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幼稚園教師が子どものニーズを早期発見できる新しい無料スクリーニングツールを開発

幼稚園教師が子どものニーズを早期発見できる新しい無料スクリーニングツールを開発

2025年09月11日 10:54

1. 背景

幼稚園または幼児教育段階は、子どもの発達における基礎を築く時期である。言語能力、社会性、情緒の調整、自己制御、指示やルールへの応答能力など、これらのスキルは小学校入学後の学習や集団生活において非常に重要となる。もし幼稚園入学時点でこれら能力に遅れや弱さがあっても、気付かず放置されると、小学校以降で補うのが難しい問題に発展する可能性がある。


これまでにも「学校準備性(school readiness)」を評価するための評価尺度やスクリーニング手法がいくつか存在する。しかし多くは時間がかかる、専門的な訓練を要する、費用がかかる、教師の負担が大きい、という課題があった。また、評価結果が「ハイステークス(重大な決定)」につながってしまうことを懸念する声もある。


このような背景のもと、ミズーリ大学の教育学・ヒューマンデベロップメント学部で、手軽に使えて早期発見が可能な簡易スクリーニングツールの開発へと至った。



2. ツールの内容と方法

この「3質問スクリーナー(three-question screener)」の主な特徴は以下の通りである:


  • 質問数:3つ

  • 評価対象:教師が、各児童について学力準備(academic readiness)および社会・行動・情緒的準備(social-emotional / behavior readiness)の進捗を評価

  • 尺度:0〜4段階。0=poor(低い)から4=excellent(優れている)まで

  • 所要時間:クラス全体で約10〜15分。教員の準備や訓練がほぼ不要、迅速に実施できる設計

  • 目的:重大な決定(例:特別支援、進学可否など)をするためではなく、教師が児童の潜在的な支援ニーズを把握し、早期に対応可能な領域を見つけるためのツール

研究の指導者はメリッサ・ストーモント教授(特別教育)で、この研究は Journal of Behavioral Education に掲載されている。 物理新聞



3. 実証研究の概要

実施場所と参加者

  • 場所:ミズーリ州のある学区にある幼稚園クラス

  • 教師数:19名 物理新聞

  • 児童数:約350人の幼稚園児 物理新聞



実施のタイミングと手順

  • 幼稚園入学直後、または学期始まりにこのスクリーナーを用いて評価

  • 教師は “学力準備度” と “社会・行動準備度” またはその組み合わせを評価

  • 各児童につき、0〜4で評価する3つの質問に答える



結果

  • 約 25% の児童が「完全には準備できていない(not fully prepared)」と教師に評価された。準備不足の児童は、学力と社会・情緒の両面、あるいは一方で支援が必要とされた者が含まれる。 物理新聞

  • 準備不足とされた児童は、些細な支援(例:毎日数分の追加練習、指示を一度で理解する補助など)で十分な改善が見込まれる可能性がある。大きな遅れや問題になる前に手を打てるという点で有用。 物理新聞



4. 意義と利点

  • 早期発見:問題が顕在化する前に、教師が支援を要する児童を特定できる。

  • 教師の負担軽減:従来の評価・テストに比べて簡便で短時間。専門的な訓練もほとんど不要。

  • コストが低い/無料で使える:予算やリソースの限られた学校・地域でも導入しやすい。

  • 教師が指導計画を立てやすくなる:どの児童にどのような支援が必要かを把握できるため、教育活動や補習、行動支援を組み込む際の指針となる。

  • 心構えの変化促進:「問題が見えてから対処する」のではなく、「早めに見て、ケアをもって対応する」姿勢の拡大に寄与する。ストーモント教授はこうした考え方を強調している。 物理新聞



5. 限界と注意点

  • 診断ツールではない:このスクリーニングはあくまで予備的評価。特別支援を決定するなどの重大な判断には、より詳細な評価が必要。 物理新聞

  • 教師の主観が入る:0〜4の評価は教師の判断に依存するため、教師による差異、評価基準のばらつきが生じる可能性あり。

  • 文化的・言語的背景の違い:家庭環境や言語環境が異なる児童では、社会・情緒準備や学力準備度の評価において公正性を保つための配慮が必要。

  • フォローアップの体制:スクリーニングで「支援必要」とされた子どもに対し、追加的な指導・サポート/資源がなければ、発見のみで終わる危険性。支援システムとの連携が不可欠。



6. 今後の展望

  • 普及と制度への統合:現在、このツールは米国の国家あるいは州の制度として義務づけられているものではないが、将来的には教育行政レベルで採用される可能性。 物理新聞

  • 他言語・他文化圏での適用研究:異なる言語背景や文化を持つ地域で、このツールの有効性・公正性を検証する研究が期待される。

  • 教師トレーニングの標準化:評価の一貫性を高めるための教師研修や評価ガイドの整備。

  • 支援介入の効果測定:スクリーニングで「支援あり」となった児童に対し、どのような支援がどれだけ効果を上げるか、追跡調査を行い、最適な支援方法を明らかにする。



7. 日本での応用可能性

日本では、幼稚園・保育園・認定こども園など幼児期の教育・保育施設が広く存在し、幼児教育・保育無償化や幼児期における早期教育・発達支援の重要性が認識されてきている。以下の点で、このスクリーニングツールが日本で役立つ可能性が高い:


  1. 入園・進級のタイミングでの把握
     入園前または園の年度始まりに、子どもたちの発達状況を簡便に把握することができる。保育士・幼稚園教諭が「どの子がどの分野で少し注意が必要か」を識別できる。

  2. 少ない時間・リソースで実施可能
     教職員数や時間に限りのある園でも、10〜15分程度でクラス全体のスクリーニングができる点が魅力。

  3. 発達障害やことばの遅れなどの早期支援との連携
     発達遅れや言語発達支援が必要な子どもを早く見つけて、専門機関や保健・福祉・教育機関と連携するきっかけになる。

  4. 地域差・文化差の配慮が必要
     評価基準の標準化や文化と言語の違いを取り入れたローカライズが必要。例えば、多言語家庭、家庭での育児経験の違い、地域・園による保育・教育内容の違いなど。

  5. 行政・制度的導入の可能性
     日本でも市町村・都道府県教育委員会などで、幼児期の発達チェックや校区によるサポート制度があるため、この種のツールを制度に取り込む動きが考えられる。



結び

この3質問スクリーニングツールは、幼稚園教育・幼児期発達支援の現場において、「気づき」のタイミングを早め、「ケア」を重ねることを可能にするシンプルかつ実用的な手法である。


重大な判断を担うものではないが、多くの子どもが入園時点で完全な準備ができていないことを教師の評価で見出しており、その後の学習・社会性・行動の向上のための支援が早期に行われれば、その後の成長における効果は大きいと思われる。日本でも同様のツールを導入・適応させることで、幼児教育の質を高め、すべての子どもがより良いスタートを切れるようになる可能性がある。



参考記事一覧

  • New free screening tool helps kindergarten teachers spot student needs early — Phys.org 物理新聞

  • Screening kindergarten readiness — Phys.org(2019年) 物理新聞

  • New teacher screening tool can help identify failing kindergarteners early — Phys.org(2016年) 物理新聞

新しい無料のスクリーニングツールが、幼稚園の教師が生徒のニーズを早期に見つけるのを支援
出典: https://phys.org/news/2025-09-free-screening-tool-kindergarten-teachers.html

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