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なぜ自然は三つ又・四つ又に分かれるのか:ワイヤーではなく“表面”の最適化

なぜ自然は三つ又・四つ又に分かれるのか:ワイヤーではなく“表面”の最適化

2026年01月09日 00:02

「自然はムダを嫌う」。血管や神経、木の枝、植物の根、サンゴの枝ぶりを眺めると、そんな直感が働く。できるだけ少ない材料で、できるだけ遠くへ、できるだけ多くの場所へ——。長年、科学者たちはこの直感を“最短の配線”という数学に落とし込み、生命のネットワークを説明しようとしてきた。


ところが、その王道モデルは何度もつまずいてきた。理論が予言する分岐は「基本は二つに割れる(二又)」になりやすい。しかし現実の自然には、三つ又や四つ又、あるいは“いびつな角度”で枝が伸びる構造が当たり前に存在する。木を一度でもスケッチしたことがある人なら、「二又だけじゃないだろう」と即座に反論したくなるはずだ。 Phys.org


「ワイヤーとして見る」ことの限界

今回Phys.orgが紹介した研究(RPIのプレスリリースに基づく)は、その行き詰まりの原因をかなり身もふたもなく言い切る。私たちは、自然のネットワークを“細い線(ワイヤー)”として考えすぎていた、というのだ。実物の血管や神経は、糸のような線ではない。厚みがあり、表面があり、分岐点ではそれらの表面が滑らかにつながらなければならない——つまり「一次元」ではなく「三次元の物体」なのである。 Phys.org


この視点の転換は大きい。ワイヤー最短化の代表格である“Steiner木(Steiner graph)”の考え方では、結節点の次数(何本の枝が交わるか)や分岐角に強い制約が出る。一方で、実測データでは高次数の結節(例:三つ又に相当する次数4)や、直角方向に伸びる枝、非対称な分岐角が繰り返し観測される。Nature論文側も、従来予測(長さ最小化・体積最小化)からの「系統的な逸脱」をまず事実として押さえ、それが“3Dの形状コストを無視していた”ことに根があると論じている。 Nature


鍵は「最小曲面」——弦理論の数理が出番を迎える

ここで登場するのが、弦理論(string theory)由来の数学だ。弦理論は「宇宙の究極理論候補」として有名だが、実験的検証という意味では依然“未確定”の立場にある。ただし、そこで培われた数学的道具立ては非常に強力で、特に「最小曲面(minimal surfaces)」を扱う技法が発達してきた。研究チームは、生体ネットワークの分岐を“面の最適化”として捉え直し、この最小曲面の枠組みが分岐の特徴を驚くほどよく再現することを示した。 Phys.org


ポイントは、「自然のコスト」は単に“線の長さ”ではなく、“表面をもつ構造体として、滑らかにつながるための幾何学的コスト”を含む、という発想だ。Nature論文では、この表面最小化が高次元のファインマン図(弦理論の計算技法)に写像できることを示し、数値的に手に負えない最適化問題を、弦理論側の道具で扱えるようにしたと説明している。 Nature


何が説明できるようになったのか:三つ又・四つ又、そして「直角の芽」

この理論が面白いのは、「自然に普通にあるもの」を普通に出せる点だ。

  • 高次数の分岐(例:三つ又・四つ又)
    伝統的モデルは二又中心になりがちだが、表面最小化は高次数結節の安定性を許す。Nature論文では、局所的に木構造に近いネットワークが条件によって“長さ最小化では説明できない配置”へ転移し、三分岐(trifurcation)などが現れる、といった予測を述べている。 Nature

  • “直角に伸びる枝(orthogonal sprouts)”
    Phys.org記事は、この理論が「行き止まりの細い芽」のような枝(sprout)まで予測し、それが神経や植物でよく見られると紹介する。さらに人間の脳では、こうした直角方向の芽の98%がシナプス(接続点)で終端すると述べ、局所探索を材料コスト最小で行う仕組みとして解釈している。 Phys.org

    Nature論文側も、直交スプラウトが実ネットワークに多く、機能面(脳のシナプス形成、植物・菌類の栄養アクセス)に寄与するという予測を要旨に含めている。 Nature



どれだけ確からしいのか:6種類の“実データ”で検証

「理屈はわかった、でもデータは?」という疑問に対して、記事はかなり具体的だ。研究チームは高解像度の3Dスキャンを用い、**ヒト神経、ショウジョウバエ神経、ヒト血管、熱帯樹木、サンゴ、シロイヌナズナ(Arabidopsis)**の6種類のネットワークを比較し、分岐パターンが“表面最小化”の予測に一貫して近いと報告した。 Phys.org


もちろん、生物は物理だけでできていない。発生プログラムや化学誘因、流体効率など多目的の制約がある。実際、Phys.org記事では「現実のネットワークは理論の絶対最小より最大25%長くなりうる」とも触れており、理論は“すべてを決める唯一要因”というより、多目的最適化の中で頑健に現れる幾何学的な基準として位置づけるのが妥当だろう。 Phys.org


“弦理論が正しい”とは別の話——しかし価値は大きい

ここで誤解しやすいのは、「弦理論が生物を説明した=弦理論が宇宙の正解だ」という飛躍だ。Phys.org記事自体も、弦理論が基礎物理として未検証である点を明確にしつつ、そこで発展した数学が“実用的に効いた”と述べている。 Phys.org


つまりこれは、“物理理論の真偽”ではなく、“数学的道具の転用”の成功例と捉えるのが正確だ。


応用の行き先:3Dプリント組織、都市・輸送ネットワークへ

RPI/Phys.orgは応用面にも触れる。分岐の設計原理が掴めれば、血管が通った3Dプリント組織の設計や、より効率的な輸送・配管・都市インフラの設計にもヒントになる可能性がある。生体の“つながり方”は、工学の“つなぎ方”にも直結するからだ。 Phys.org



SNSの反応(見えている範囲の傾向まとめ)

現時点で、記事の拡散は「驚き」と「慎重論」が同居している。

 



  • 公式投稿は“弦理論の幾何が分岐を当てる”という驚きを前面に
    Phys.org公式Xは、弦理論の幾何学的原理が生物ネットワークの複雑な分岐を予測できる、と要点を短く強調している。 X (formerly Twitter)
    LinkedInのPhys.org投稿も同様に、「一次元最適化ではなく三次元の表面最小化で説明できる」ことを押し出している。 LinkedIn

  • コメント欄では“弦理論ワード”への反射的ツッコミも
    LinkedInでは、弦理論が連想させがちな“宇宙論(多宇宙など)”に話題が逸れ、「“宇宙”の定義」レベルで異議を唱えるコメントが確認できる。研究の主眼(生体ネットワークの幾何最適化)と、弦理論の宇宙論的イメージが混線しやすいことがうかがえる。 LinkedIn

  • “とりあえずシェア”型の拡散も
    Newswise経由で記事を紹介する個人投稿も検索上は確認でき、話題性で回遊している様子が見える。 X (formerly Twitter)

  • Phys.org本体のページは、記事公開直後時点でコメントが付いていない
    少なくとも取得時点では「Load comments (0)」となっており、議論はSNS側に流れている可能性がある。 Phys.org


参考記事

科学者たちは、自然界のネットワークのコードを解読するために弦理論を利用しています。
出典: https://phys.org/news/2026-01-scientists-theory-code-natural-networks.html

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