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雪の魔法:なぜすべての雪の結晶がユニークなのか? 雲の中で起きていることを知ると、雪の日が少し楽しくなる

雪の魔法:なぜすべての雪の結晶がユニークなのか? 雲の中で起きていることを知ると、雪の日が少し楽しくなる

2025年11月21日 00:10

雪警報のたびに盛り上がるタイムライン

英国で「アンバーの雪警報(中程度の警戒)」が出ると、X(旧Twitter)やInstagramには、一斉に雪景色の写真が流れ始めます。BBCや各メディアも「あなたの地域の雪の写真を送って」と呼びかけ、ユーザーが投稿した雪だるまや凍った道路の写真を紹介しています。AOL


タイムラインには、大喜びする子どもたちの様子を投稿する親もいれば、「電車が止まって家から出られない」「リモートワークで助かった」とぼやく大人の声も。雪は、同じ街に住む人たちの「テンションの差」を一気に可視化してしまう存在です。


そんな雪ですが、「そもそもどうやってできているのか」「なぜ二つとして同じ形がないと言われるのか」を、ちゃんと説明できる人は意外と多くありません。ここでは、インディペンデント紙に掲載された大気・惑星科学の専門家による解説をベースに、雪の結晶の誕生から、SNSをにぎわす“雪コンテンツ”までを整理してみます。The Independent



雪はどこで生まれるのか:すべては雲から始まる

雪の物語は、地上から舞い上がる空気とともに始まります。

  1. 太陽が地面を温める

  2. 地面に近い空気も一緒に温められる

  3. 暖められた空気が上昇する

  4. 上昇しながら冷やされ、水蒸気が小さな水滴や氷の粒になり、雲ができる

この「暖められて上昇 → 冷やされて凝結」というプロセスは、冬の冷たい日でも同じ。あなたの頬を照らす弱い冬の日差しも、雲づくりのエンジンになっています。The Independent


地上の気温が十分に低いと、雲の中の水は主に氷の粒として存在し、その氷の粒が雪の結晶の母体になります。



なぜ雪の結晶は六角形なのか

気温が0℃以下になると、水分子はただ凍るだけでなく、「六角形(六方晶)」のパターンで並ぶ性質があります。The Independent

  • 水分子は「酸素1+水素2」のセット

  • この分子同士が結びつくとき、最も安定する配置が六角形の輪

  • その六角形が積み重なってできたのが、雪の結晶の“骨組み”

だから多くの雪の結晶は、どこかしら六方向に枝を伸ばした形をしています。クリスマスの飾りが「六角形っぽい雪マーク」なのは、単なるデザインではなく、氷の結晶構造をだいたい再現しているわけです。



「二つとして同じ雪はない」はどこまで本当?

子どもの頃、「雪の結晶は一つひとつ違う」と教わった人も多いはず。実はこれ、ロマンだけでなく、科学的な理由もあります。

雪の結晶は、雲の中を落ちながら成長していく過程で、常に変化する温度・湿度の影響を受けています。The Independent


  • 湿度が高いと、六角形の角から枝(アーム)が伸びやすく、複雑で華やかな形に

  • 湿度が低いと、シンプルでずんぐりした形に

  • 途中で温度帯が変わると、別のタイプの形が合体したような結晶にもなる

同じ雲の中でも、上昇気流や風の流れによって、結晶ごとに通るルートが違います。その結果、「成長の履歴」が一本一本異なり、結晶の形もほぼ無限のバリエーションになるのです。buffalo.edu


研究者が人工的な装置の中で、まったく同じ条件を保ちながら雪の結晶を育てると、ほぼ双子の結晶ができることもあります。PBS
しかし、現実の空では条件が常に揺れ動いているため、「自然界で完全に同じ雪を二つ探すのはほぼ不可能」と考えられています。



サラサラ粉雪とベチャ雪を分ける「見えないスイッチ」

雪国の人なら誰でも知っている、あの違い――

  • スキー場で舞う、軽くてサラサラの「粉雪」

  • 道路をぐちゃぐちゃにしてしまう、重たい「ベチャ雪」

この差を決めているのも、結局は雲の中と地上付近の温度・湿度です。


1. 乾いた寒さが生む「ドライスノー」

気温がしっかり氷点下で、空気も比較的乾燥しているとき、結晶同士は「ひっかかってくっつく」だけです。枝の部分が機械的に絡み合うように重なって、ふんわりとした塊になります。The Independent

  • 空気をたっぷり含む

  • 軽くてさらさら

  • スキーやスノーボードには最高

  • でも、雪玉を作ろうとしてもなかなか固まらない

これが、スキー雑誌などで言われる「ドライパウダー」の正体です。


2. 少し溶けた結晶が生む「ウェットスノー」

一方、雲から落ちてくる途中や地表付近で、気温が0℃を少し上回るゾーンを通ると、結晶の角がわずかに溶けます。すると、そのごく薄い液体の膜が「ノリ」のような役割を果たし、結晶同士が強力にくっつくようになります。The Independent

  • 重たく、べちゃっとしている

  • 雪だるま・雪合戦には最適

  • 除雪が大変で、交通インフラには厄介

たった数度の違いが、ゲレンデのコンディションから通勤ラッシュの混乱レベルまで左右してしまうのです。



実は一年中、雲には氷がふくまれている

「雪は冬だけのもの」と思いがちですが、実はほとんどの雲には一年を通じて氷の結晶が含まれています。暖かい熱帯の雲でも、上空の気温はぐっと低くなり、氷点下の世界が広がっているからです。The Independent


さらに、観測によると「氷の結晶を含む雲のほうが、雨を多く降らせる」ことも分かっています。雲の中で氷の結晶が育ち、それが溶けて雨粒となるパターンが多いのです。The Independent


つまり、真夏のスコールの裏側にも、小さな雪(氷)の物語が隠れているというわけです。



SNSが映し出す「雪の日」の三つの顔

では、こうした雪の科学は、SNS上でどのように受け止められているのでしょうか。最近の投稿を眺めていると、おおまかに次の3つのパターンが見えてきます。

 


1. #snowday のお祭り騒ぎ

イギリスや日本で雪警報が出ると、まずタイムラインを埋め尽くすのは、子どもたちが作った雪だるまや、愛犬がはしゃぐ動画、通学路の真っ白な写真です。BBCなどのメディアも視聴者から写真を募り、「あなたの街の雪景色」として紹介しています。AOL


人々は「今年一番の雪!」「仕事は休みになった、やった!」と喜びを投稿する一方、「雪かきで腰が…」「歩道が凍っていて危ない」といった現実的な悩みもつぶやきます。


雪は、同じ出来事を「祝日」にも「災害」にも変えてしまう、強烈なイベントだということがよくわかります。


2. 科学クラスタの“雪講義”

科学好きのユーザーや気象予報士たちは、雪が話題になるたびに、結晶写真や解説スレッドを投稿しています。

  • 雪の結晶のマクロ写真を撮影するフォトグラファーの作品がバズる

  • 「なぜ六角形なのか」「湿度で形はどう変わるのか」を図解したポストがシェアされる

  • 大学や研究機関が、雪の結晶の化学・物理を解説する記事を紹介するAccuWeather


「雪の写真って、ただのきれいな風景だと思っていたけど、実は一個一個が実験装置レベルの情報量なんだな」という感想も多く、科学とアートが同時に共有される場になっています。


3. 「本当に全部違うの?」という素朴な疑問

毎年のように繰り返されるのが、「本当に二つとして同じ雪はないの?」という議論です。

  • 「いや、理論上は同じものもあり得るのでは?」

  • 「実験室では双子の雪が作られているらしい」PBS

  • 「それでも自然界で出会う確率は天文学的に低い」

といった議論が、Xのスレッドで繰り広げられます。


このやりとりは、「科学は“絶対にあり得ない”とはなかなか言わない」「でも、現実にはほぼ起きないと言える」という、確率の感覚を学ぶ場にもなっています。



雪と気候変動、インフラへのまなざし

近年のSNSでは、単なる「きれい」「つらい」だけでなく、雪をきっかけに気候変動や都市インフラを考える投稿も増えています。

  • 「昔より雪が減った」「いや、逆に大雪の日は増えている気がする」

  • 「インフラが雪に対応していないから、少し降っただけで都市機能が麻痺する」

  • 「暖冬と強い寒気が交互に来るようになったのは、気候変動と関係あるのか?」


気象の専門家は、「単一の大雪イベントをもって気候変動だと断言することはできないが、全体として極端な気象が増えているのは事実」と慎重に説明しています。雪の日は、科学と社会の議論が交差するタイミングにもなっているのです。Medium



次の雪の日が少しだけ楽しくなる「観察ポイント」

最後に、次に雪警報が出たときに、外へ出る前・出た後にチェックしてみたいポイントをまとめておきます。

  1. 天気アプリで「気温」と「体感温度」を確認

    • 気温がしっかり氷点下、湿度も比較的低めなら「粉雪」率高め

    • 0℃前後で湿度が高いと、重たいベチャ雪の可能性

  2. 落ちてきた雪を黒い手袋やコートの袖で観察

    • 一粒一粒の形が分かるようなら、結晶が崩れていないサラッとした雪

    • すでに小さな塊になっているなら、どこかで部分的に溶けて「ノリ」が効いている雪

  3. 写真を撮るときは逆光や街灯を利用

    • スマホでも、光の当たり方次第で結晶のディテールが意外と写ります

    • 撮影した写真をSNSにアップしつつ、「この形はどうしてできたんだろう?」と科学的背景をつけると、いいねよりも「へぇ」が増えるかもしれません

  4. タイムラインを“観測データ”として読む

    • 「楽しい」「迷惑」「危険」といった感情の揺れを追ってみる

    • 同じ雪でも、地域や立場によって見え方がまったく違うことに気づけます



おわりに:空から落ちてくる小さなストーリー

雲の中で生まれた氷の結晶が、1時間ほどかけて地上へ落ちてくるあいだに通るルートは、一本一本違います。The Independent
その“小さな旅の履歴”が、あなたのコートに落ちた雪の結晶の形を決めています。


そして、その雪が積もった結果として、

  • 休校を喜ぶ子どもたち

  • 通勤に苦しむ大人たち

  • タイムラインで数万いいねを集める雪景色写真

  • 結晶の形をめぐる長尺スレッド

といった、さまざまな人間ドラマが生まれます。


次に雪警報のプッシュ通知がスマホに届いたとき、ぜひ少しだけ立ち止まってみてください。窓の外の白い景色の向こうには、雲の中のミクロな物理現象と、SNS上のマクロな世論が同時に動いているのだ、と想像してみると、雪の日がほんの少しだけ違って見えてくるはずです。



参考記事

専門家が雪の生成方法と、なぜ2つとして同じ雪の結晶が存在しないのかを解説
出典: https://www.the-independent.com/life-style/snow-warning-weather-clouds-explained-b2868145.html

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