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「ラブブ」人気失速でポップマート急落 —— 時価総額“2兆円弱”が蒸発、世界的ブームは踊り場か

「ラブブ」人気失速でポップマート急落 —— 時価総額“2兆円弱”が蒸発、世界的ブームは踊り場か

2025年09月17日 00:23

1. 何が起きたのか——数字で読む「急落」

9月15日(香港)、ポップマート株は一時−8.96%まで売られ、終値でも下落。JPモルガンが投資判断を引き下げ、目標株価を約25%カットしたことが売りを誘った。8月26日の最高値からは約130億ドル(約1兆9200億円)が吹き飛び、時価総額の約4分の1が蒸発した。年初来ではなお+180%超だが、異例のラリーには「踊り場」が来た格好だ。フィナンシャル・タイムズ+1



2. それでも強い足腰——2025年上期の“異次元決算”

2025年上期、ポップマートの売上高は前年同期比+204%の138.8億元、純利益は約4倍に拡大。なかでも主力IP群「THE MONSTERS」(ラブブ含む)は**481億元で売上の34.7%**を占め、収益のエンジンとなった。Reuters Japan


ポイント
・ラブブの貢献度:上期売上の34.7%
・粗利率:2025年は**70.3%**に達したとの推計(高級ブランド級) WIRED



3. 「ラブブ」現象の力学——ブラインドボックス×SNS×セレブ

ラブブはブラインドボックスの“ガチャ性”と、TikTok/インスタによる可視化、リサやベッカムらセレブ露出で世界的な記号へ。中国だけでなくロンドン、ロサンゼルス、そしてサンフランシスコ・ユニオンスクエアにも旗艦店が開店するなど、店舗(443店)とロボショップ(2437台)を通じて体験型小売を拡張してきた。フィナンシャル・タイムズ+1



4. 失速のサイン——“希少性”が薄れるとき

直近の急落には、転売価格の下落(3月比で最大−37%)という希少性の低下が透ける。JPモルガンは「織り込み過ぎた完璧シナリオ」を警告。会社側は転売価格の低下について供給増を理由に挙げる。ブラインドボックスのヒットは希少性と新鮮さが命。供給調整と商品サイクル設計が難度を増している。フィナンシャル・タイムズ



5. バリュエーションの現実化——PERと指数採用の影

足元のフォワードPERは約23倍。ハンセン指数およびH股企業指数への採用を追い風に上昇していたが、指数資金の追随が一巡し、業績の鈍化観測や二次市場の冷えが意識され、期待値の修正が走った。Bloomberg.com



6. 依存のリスク——“ひとつのIPで世界を獲る”の光と影

  • 集中度:ラブブを含む「THE MONSTERS」依存が3割超。

  • 他IP:SkullPanda、Molly、Dimooなど人気IP群はあるが、成長牽引はラブブに偏る構図。

  • 競合圧力:ミニソーのWakukuや模倣品Lafufuなど“周辺IP”の台頭も話題に。本家の強さは健在とする見方もあるが、市場の飽和は確実に近づく。フィナンシャル・タイムズ



7. 海外展開という“両刃の剣”

米国・欧州・東南アジアで店舗網を急拡大。体験小売×ロボショップの組み合わせは資本効率が高く、高粗利が維持されやすい。一方で、


  • 在庫最適化(国・都市ごとの需要差への追従)

  • カウンターフィット対策(海賊版の流入抑制)

  • カルチャーフィット(現地の“可愛い”感性の差)

    など運営難度は上がる。サンフランシスコ新店のようなランドマーク出店はブランド資産になるが、“行列”の熱が平常化すると収益波形はならされる。San Francisco Chronicle



8. 会社の打ち手——“次の一手”は何か

  • 新バージョン/ミニ・ラブブ:ミニサイズや派生シリーズで幅を出す。euronews

  • アニメ化企画:IPの世界観拡張で長期ファン化を狙う。Bloomberg.com

  • 供給計画:旺盛な需要に合わせて供給能力を増強。ただし希少性の均衡が肝だ。Reuters Japan



9. 投資家が見るべき3つのKPI

  1. 二次市場プレミアム:転売価格のプレミアム率(上昇→熱、下落→冷え)。フィナンシャル・タイムズ

  2. IPミックス:ラブブ依存(売上比率)から他IPの伸長へ。Reuters Japan

  3. 在庫回転日数:供給増による滞留兆候の有無。


本稿は投資助言ではありません。個別投資判断はご自身でご検討ください。



10. 日本市場への示唆

日本はガチャ文化やキャラクターIP消費の土壌が厚い。短期の過熱が冷える局面では、

  • **価格是正後の“入門需要”**が広がる(転売プレミア縮小)。フィナンシャル・タイムズ

  • 実店舗体験のアクティベーション(限定/体験イベントで再点火)。

  • IP横展開(アニメ・ゲーム・コラボ)で国内ファンダムの持続化が鍵となる。



11. シナリオ分析——3つの未来像

① 再加熱シナリオ(確率:中)

アニメ化・新シリーズがヒット。海外旗艦店の行列が復活し、二次市場も持ち直す。**YTD+**を維持しつつ高原状態へ。Bloomberg.com


② 正常化シナリオ(確率:高)

プレミアムは薄れ、一次市場の販売に重心。コアファン消費×広く浅い新規のミックスで安定成長。


③ 収縮シナリオ(確率:低〜中)

IPの飽きと競合/IPクローンの浸食で売上急減。依存の反作用が顕在化。フィナンシャル・タイムズ



12. まとめ——“熱狂”から“制度”へ

ポップマートの急落は、熱狂の賞味期限と希少性の微妙なバランスを投資家・小売に突きつけた。だが、上期決算が示す通り、同社は高粗利のプロダクト設計と体験小売の運営力で他社より一段強い。IP育成の制度化と供給・価格のチューニング次第で、ブームを産業へと定着させられるかが問われる。


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