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“公開データ”は自由に取っていい?Google提訴で揺れるスクレイピング実務

“公開データ”は自由に取っていい?Google提訴で揺れるスクレイピング実務

2025年12月21日 07:28

「検索結果を吸い上げるAPI」ついに法廷へ

2025年12月19日(米国時間)、Googleがテキサス州のデータスクレイピング企業SerpApiを提訴した。争点はシンプルに見えて、実は複雑だ。検索結果(SERP)を自動で取得し“APIとして売る”行為は、便利なインフラなのか/検索エンジンと出版社の投資にタダ乗りする装置なのか。AI時代に入り、検索データの価値が跳ね上がったことで、長年グレーゾーンにいたビジネスが一気に“表舞台”に引きずり出された格好だ。 The Verge



何が起きた?――Googleの主張を要点だけ整理

報道によるとGoogleは、SerpApiがGoogle検索結果を含むウェブ上のコンテンツを大規模にスクレイピングし、顧客に再販売していると主張。さらに、Googleがスクレイピング対策として投入した仕組み(SearchGuard)を回避し、あたかも人間の閲覧のように見せかけてアクセスした、と訴えている。 The Verge


Google側が特に問題視するのは「検索結果に含まれる著作物」だ。検索結果にはリンクとテキストだけでなく、Knowledge Panel(ナレッジパネル)などに出る画像や各種モジュール、Maps/Shoppingに紐づく情報など、ライセンス契約に基づく素材も混ざる。Googleは、SerpApiがそれらを“取得→整形→API提供”することで、Googleや権利者が負担しているコストや権利設計を崩している、と位置づける。 Reuters


また、SEO業界向けメディアは、GoogleがSerpApiのモデルを「寄生的」と表現し、人工的リクエストが膨大だと訴状で述べている点も伝えている。 Search Engine Roundtable



SearchGuardとは何か:「人間の閲覧」と「自動取得」を分ける壁

今回の物語の中心にいるのがSearchGuardだ。The Vergeの整理では、SearchGuardは2025年1月に展開され、無断スクレイピングを止める目的で機能してきたという。Googleは、SerpApiが偽装ブラウザや多数のIPアドレスを使い、人間のアクセスに見せかけてこの壁を越えた、と主張する。 The Verge


さらに業界メディアの解説では、SearchGuardはJavaScriptチャレンジ等で“人間のブラウザらしさ”を確認する仕組みで、正規ユーザーには自然に通る一方、ボットには障壁になりやすい――という構図が描かれている。 PPC Land


Googleの公式ブログ投稿も、ステルス型スクレイパーがクローキング、ボットネット的な大量アクセス、クローラ名の偽装などでサイトの意思(robots.txt等)を無視し、権利者の選択を奪うと批判。ここ1年でこうした行為が大きく増えた、として“最後の手段として訴訟に踏み切った”という立て付けだ。 Google Blog



SerpApiは何者で、なぜ使われてきたのか

SerpApiは、GoogleやBing等の検索結果を取得してJSONなどに整形し、アプリや分析基盤に組み込みやすくするサービスとして知られる。実務の現場では、

  • 競合調査、価格・在庫調査、SERPの順位変動の追跡

  • 監視(偽情報・詐欺サイトの検知)

  • LLM/検索系プロダクトの「参照元URL収集」
    など、“検索結果を材料として扱う”用途が昔から存在した。


そして大きいのが、Googleが一般向けに「検索結果そのものの公式API」を提供していないという事情だ。Ars Technicaは、SERPスクレイピングは需要を満たす一方で、法的にはグレーになりがちだと整理する。 Ars Technica



SerpApiの反論:「公開情報だ」「競争を潰す訴訟だ」

SerpApi側は全面的に争う姿勢で、報道では「ログイン不要でブラウザに表示される情報と同じものを提供している」とし、この訴訟は次世代AIやセキュリティ、ブラウザ等を作る“イノベーター”への競争抑制だ――と主張している。 Reuters


ここが議論の“芯”だ。

  • 画面に見える=自由に自動収集してよいのか?

  • 量と手段(回避・偽装)が入った瞬間に、別の話になるのか?

  • “検索結果ページ”という編集物に、どこまで著作権/保護が及ぶのか?


Googleは「手段(回避)と規模(大量)」を強く問題視し、SerpApiは「公開情報へのアクセス」を前面に出す。両者の言い分は、技術的にも思想的にもすれ違う。 The Verge



なぜ今?――AIが“検索データの価値”を跳ね上げた

今回の提訴が注目されるのは、AIの普及で“検索結果データの価値”が跳ね上がったからだ。Ars Technicaは、チャットボットがWebを要約するにも、まずリンク群(=検索結果に近い素材)が必要で、結果としてSERPデータへの需要が高まったと指摘する。 Ars Technica


さらに背景として、Redditが2025年10月に、Perplexityと複数スクレイピング企業(SerpApi等)を相手取った訴訟があり、そこでもGoogle側の防御(SearchGuard)が言及されていた。 Ars Technica


今回Reutersは、RedditがGoogleの提訴を支持する立場を示したことも伝えている。 Reuters



法律面の争点:ポイントは「DMCAの回避」と「著作権・契約」

報道・業界解説の範囲で整理すると、Googleが軸に置くのは大きく2つ。

  1. 技術的保護手段の回避(DMCA 1201条周り)

  2. 検索結果に含まれる著作物・ライセンス素材の侵害、および利用規約違反


特にDMCA(技術的保護手段の回避)は、単なる“コピペ”ではなく「守りを突破してアクセスした」点を攻められるため、論点が立てやすい。SEO業界メディアは、GoogleがDMCA 1201条の枠組みで争う姿勢や、リクエスト増加率(最大25,000%増)などを紹介している。 Search Engine Roundtable


なお、訴訟は2025年12月19日にカリフォルニア北部地区連邦地裁で提起された、という裁判記録情報も確認できる。 Justia Dockets & Filings


※ここは一般論:最終的な違法/適法の判断は裁判の事実認定次第で、現時点では双方の主張段階だ。



ここから業界はどうなる?(SEO・データ・AIプロダクトへの影響)

この提訴が、実務者にとって“対岸の火事”ではない理由は3つある。

1) 「Googleの検索結果を材料にする」ビジネスが再編される

SERP取得を前提にしたツールや分析は多い。もし差し止めや強い判断が出れば、SERPデータ依存のサービスは調達先を変えるか、取得方法を根本から組み替える必要が出る。 Ars Technica


2) 代替のデータ源(他社インデックス/ライセンス)の価値が上がる

Ars Technicaは、SERPスクレイピングが難しくなると、公式にAPIを持つ他のインデックス/検索基盤へ需要が移る可能性も示唆している。 Ars Technica


3) “公開情報”の扱いが、AI時代に再定義される

「公開されている=自由に機械収集してよい」という直感は根強いが、AI時代は“収集の規模”がケタ違いになる。Googleはそこに歯止めをかけたい。一方でSerpApiは、公開データへのアクセスが制限されると、イノベーションが止まると訴える。 The Times of India



SNSの反応:賛否が割れる“二重基準”論争が中心

今回の件、SNSやコミュニティで目立つのは「正義の執行」よりも、むしろ**“お前が言うな”問題**だ。


反応1:「Googleがスクレイパーを訴えるの、鏡を見てるみたい」

Search Engine Roundtableのコメント欄では、Googleが出版社コンテンツを取り込み広告で収益化してきたことを念頭に、Googleの提訴を“逆にGoogleを訴える合図だ”と受け取る声が出ている。 Search Engine Roundtable


反応2:「いや、SerpApiは中抜き。止めるなら歓迎」

同じコメント欄でも、「SerpApiには救いがない」「間に一社挟まるだけ」なので排除は歓迎、という意見が見える。 Search Engine Roundtable


反応3:「検索結果はGoogleのものじゃない。コンテンツは“俺たちのもの”」

“検索結果に出た時点でGoogleの所有物のように扱うのはおかしい”という反発も強い。「それはGoogleのものではない」という短いツッコミが象徴的だ。 Search Engine Roundtable


反応4:プラットフォーム側(Reddit)はGoogle支持

Reddit側は「悪質な行為者がインターネットの開放性を逆手に取っている」といった趣旨で、Googleの訴訟に前向きな反応を示したと報じられている。 The Times of India


反応5:以前からあった「そもそも合法なの?」という素朴な疑問

この空気は突然生まれたわけではない。2025年10月時点の話として、Mastodon上で「サービスの看板に“Scrape Google”と書いてあるのが狂っている、どうして今まで訴えられなかったのか」と驚く投稿が引用されている。 Michael Tsai



まとめ:これは“スクレイピングの善悪”ではなく「境界線の引き直し」だ

Googleが言いたいのは「権利者の選択を守る」「防御を回避して大量取得するな」。SerpApiが言いたいのは「公開情報へのアクセスを閉ざすな」「競争を止めるな」。 Google Blog


どちらの言い分も、インターネットの歴史(クローリングとインデックス)に根っこがある。ただし、AI時代は“取得できる量”が別物になった。ここから先は、

  • 差し止めが出るのか

  • どの論点(DMCA/著作権/契約)が決定打になるのか

  • 「SERPを使うプロダクト」がどんな調達経路へ移るのか
    を追うことで、業界全体の地図が見えてくるはずだ。 Ars Technica


参考記事

グーグル、検索結果を「驚異的な規模」で吸い上げたウェブスクレイパーを提訴
出典: https://www.theverge.com/news/848365/google-scraper-lawsuit-serpapi

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