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LED技術で未来の食卓を変える:“安定品質”という価値 — 温室と競争しないLEDトマトの戦い方

LED技術で未来の食卓を変える:“安定品質”という価値 — 温室と競争しないLEDトマトの戦い方

2025年09月21日 01:15

LEDsで“トマトは工場で育つ時代”に——都市・宇宙・災害時を見据えた「S字栽培」の衝撃

9月19日にPhys.orgが伝えたニュースは、植物工場の常識を一歩進める内容だった。東京大学・矢守航准教授らの研究チームが、完全閉鎖型のLED植物工場で大玉トマトとミニトマトの栽培に挑み、品質の安定性や栄養価で強みを示したのだ。従来「LEDでは葉菜中心、果菜は難しい」と見なされてきた壁に、実験データで風穴を開けた格好である。記事は都市や砂漠、さらには宇宙での食料生産の現実味にも触れている。Phys.org


何が新しい?2本柱の成果

① 大玉トマト(CF桃太郎ファイト)をLED工場で安定栽培

HortScienceに掲載された論文では、大玉トマトをLEDのみの完全閉鎖環境と温室で同時比較。LED環境では温度(平均約25.9±1.1℃)と光強度(PPFD約276 μmol m⁻² s⁻¹)を安定的に維持でき、茎径・草丈・SPAD値が向上。一方で果実はやや小ぶり・糖度(°Brix)は低めだが、ビタミンC(アスコルビン酸)が高いという栄養学的メリットが確認された。温室は果重・糖度・収量に優位だが、季節変動による品質のばらつきが避けにくい。安定供給と栄養価を取るか、サイズと甘さを取るかという、実需に応じた選択肢が明確になった。DOI


② ミニトマトの「S字栽培」で“早く・良く”

もう一方の柱が、ミニトマトのS字多段式栽培だ。棚の側面にLEDを配置し、茎を水平に蛇行させて多層に展開するこの方法は、キャノピー内の光分布を均一化。糖度+15%、ビタミンC+7%、リコピン+7%と、品質が温室を上回る水準に達し、着色・収穫の前倒しで実収も底上げした。総収量は温室と同等ながら**“早く売れる”=回転率の改善**が効くのがポイントだ。東京大学


Frontiers in Horticultureの原著でも、S字方式は光合成レートの層間ばらつきを抑え、品質向上と管理効率を両立することが詳述されている。DOI


“どこで”生かす?——都市、極地、そして宇宙

研究チームは気候極端(熱波・干ばつ・洪水)に強い供給網、都市近接の短サプライチェーン、さらには高層ビルや月・火星での実験系まで見据える。周年・規格品質の安定は外食・総菜・加工用途と相性が良く、価格の見通しは再エネ統合やスケール効果で改善余地とする。Phys.org

“どう響いた?”SNSとコミュニティの声

 


  • 研究者発の告知:矢守准教授はX(旧Twitter)で研究成果を発信。タイムラインでは**「都市での地産地消」「非常時レジリエンス」**への期待や、電力コストへの現実的な問いが並ぶ。X (formerly Twitter)

  • 園芸コミュニティの反応(Reddit):

    • 「LEDショップライトで果菜類は可能?」と光量不足への懐疑が根強い投稿。研究の示す高照度・安定環境の必要性と重なる。Reddit

    • 「地下室や寒冷地での屋内トマト」など趣味栽培の実践知が共有され、“やってみたい層”の裾野が広い。Reddit

    • 野菜全般コミュニティでも屋外補光用LEDへの関心が続き、“LED=葉菜専用”の固定観念が揺らぐ。Reddit
      ※上記は研究そのものへの直接リプライに限定せず、LED×トマトというテーマ周辺の反応の傾向を要約している。


3つのビジネス示唆

  1. “安定×栄養価”という新しい規格価値
    Brixやサイズで温室に軍配が上がる局面でも、ビタミンCやリコピンなどの機能性訴求で差別化が可能。加工・健康志向カテゴリと親和性が高い。DOI

  2. “早期収穫×回転率”の経営効果
    S字は着色・成熟の先行によりキャッシュフローの改善が見込める。フードサービス向け定期納品に効く。DOI

  3. 災害・宇宙・極地のニッチ需要
    基地内・船内・遠隔地での高付加価値フレッシュの供給に現実味。コンパクトモジュール×再エネの組み合わせで事業設計を。Phys.org


技術メモ:エネルギーと設計の勘どころ

  • 光環境:果菜類は高PPFDが肝。一般的な住設用LEDでは不足しがち。側面照明の併用でキャノピー均一化が有効。DOI

  • 温湿度・CO₂:安定な温度場(本研究では25.9℃前後)とCO₂施用で生育が安定。a.u-tokyo.ac.jp

  • 多段・誘引設計:S字は作業動線短縮と受光効率を両立。“広さ”より“高さ”を稼ぐ都市空間で利点が大きい。DOI


関連研究の広がり:エダマメも“工場化”

同グループは人工光型工場でのエダマメ安定生産も報告。収量と糖・イソフラボンが向上し、季節依存を解く成果が示された。果菜以外にも波及するトレンドだ。Nature


まとめ

  • 大玉トマト:安定品質&高ビタミンCだが、サイズ・糖度は温室優位。用途別の使い分けが鍵。DOI

  • ミニトマト(S字):糖度・ビタミンC・リコピン向上+早熟で回転率を改善。都市・宇宙・災害時の供給に強み。東京大学+1

  • SNSでは期待と現実(電力・光量)が交錯。“葉菜専用”の先入観を更新する契機に。Reddit


参考記事

LEDがトマトの効率的な栽培に光を当てる
出典: https://phys.org/news/2025-09-efficient-tomato-cultivation.html

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