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蚊との戦いに革命!デング熱とジカの切り札?「かむ蚊」を先に消す。性染色体をマークして雌を自動除去する新戦略

蚊との戦いに革命!デング熱とジカの切り札?「かむ蚊」を先に消す。性染色体をマークして雌を自動除去する新戦略

2025年09月26日 00:38

1. 「世界一の殺し屋」に挑む、新しい現実解

毎年100万人以上の死者を出すとされる蚊媒介感染症。その主犯格Aedes aegypti(ネッタイシマカ)は、昼行性で人間の生活圏に適応し、デング熱・ジカ熱・黄熱・チクングニア熱を媒介する。対策は殺虫剤、ボウフラ源の除去、不妊虫放飼(SIT)、ウォルバキア導入、さらには遺伝子ドライブまで多層的だが、「大量の“かまないオス”を安定供給できるか」が共通のボトルネックだった。


ここに、バージニア工科大がPNASに報告した新手法「DeMark」が割って入る。要諦は“雌を先に消す”というシンプルな設計だ。性染色体に“マーク”となるアリルを載せ、特定の組み合わせで早期致死を誘導する。残るのは外来遺伝子を持たない非吸血オス――つまり、住民受容性の高い素材を、単一系統の維持だけで世代をまたいで生産できる。Phys.org


2. DeMarkのしくみ――「マーク付き性染色体の選別」

DeMarkは“Differential elimination of marked sex chromosomes(マークされた性染色体の差次的除去)”の略。自然型と実験室内で改変したアリルを、性染色体の遺伝学に基づいて組み合わせる。致死が起こる条件を遺伝的に組み込んでおくことで、幼虫・蛹の段階で不要個体(主に雌)を自動的にふるい落とす。手作業での性判別や、オス・メス別系統の並行維持、飼育段階での複雑な仕分けを基本的に不要にし、工業的スループットを引き上げる狙いだ。研究チームは、オスの交尾競争力(野外での実用性のカギ)も維持されることを示している。Phys.org


“非トランスジェニック”というメッセージ

研究論文は、最終的にフィールドへ出す個体が「外来遺伝子を持たない(nontransgenic)」点を強調する。これは、Oxitec型の遺伝子組換えオス放飼に比べ、規制・受容性の面で優位に働く可能性がある。PNAS


3. 既存アプローチとの補完関係

SIT(放射線などで不妊化)との比較

米カリフォルニア・オレンジ郡は、週10万匹規模の不妊化オスを放すSIT実証を進めている。SITの課題は「大量にオスだけを作り、フィールドへ運べるか」。DeMarkは、まさにこの“前段工程”の難所を低コスト・低複雑性で押し下げる。SIT自体は引き続き必要だが、DeMarkで得た“オス専用ライン”が供給安定性を高め、費用対効果を引き上げうる。Medical Xpress


ウォルバキア法との併用

都市部でのウォルバキア導入は、空間制約や移動性により定着が難航するケースがある。最新の数理モデルでも、放飼設計や事前の在来個体削減が成功条件として重要だ。非吸血オスをDeMarkで安定供給できれば、ウォルバキア施策との“役割分担”がより柔軟になる。arXiv


4. スケール設計:ラボから1億匹の現場へ

蚊対策が本当に効くのは“量”を伴うときだ。従来は、

  • 手作業選別(人的コスト・ミス)、

  • 複数系統の維持(管理の煩雑さ)、

  • トランスジェニックのレギュラトリー・住民受容性(説明コスト)
    が、スケールを阻む三大要因だった。DeMarkは、単一系統・非トランスジェニック・自動性分離という三拍子で、ファクトリー化の現実味を一段引き上げる。研究はAedes aegyptiを対象にしたが、マーク設計はX/Yが明瞭な他種(マラリア媒介のAnophelesなど)への適用可能性も示唆している。Phys.org


5. 何が“新しい”のか――技術的ハイライト

  • 差次的致死の組み込み:性染色体上のマーカーとアリルの組み合わせで、不要個体を幼若期に除去。

  • 単一系統で回る:多系統維持が不要。供給チェーンをシンプル化。

  • 非トランスジェニックの最終産物:リスク認知と規制ハードルが下がる可能性。

  • 交尾競争力の維持:野外での成立条件を満たす見込み。Phys.org


6. リスクと検証:実装までのチェックリスト

論文の結論も率直だ。大規模飼育・準野外(semi-field)条件での安定性と競争力の追加検証が必要。さらに、規制・生態影響評価・住民説明の三位一体で、地域ごとの“合意形成プロトコル”を詰める段階に入る。SITの現場事例(米オレンジ郡)では、放飼個体の識別、存続期間、野生比率のトラッキング設計が公開されており、DeMark導入時も同等の透明性が求められるだろう。Phys.org


7. SNSの初期反応を読む

ニュース公開(2025年9月24日)後、大学側の発信やサイエンス系アカウントの共有を起点に、**「殺虫剤を減らせるなら歓迎」という実務志向の賛同と、「結局、遺伝子いじってるの?」という誤解交じりの懸念が並走している印象だ。特に“非トランスジェニックのオスが最終的に放される”という点は、スレッドの誤解を解く重要ポイントになっている。また、各地で蚊被害が話題化する文脈(例:北米都市の今夏の大発生スレなど)と結びつき、「現場のニーズは切実」**という空気感も強い。大学のニュースリリースやXでの周知はあるものの、詳細なQ&Aや図解が今後の受容性を左右するだろう。news.vt.edu

典型的な書き込みの傾向(要約)
・「外来遺伝子が残らないなら、SITよりも説明が楽かも」
・「雌だけ早期致死って具体的にどうやるの?」→性染色体上のマークとアリル組み合わせで淘汰、という回答に納得感
・「ウォルバキアや従来SITとの関係は?」→前段の“性分離コスト”を下げる部品として理解されやすい
・「結局は量産勝負」→単一系統での回しやすさに注目

※個別ポストの生文引用は避け、トレンド傾向を要約しています。大学公式の発信がXで行われていること自体は確認できます。X (formerly Twitter)

 



8. どこで“効く”のか――導入シナリオ

  • 都市密集地のデング対策:ウォルバキア導入やSITの前段として、DeMark系統で“オスだけ”を潤沢に供給。

  • 季節性ピークの平準化:放飼キャパシティの確保で、夏季ピーク前倒し介入。

  • 費用対効果の最大化:トラップ・監視・住民教育とセットの“複合パッケージ”での導入。Medical Xpress


9. 研究フロントの広がり

Aedes aegyptiの性決定機構(Nixやmyo-sexなど)に関する知見の蓄積は、性分離設計の基盤になっている。関連の遺伝・行動・生態の研究は近年も更新中で、DeMarkはその「翻訳」側に位置づく。PMC


10. 結論――“産業としての蚊対策”を動かす部品

DeMarkは、華やかな“新兵器”というより、既存の有効策を“回る仕組み”に変えるための部品だ。手作業と多系統管理という目に見えない摩擦を取り除き、**「オスを絶やさず作って、途切れず放す」**という公衆衛生の工程設計を、はじめて現実的なコストで描ける。次は、大量飼育・物流・フィールドの三点で“落としどころ”を固める番だ。Phys.org


参考記事

蚊を制御する賢い方法:新しい手法で刺さないオスとメスの分離を効率化
出典: https://phys.org/news/2025-09-smarter-mosquitoes-method-nonbiting-males.html

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