本には「撮り鉄(toritetsu)」をはじめ、多様な鉄道ファンのサブカルチャーが存在します。撮影に特化した愛好家は全国の名所に集まり、車両の編成美や季節の風景と列車の共演を追い続けてきました。背景には世界有数の鉄道網、車両バリエーション、準時性の高さ、そして「ここでしか撮れない瞬間」を共有する文化があります。海外メディアも、日本の鉄道ファンの細分化や熱量をしばしば紹介しています。ワシントン・ポスト日本鉄道クラブ


しかし近年、その一部で「ルール無視」「他者排除」を伴う過激な行動が顕在化。写真映え(SNS映え)を優先するあまり、他の来場者を怒鳴りつけたり、禁止区域に入り込んだり、私有物を毀損したりするケースが報じられています。海外の写真系メディアも、撮り鉄コミュニティの一部に犯罪・迷惑行為が連鎖している実情を指摘しています。ペタピクセル



事例①:岐阜・大垣ひまわり畑——「黄色の共演」を巡る怒号と三脚問題

東海道新幹線の高架近くに広がる「大垣ひまわり畑(平町)」は、約3.1ヘクタールに14万本が咲く夏の名所。開花時期にはドクターイエロー(検測車)との“ダブルイエロー”を求め、多くの来訪者が集まります。大垣市公式サイト+ 1


2025年8月、混雑の中で一部の撮影者が来場者に「邪魔!」などと怒号を浴びせる場面が確認され、地元テレビは「三脚・脚立の持ち込み禁止検討」まで報道。法律専門メディアも、運営側の注意喚起(怒号の禁止、占有の回避、三脚・脚立の扱い等)を解説しました。ホームテレビ弁護士ドットコム


ポイント
・畑側は“写真撮影そのもの”を否定しているわけではない。
・ただし来場者の安心・安全と景観保護を最優先し、迷惑行為が続く場合は持込機材の規制を強化する方針。 弁護士ドットコム



事例②:長野・しなの鉄道沿線——民家の庭木を無断で切断

2025年8月上旬、長野県信濃町のしなの鉄道沿線で、撮影者が民家の敷地に無断侵入し庭木を切断する重大なマナー違反が発生。鉄道会社は、10年以上続けてきた「115系の行路表(月次の運行情報)」の公表を9月から取りやめると発表しました。沿線住民からの苦情が続いていたことも明らかに。地域メディアは、背景として度重なる迷惑行為を指摘しています。TBSニュースディグ


この“庭木切断”は、所有者の財産権侵害であり、刑法261条の器物損壊罪に該当し得ます(3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)。city.takikawa.lg.jp



事例③:過去にも——私有地の樹木を勝手に伐採、線路立入で列車遅延

2022年には、人気列車「やくも」撮影を巡り、私有地の柿の木が勝手に切られたとの報道がありました。TBSニュースディグさらに、線路内侵入により列車が緊急停止・遅延したケースは複数確認されています。行為の悪質化に伴い、鉄道各社は情報公開を絞るなどの対応を取ってきました。ja.wikinews.org



どこからが“アウト”か:法的枠組みの基本

① 私有地侵入
民家の敷地など“住居や邸宅等”に無断で入れば、刑法130条(住居侵入等/不退去)に問われ得ます。 ウィキブックス


② 田畑への立入
「入ることを禁じた場所」や他人の田畑に正当な理由なく入る行為は、軽犯罪法1条32号によって拘留または科料の対象。畦道・農地は作物や土壌を傷めるため、特に注意が必要です。 東京・埼玉の理系弁護士e-Gov 法令検索


③ 樹木・設備の破壊
他人の樹木を切る・折るなどは器物損壊罪(刑法261条)。街路樹等の公共物は道路法違反も絡み得ます。 city.takikawa.lg.jp



鉄道会社・専門団体のルールとマナー

鉄道各社は駅構内・沿線の安全確保のため、撮影時の禁止事項を明示しています。たとえばJR東日本は「線路内・立入禁止区域への進入」「ホームでの三脚・脚立の使用」「フラッシュ撮影」「大声で騒ぐ行為」などを禁止事項として掲示。悪質な場合は法的措置も明言しています。JR東日本また、鉄道写真のプロ団体は「田畑や私有地に勝手に入らない」「譲り合い」「乱暴な言葉は避ける」といった基本を繰り返し訴えています。日本鉄道写真作家協会



なぜ過熱するのか:レア度・SNS拡散・FOMO(見逃し恐怖)

  • レア車両の希少性:ドクターイエローの走行予定は公表されないことが多く、目撃情報や“予測”に人が殺到しやすい。 岐阜新聞デジタル

  • SNSの拡散圧:同じ場所・同じ構図で“最前列”を確保したい心理がエスカレートしやすい。

  • 同調圧力:現地での過剰な場所占有や怒号が“常態化”すると、初めての来訪者も空気に飲まれる。

  • 情報公開のジレンマ:鉄道会社や自治体が“親切心で公開した情報”が、逆に迷惑行為を呼び込む場合がある(しなの鉄道の運用表非公開化は、その副作用への対策でもある)。 TBSニュースディグ



現地でトラブルに巻き込まれないための実践ガイド

Do(推奨)

  • 公道・公開スペースから撮る。農地・私有地は事前許可が原則。

  • 三脚や脚立は禁止場所(駅ホーム等)がある。現地掲示・公式案内を必ず確認。 JR東日本

  • 列に並ぶ/先着順の暗黙ルールを尊重。譲り合い、声掛けは丁寧に。 日本鉄道写真作家協会

  • イベント会場の運営指示(滞在時間、機材制限、通路確保)に従う。大垣ひまわり畑は“占有しない・怒号禁止・機材持込制限の検討”を明示。弁護士ドットコム

しないでください

  • 田畑や私有地への立入(たとえ畦道でもNGのことが多い)。軽犯罪法に触れます。 東京・埼玉の理系弁護士

  • 敷地・庭木への接触/伐採(器物損壊に該当し得る)。 city.takikawa.lg.jp

  • ホームでの三脚・脚立やフラッシュによる撮影(鉄道事業者が禁止)。 JR東日本

  • 怒号・威圧・排除(“他の人の楽しみを奪う”最たる行為)。 ホームテレビ



もし目撃したら?——安全第一で、主催者や警察に通報

  • 会場スタッフ(実行委員会・警備員)への通報が最優先。

  • 身の危険を感じる場面では、近くの人と一緒に離れる。

  • 悪質な器物損壊・住居侵入が疑われる場合は110番通報——法令違反の可能性が高い。ウィキブックス東京・埼玉の理系弁護士city.takikawa.lg.jp



主催者・自治体・鉄道会社への示唆

  • 撮影区画や導線の設計:三脚ゾーン/フリースペースの明確化、時間制の回転、視程確保のための視線誘導。

  • 多言語サイン(日本語・英語・中国語・韓国語)とピクトグラムで“禁止・許可”を可視化。

  • 機材ルールの明示:三脚・脚立・ドローン・望遠の扱い、通路・非常導線の確保。

  • 情報公開のメリハリ:運行情報・目玉車両の扱いは安全配慮とセットで。実際、しなの鉄道は“非公開化”で人流を落ち着かせる判断をとった。 TBSニュースディグ



文化を守るために:撮影者側の視点も

撮り鉄の大多数は、ルールを守り、地域に配慮しながら楽しんでいます。日本の鉄道写真文化は、礼節や共同体感覚とともに育まれてきました。JRの公式メディアも、安全・マナーを前提とした撮影の楽しみ方を丁寧に紹介しています。 JRE MALLメディア


だからこそ、一部の逸脱が文化全体の信頼を損なわないよう、撮影者・主催者・地域が同じ方向を向くことが重要です。プロ団体の「譲り合い・私有地配慮」の呼びかけも、継続的に広めたい実践知です。 日本鉄道写真作家協会



用語ミニガイド(簡単日本語)

  • 撮り鉄(toritetsu):列車を撮影することを主に楽しむ鉄道ファン。

  • ドクターイエロー:新幹線の点検用車両の愛称。運行予定は原則非公開。 岐阜新聞デジタル

  • 住居侵入罪(刑法130条):他人の住居や邸宅等に無断で入る犯罪。 ウィキブックス

  • 軽犯罪法1条32号:立入禁止場所や他人の田畑に正当な理由なく入ると処罰。 東京・埼玉の理系弁護士

  • 器物損壊罪(刑法261条):他人の物を壊す・傷つける犯罪。樹木の無断伐採も含む。 city.takikawa.lg.jp



結論は

ひまわり畑に三脚を据える、見物客へ怒号、民家に無断侵入して庭木を切断……。いずれも**「よい写真」よりも「人と地域」**を優先すれば起こり得ない行為です。美しい一瞬を共有するために、公道から、譲り合いで、安全第一。それが、日本の鉄道写真文化を次世代へつなぐ最短ルートです。


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