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妊婦の不安をあおらないために ― パラセタモールは本当に危険か? トランプ発言と世界の科学的反証

妊婦の不安をあおらないために ― パラセタモールは本当に危険か? トランプ発言と世界の科学的反証

2025年09月24日 15:25

発端:ホワイトハウス発表と“ラベル見直し”の波紋

発端は9月22日(米東部時間)のホワイトハウスでの発言だった。トランプ大統領は、妊娠中のパラセタモール使用が自閉スペクトラム症(ASD)の増加と関連しうると述べ、FDAが医師向け通知と表示改定のプロセスを開始すると表明。FDAも「可能性に触れる」ラベル変更に着手したとするニュースリリースを公表した。もっとも同リリースは「因果は未確立」であることも同時に認める内容だった。The White House


専門家と規制当局は“総反論”――「推奨は変えない」

だが直後から、主要当局と学会は相次いで反論を表明する。英MHRAは「妊娠中のパラセタモールが自閉症を引き起こすという証拠はない。推奨は不変」との安全性アップデートを発出。欧州医薬品庁(EMA)も「新たに推奨を変える証拠はない」と明言し、必要時に最小用量・最短期間での使用を続ける指針を再確認した。WHOも「証拠は一貫せず、早計な結論は禁物」とした。GOV.UK


 

米国内でも反応は速い。米産婦人科医会(ACOG)は「因果を示した信頼に足る研究は一つもない」と強く批判し、米母胎医学会(SMFM)も「妊娠中の疼痛・発熱にはアセトアミノフェンは適切な選択肢」との立場を重ねて示した。アメリカ産婦人科医会


研究で何がわかったのか:巨大コホートの“きょうだい比較”が鍵

論点の核心は“因果”の有無だ。観察研究の一部には「長期・高頻度使用で関連がある」とする報告もあるが、背景疾患や遺伝、発熱などの交絡を完全に排除するのは難しい。これを正面から検証したのが、スウェーデンで1995~2019年生まれの約248万人を用いたJAMA(2024)の研究で、同一家族内の“きょうだい比較”という強力な設計で解析した結果、ASD・ADHD・知的障害いずれも因果を示すシグナルは消えた。用量反応も認められない。NIHもこの結果を「因果なし」と要約している。ジャマネットワーク


このため多くの専門家は、「小さな“相関”を誇張して臨床指針を変えるべきではない」と指摘する。実際、英ガーディアンやNatureの解説も、関連を示す研究は小さく不均一で、頑健な設計では消えてしまうことを強調している。ガーディアン


現場の実害:痛みも発熱も“放置”はリスク

では、薬を控えれば安全なのか。答えはノーだ。MHRAは「妊婦の疼痛や発熱の放置は胎児にとってリスクになり得る」と明記し、NSAIDs(イブプロフェン等)は妊娠中に一般的に勧められないことを再確認している。医療者に相談しつつ、パラセタモールを第一選択として必要最小限の用量・期間で使うという従来の方針が、依然として最も合理的だ。GOV.UK


市場も“過剰反応”から反転

発言直後に売られたタイレノールのメーカー、ケンビュー(KVUE)の株価は、根拠の不確実さが再確認されるにつれ反発。InfoMoneyは「新証拠なし」が安心材料となり6%上昇したと伝えた。InfoMoney


SNSの空気:ファクトチェックと“妊婦の不安”への配慮

 


SNSでは、政治家・科学者・メディアが即時に反応した。英保健相ウェス・ストリーティング氏はテレビ出演を通じて「医療の助言は専門家から」と強調し、これを各メディアや記者が拡散。NBCや各報道機関も“未裏付け”としてファクトチェックを流した。科学者や医師のアカウントも「関連は示せていない」との解説を投稿している。ガーディアン


一方、ホワイトハウスや政府機関の公式アカウントは“警告”メッセージを打ち出し、議論はさらに拡散した。SNSでの対立は、不安を抱く妊婦の情報環境に直接影響する。だからこそ医療側は、恐怖を煽らず、エビデンスに即して“痛みや発熱を適切に治療する”という現実的なメッセージを繰り返し発信している。X (formerly Twitter)


専門家が見る“論争の教訓”

Yale公衆衛生大学院のリエウ准教授は、「長期・高頻度の使用では相関が観察される研究もあるが、因果は未確立。交絡(発熱など)や遺伝素因の寄与を慎重に扱うべき」と語る。自閉症支援団体ASFも、パラセタモール因果説や葉酸関連薬の“治療”主張が混在して広がることに強い懸念を表明した。Yale School of Public Health


まとめ:政治よりもデータ、見出しよりも診察室

今回の一連の騒動を、こう整理できる。

  • 現時点の合意:妊娠中パラセタモールの因果的な危険性は示されていない。推奨は不変。European Medicines Agency (EMA

  • エビデンスの核:スウェーデンの2.48百万人コホート(JAMA 2024)など、方法論的に強い研究では関連が消える。ジャマネットワーク

  • 実務上の最適解:疼痛・発熱は放置しない。必要最小限の用量・期間でパラセタモールを用い、疑問は主治医に相談する。NSAIDsは一般に勧められない。GOV.UK

一方で、FDAが“可能性”言及を表示に反映させるプロセスに入ったことは事実であり、今後の文言や臨床現場への影響は注視が必要だ。ただしそれは、患者の意思決定を支える情報提供という観点からの“注意喚起”であって、因果を確定したという意味ではない。U.S. Food and Drug Administration


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療判断を代替するものではありません。妊娠中の服薬は、必ず主治医・薬剤師に相談してください。




参考記事

医師と専門家、トランプによるパラセタモールと自閉症の関連付けを否定
出典: https://www.infomoney.com.br/saude/medicos-e-especialistas-rejeitam-ligacao-entre-paracetamol-e-autismo-feita-por-trump/

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