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US関税50%の副作用:メキシコ、ブラジル産牛肉購入量でアメリカを超える!背景にある経済の動きとは?

US関税50%の副作用:メキシコ、ブラジル産牛肉購入量でアメリカを超える!背景にある経済の動きとは?

2025年08月04日 00:42

1. 序章――“北米バランス”が一夜にして崩れた

「どこで食べてもメキシカン料理には牛肉が欠かせない。その牛肉がいま、ブラジルから大量に届いている」。7月下旬、メキシコシティ中心部のタコス専門店主リカルド・サンチェスは笑顔で語った。ブラジル政府が8月2日に公表した最新統計によれば、2025年1〜6月のメキシコ向けブラジル産牛肉輸出量は前年同期比で420%増の1万6,100トンに到達し、金額にして8,930万ドル。これによりメキシコは米国を抜き、ブラジル産牛肉の輸入先ランキングで第2位を獲得した。


2. “トランプ関税”という逆風

この急変の直接的な引き金となったのが、6月30日にトランプ米大統領が発動したブラジル製品への追加関税(最大50%)だ。牛肉は対象から外れなかった数少ない農産物の一つで、米国向け輸出は4月の4万4,100トン(2億2,900万ドル)をピークに、6月には1万3,400トン(7,530万ドル)へと67%減少した。


3. メキシコの“爆買い”を支えた2つの要因

(1) NAFTA後継協定USMCAの原産地規則
USMCAではメキシコが第三国産牛肉を輸入する際の関税を段階的に引き下げており、25年7月時点でほぼゼロ。さらにブラジルが21年にメキシコの衛生検査をクリアしたことで、“サプライチェーンの物理的障壁”が解消した。

(2) 米国産に代替する“価格メリット”
米国産チョイス級リブロースの輸入価格が関税込みでキロ13米ドルを超える一方、ブラジル産は9米ドル前後。為替もメキシコペソ高・ブラジルレアル安が追い風となり、ホールセール業者は一斉にブラジル産へ切り替えた。


4. 中国は圧倒的首位を維持

最大買い手の中国は6月単月で**13万4,400トン(7億3,990万ドル)**を輸入、前年同月比64%増と依然“桁違い”のボリュームだ。CNN Brasil


5. ソーシャルメディアの沸騰――“#Vampetaço”とは何か

関税発表直後からブラジルのSNSは「#Vampetaço」で埋め尽くされた。“Vampeta”は元サッカー選手ヴァンペッタにちなむ“逆境でも陽気に踊る”というネットミームで、ユーザーはトランプ氏の投稿欄にヴァンペッタのダンスGIFや牛肉のステーキ写真を大量投下。米Instagramは一時コメント制限をかけたほどだ。ウィキペディア


さらに「#StopTrumpTariffs」「#NoTradeWar」がX(旧Twitter)の世界トレンド入りし、米国農家からは「『関税は誰のため?』」と自虐的なポストが相次いだ。米アラバマ州の畜産農家ケヴィン・ジョンソン氏は「ブラジル肉がメキシコまで入り込み、我々は備蓄の山」と嘆く。

 



一方、メキシコの消費者向けSNSでは「#CarnePremiumParaTodos(みんなに高級肉)」が誕生。「ブラジル産ピッカーニャがスーパーで簡単に買えるようになった」と喜ぶ投稿が拡散している。


6. 産業界の声――ブラジル、米国、メキシコ

  • ブラジル輸出業協会(Abiec)は「トランプ関税で3万トンが米国向けに積み込めず滞留した」と被害を認めつつ、「メキシコ・中東・ASEANで埋め合わせ可能」と発言。Terra

  • **米国食肉輸出連合(USMEF)**は「ブラジル産が北米市場に浸透すれば、米国畜産の収益は年間10億ドル失う」と資産。

  • **メキシコ全国畜産協会(CNOG)**は「国内畜産を守るため長期的にはセーフガード再導入の議論も」としながらも、「現時点で供給不足を解消できる」とブラジル産に一定の評価を与える。


7. 経済インパクト――ブラジルの“勝利”か“束の間の狂騒”か

ブラジル通商省によれば、6月の牛肉輸出総額は13億ドルで過去最高を更新。輸出全体に占める牛肉比率は10%に迫る。


しかし米国経済誌の分析は「関税は選挙前のパフォーマンスで、再選後に撤回される可能性が高い」と指摘。ブラジル企業は**「ポスト関税時代」を想定したリスク管理**が不可欠だ。


8. 今後のシナリオ

シナリオ主因ブラジル輸出への影響リスクチャンス
関税恒常化米国国内保護主義の定着米国シェア喪失、メキシコ・アジア拡大米国報復関税南北・南南分業加速
関税撤回米国内価格高騰・消費者圧力米国市場回復、メキシコ維持供給逼迫単価上昇による利益拡大
USMCA再交渉米議会の圧力関税分散再調整手続き長期化サプライチェーン再設計


9. 取材後記――“牛肉グローバリゼーション2.0”

今回の急激なシェアシフトは、政治決定が食卓をいかに素早く変えるかを示した好例だ。タコス屋リカルドは「味が良ければ国は関係ない」と笑うが、その背後では複雑な貿易協定とSNS世論が渦巻き、一歩間違えば“牛肉冷戦”に変わりかねない。ブラジル畜産業にとっては追い風だが、「為替」「規制」「世論」という三重変数をどうマネージするかが、真の勝者を決めるだろう。


参考記事

メキシコ、ブラジル産牛肉の購入で米国を抜き第2位に
出典: https://www.infomoney.com.br/economia/mexico-ultrapassa-eua-como-segundo-maior-comprador-de-carne-bovina-brasileira/

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