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マンガの“予言”が航空路線を止めた? 東アジアで広がる「7月5日大災害」デマと日本観光への影響を読み解く

マンガの“予言”が航空路線を止めた? 東アジアで広がる「7月5日大災害」デマと日本観光への影響を読み解く

2025年06月21日 16:20

1. 予言騒動の発火点──マンガ『私が見た未来』とは何か

ドイツの金融ニュースサイト Aktiencheck が「近い将来、日本で大災害が起きるとの噂で航空会社がフライトを取りやめた」と報じたのは6月21日朝だった。記事が指摘したのは、漫画家・辰木涼(たつき りょう)が30年以上にわたって描き続ける「予知夢」の記録だ。彼女の同名コミックには「2011年3月、大きな津波が来る」という描写があり、東日本大震災後に“的中”が話題となった。


2021年の新装版では「2025年7月5日に真の災厄が訪れる」と追記され、これが今回の騒動の震源になった。aktiencheck.de



2. #July5Disasterが招いた“旅行ボイコット”

2025年春、TikTokや小紅書(RED)で「#July5Disaster」が流行すると、短期間で数億再生を記録。とりわけ地震経験の少ない香港・台湾ユーザーが恐怖を拡散し、旅行代理店のキャンセル電話が相次いだ。香港旅行社WWPKGは「6月時点で対日ツアー予約が前年同月比50%減」と明かす。washingtonpost.com



3. 航空各社の対応──運休・減便ラッシュ

  • 香港航空:7〜8月の鹿児島・熊本線を全便運休

  • グレーターベイ航空:5月中旬から徳島線を段階的に減便し10月まで縮小

  • 台湾LCC各社:成田・関空線の運賃を平均30%値下げ


香港航空は「搭乗率が想定を大きく下回る」と説明し、既存予約客には無料振替を提示した。Bloomberg Intelligenceの試算では、5月時点で香港発の訪日航空券予約は前年同月比50%減、6〜7月分は83%減と落ち込みが顕著だ。news.com.aubloomberg.com



4. 影響を受ける地方──“風評被害”の二重苦

キャンセルの矛先は、大阪や東京よりも地方空港に集中している。徳島県では定期チャーター便一本で年間約4万人を呼び込んでいたが、その8割が消滅。宮崎県では宿泊予約サイトの7月分キャンセル率が60%に達し、観光業者が「コロナより痛い」と悲鳴を上げる。washingtonpost.com



5. 日本政府・自治体の反応

  • 気象庁:5月の定例会見で「日時特定の地震予知は不可能」と公式に否定

  • 観光庁:訪日プロモーション動画を緊急配信し、“安全な日本”を訴求

  • 徳島・鳥取・宮崎県:風評被害対策会議を設置し、英語・中国語FAQを公開


気象庁地震津波監視課の野村良一課長は「科学的根拠のない情報に惑わされず、正しい防災行動を」と呼びかけている。washingtonpost.com



6. デマと向き合うソーシャルメディアの課題

今回の騒動は、①「過去に一部的中した」とされる実績、② 数字と日付の具体性、③ 地震多発国である日本の地理的特性、の3点が恐怖をリアルにした。SNS黎明期に比べ、拡散速度もユーザー層も桁違いで、特に短尺動画は視覚的インパクトが強い。プラットフォーム各社は「信頼できる一次情報のラベル表示」や「ファクトチェック連携」を進めるが、文化依存の“スピリチュアル情報”にはまだ脆弱だ。



7. “本当のリスク”──南海トラフ巨大地震シナリオ

日本政府が想定する南海トラフ巨大地震は、30年以内に70〜80%の確率で起こりうるとされ、被害額は最大1,410兆円。政府は2024年8月の宮崎沖M7.1地震後、初の「半日超の広域停電リスク」を盛り込んだ想定を公表した。市民が備えるべきは“日付特定の恐怖”ではなく、“いつ来てもおかしくない”巨大地震への備えである。washingtonpost.com



8. 観光産業のリスクマネジメント最前線

  • ダイナミック・キャンセルポリシー:地震情報に連動して返金条件を即時変更

  • 保険商品:旅行中に震度5強以上を観測した場合に全額補償するプランが登場

  • 危機広報(クライシス・コミュニケーション):自治体と航空会社が合同でSNSライブ配信を実施し、科学的知見を共有

逆風下でも、京都・奈良といった定番観光地は依然として高い集客を維持しており、“効果的な情報発信”が鍵を握っている。theguardian.com



9. 私たちにできること──冷静さと備えが観光を守る

  1. 情報源の確認:政府機関・研究機関の公式発表を第一に。

  2. 旅行保険の活用:キャンセル料・帰国費用をカバーする特約を必ず確認。

  3. 災害リテラシーの共有:万一の避難経路や非常持出袋を家族や同行者と共有。

  4. 風評拡散の抑制:確証のない情報をリポストしない。フェイクを見かけたらプラットフォームの報告機能を使う。



まとめ

マンガの一節から生まれた“7月5日大災害”説は、航空会社の減便という実害をもたらした。しかし科学的に日時を特定した地震予知は不可能であり、日本の公的機関は一致して噂を否定している。観光業界はリスクコミュニケーションと柔軟な補償制度によって打撃を最小化しようとしているが、最終的に風評を断ち切るのは私たち一人ひとりの情報リテラシーである。地震多発国に暮らすからこそ、“備えつつ楽しむ”旅の姿勢が求められていると言えるだろう。




参考記事一覧


極東での早期の災害?航空会社が日本へのフライトを削減
出典: https://www.aktiencheck.de/news/Artikel-Baldige_Katastrophe_Fernost_Airlines_streichen_Fluege_Japan-18694862

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